退職の引継ぎ|後任者に喜ばれる引継書の作り方・テンプレート有

退職するときの業務の引継書の作成についてお困りではありませんか?

 

業務の引継書を作ることは多くありません。自分の退職で後任者のために引継ぎ書を作りますので、迷惑をかけないように作っておくことが大切です。

残された人が安心するポイントは、後任者が「後は自分でなんとかなると思う」という状態になることです。

あなたがいなくなっても引継ぎ書があれば大丈夫という資料を作っておくことで希望通りの日に退職することにつながります。

こちらのページでは、『引継ぎ資料のテンプレートとサンプル』、『書き方のポイント』について解説していきます。こちらを全て読めば、後任者が安心できる引継ぎ書の作り方が分かり、スムーズな引継ぎを進めることができるでしょう。

 

1.引継ぎ書を作成するベストなタイミング

引継ぎ書は、引継ぎの「退職を決意した日から」コツコツ作成しておくことが大切です。

辞意表明をした後に作成するのではなく、辞意表明前に作成する理由は

  • 日々の業務を行いながら、引継ぎ項目を追加しておくことで、抜け漏れが無くなる
  • 引継ぎ書を作る作業が大変なので、すぐには作れない

ことです。通常の業務の合間や休憩時間、就業後の時間を利用して少しずつ作成しておくと理想的です。

辞意表明後は、なるべく後任者への引継ぎ期間を確保するために、引継ぎ書を事前に作成しておくと良いです。

 

2.引継ぎ書が喜ばれる理由

今の職場をスムーズに退職するために引継ぎ書を作成しておくことをおすすめしています。

喜ばれる理由

  • あなたがいなくなっても、これを見れば大丈夫という安心感がある
  • 引き継ぎの全体像が分かりやすく、後任者が安心する
  • 引き継ぎ項目の抜け漏れが無くなる
  • 上司に退職時期の相談をした時に、引き継ぎ期間の目処を立てやすい
  • 後々、後任者が異動、退職した時も使える

引継ぎすべき項目をデータに残しておくことで、あなたが退職する時、周囲の不安を少なくすることができます。

 

3.全体像が分かる『業務スケジュール資料』を作成

通常業務スケジュールは「年間スケジュール」と「月間スケジュール」に分けられます。業務によっては、週間スケジュールを作成しても良いです。

スケジュールのイメージはこのようなイメージです。

  • 大カテゴリ・・・・年間スケジュール
  • 中カテゴリ・・・・月間スケジュール
  • 小カテゴリ・・・・週間スケジュール(必要であれば作る)

 

3-1.年間スケジュール

業務の全体像を説明するうえで、年間スケジュールを作成しておくと、伝えやすいです。

< 年間スケジュールの作り方 >

  1. 担当業務を全て書く
  2. 1月~12月の月別に分けて、対象期間に『→』を入力
  3. 業務内容に作業概要を書いて、補足する

期間を入力するときに『→』について、図を挿入しても良いですが削除するや修正作業が手間になります。年間スケジュールでは細かく業務内容を書く必要はありません。あくまで概要が伝われば問題ありません。

 

年間スケジュール 業務引き継ぎ書

 

3-2.月間スケジュール

営業や管理部門、販売職など月ごとにルーティンワークがある場合は月間スケジュールを立てておくことをおすすめします。

< 月間スケジュールの作り方 >

  1. 作業項目ごとに作業納期を時系列順に並べておく
  2. 納期は第○○営業日/第○週/初旬・中旬・下旬/○○日/月末のように記載
  3. 報告先は自部門、他部門、取引先ごとに記載する。必要であれば担当者名も書く
  4. 書き方で注意すべきポイントや補足があればコメントを書く

月間カテゴリを作成する理由は、月ごとの業務スケジュールを整理することに加えて、退職する時期に一緒に業務を行えないときに退職後、後任者のための備忘録の役割を果たします。

5月に退職するとした場合、毎年年末年始に行うルーティンワークをOJTで引き継ぐことはできませんので、口頭のみの説明となります。退職・引継ぎ時期以外の業務については、より細かく情報を残しておくと、後任者のために役立ちます。

月間スケジュール 業務引き継ぎ書

 

 

4.後任者が理解しやすい引継ぎ書の作り方

後任者が理解しやすい引継ぎ書の項目は、こちらの項目を記載しておくと良いです。

< 引継ぎ書の項目 >

  • 業務の目的、概要
  • 作業手順、過去の作成データ
  • 作業期間、納期
  • 業務に関連する部署、担当者
  • 報告先、取引先
  • 備考、自分が工夫したところ、過去に失敗したこと

業務の目的、概要

業務の目的や意図、最終的なゴールを書きます。前後の仕事の理解が深まるポイントになりますので、仕事の目的を書いておくと後任者の理解が深まります。

 

作業手順、過去の作成データ

作業手順を箇条書きで書いておくと分かりやすいです。家電製品の取り扱い説明書のように順を追って作業を進めていけるように書くと良いです。

「① 集計表に○○データを入力する」

「② ○○~○○までの期間の平均、最大、最小値を出す」 etc

注意点として、専門用語や社内用語は控えておきましょう。限られた人しか分からないようなキーワードは、逆に分かりにくくなります。

 

作業期間、納期

「いつまでに完了すべきなのか」、「いつまでに提出すべきなのか」といった納期を書いておきましょう。

すぐに終わらないような仕事があるときは、「作業見込み、3~4h」などと必要な作業時間の目安を書いておくと良いです。

 

業務に関連する部署、担当者

業務の都合上、連携する部署や担当者がいる場合は記載しておきましょう。他部署から情報を入手しなければならない場合など、記載しておきましょう。

こちらに書いておくことで退職時の引継ぎの顔合わせの抜け漏れなどに役立ちます。

 

報告先、取引先

業務完了するときに連絡する報告先、取引先を書きます。取引先の場合、担当者レベルまで記載し、担当者に関する情報をなるべく残しておくことが大切です。

 

備考、自分が工夫したところ、過去に失敗したこと

役立つ引継ぎ書とあまり役立たない引継ぎ書の大きな違いは、「備考欄」にあります。

< 備考欄に書くと良いもの >

  • 過去に自分が失敗したこと
  • 仕事で困った時に相談する相手
  • 自分なりに工夫していたこと
  • 過去にあったトラブル事例と対処法

備考欄の厚みが仕事のノウハウになります。特に失敗したり、困ったりしたときの対処法が書いてあると後任者が非常に安心します。

過去のトラブルやミスの事例を共有しておき、同じような事例が発生しないことが周囲の安心につながります。

 

5.使う資料、データの保管場所一覧

使う資料やデータの種類が多い場合は、一覧表にしておくと良いです。

< 保管場所一覧の作り方 >

  • カテゴリは年間スケジュール・月間スケジュールで使用したカテゴリ名と同じにする
  • ファイル名・バインダー背表紙のタイトルを書く
  • 保管場所(社内システム・共有フォルダ内、保管庫の所在)を書く

データ形式は後任者が使える(使いやすい)ものを使いましょう。一般的にはmicrosoftのオフィスを使います。Visioなど後任者が使い慣れていないデータ形式は避けておくと良いです。

保管場所一覧表

 

6.引継ぎをスムーズに進める3つのポイント

引継ぎを行う場合、「口頭での説明」もしくは「OJT」になります。以下の3つを押さえておくと引継ぎがスムーズです。

・最低2週間は一緒に仕事をする

・後任者とは引き継ぎ期間中のスケジュールを共有する

・後任者にやらせることも大切

引継ぎ期間は遅くとも2週間一緒に仕事して、引継ぎ項目の確認を進めていきましょう。後任者が説明を受けて、実際に作業を進めると出てくる疑問や不安に対してフォローしておきましょう。

 

7.職種別の引継ぎ書の作成ポイント

職種別に引継ぎ書の作成するときのポイントをご紹介します。実際に作成するときの参考にしてみてください。

営業職の場合

営業職の場合、多くは取引先との業務が中心に引継ぎしていきます。

既存顧客であれば、過去の取引履歴、過去の提案資料、契約書、見積書、請求書など関係書類の所在を分かりやすく残しておくことが大切です。

新規顧客であれば、担当者名刺、提案資料などを共有しておきましょう。商談などデータに残っていない場合、「商談内容」などのカテゴリを作り、顧客ごとにテキストに残しておくとよいです。

 

事務職の場合

事務職の場合、業務のサイクルが早いため、月間スケジュールだけでなく週間スケジュールを作ることも有効です。

取り扱う書類やデータファイルが多くなりがちですので、保管場所一覧表を作成しておくと良いです。必要であれば、「引継ぎフォルダ」といったようにデータをまとめておくことも有効です。

 

企画職の場合

企画職の場合、過去の調査資料や過去の企画資料を共有しておくと良いです。それらの資料について、フィードバックを受けている場合は、その結果も共有しておきましょう。

過去の事例を参考にしたり、再利用することができると後任者の仕事の質が安定します。

 

8.まとめ

退職する時は、謙虚な姿勢で後任者に業務を引き継ぐことが大切です。

引継ぎ書は、自分がいなくなっても後任者が代わって仕事ができる状態にするためのマニュアル代わりとなります。誰が見てもわかりやすい内容に仕上げておきましょう。

 

こちらの記事が皆様の退職時の業務の引継ぎに際し、お役に立てれば幸いです。