「転職エージェントを利用して年収アップを狙っているが、どのように活用していけばよいか知りたい」
と考えていませんか?転職活動で年収交渉を自ら行うことに苦手意識を持っている人にとっては、年交渉を代行してくれる転職エージェントは心強い味方になります。
しかしながら、間違った手順で転職エージェントのサービスを受けていくと年収アップが出来ないどころか、とれる内定も取れなくなる事態になってしまいます。
こちらのページでは、現役の転職エージェントとして、年収2,000万クラスのエグゼクティブから正社員未経験の転職まで幅広く転職支援を行ってきた経験から、転職エージェントを活用して年収アップするための活用術を詳しく解説していきます。
こちらを読めば、今日から使える年収アップを狙うための転職エージェントの活用方法が分かり、一歩転職の成功に近づくことでしょう。
1.年収交渉が苦手という人は転職エージェントの依頼する
1-1.自分で年収交渉すると失敗してしまうことがある
面接で自ら年収交渉をすると、内定がほしいという気持ちが優先してしまい、希望年収より低く伝えてしまうかもしれません。
転職者と採用する側では、採用する側の方が上の立場になりがちです。そのため中々思い通りの年収を伝えられない、もしくは伝えにくいという話を転職者との面談でよく耳にします。
皆さまにとって、年収は再就職先を決めるうえで重要な項目の一つです。あなたは内定を獲得するために書類選考や面接の準備に専念し、応募手続きや年収交渉などの作業は転職エージェントに任せておくことも転職エージェントの使い方の一つです。
1-2.転職エージェントに依頼する3つのメリット
転職エージェントに年収交渉を依頼するメリットは3つあります。
- 過去の採用実績から提示可能金額を把握している
- 転職市場や採用動向など客観的な視点からあなたを売り込んでくれる
- 転職エージェントは企業と対等な立場で交渉できる
転職エージェントは年収500~1,000万円と幅広い年収設定でであっても、年収500万円であればスタッフクラス、700万円であればリーダークラス、それ以上はマネージャークラスというように、経験や役職ごとに採用するときの年収を過去の採用実績から把握しています。
転職エージェントから紹介してくれる求人企業は、あなたの提示する希望給与の条件を満たしている企業を選別しています。
また、転職者エージェントは第三者の立場から提案、推薦してくれます。あなたが採用すべき人材であることを、現在転職市場の動きや候補者の傾向など客観的な視点からあなたを営業してくれます。
2.転職エージェント側にも年収アップ交渉するメリットがある
転職エージェントは、非公開求人の紹介、職務経歴書の添削、キャリア相談など転職活動に役立つサポートを無料で提供します。
一方で、転職エージェントはあなたが入社した時に企業から年収の30%程度を成果報酬として受け取ります。
あなたの年収が高くなればなるほど転職エージェントが企業から受け取る成果報酬金額が高くなるため、転職エージェントとしても年収交渉することにメリットがあります。
もちろん企業から採用されなければなりませんので、年収交渉できる上限がありますので採用可能なギリギリの金額で交渉してくれます。
もう少し転職エージェントの立場の話をすると、転職エージェントは今回の年収交渉が成功すると、今後採用したいという候補者がいた時に、今回の年収金額を基準に交渉を進めやすくなりますので、転職者と転職エージェントの双方にメリットのある話です。
3.年収交渉するタイミングは3回ある
書類選考段階
直接応募者が採用企業と連絡を取り合うことが出来ないため、書類選考段階では転職エージェントが行います。
このような場合は、企業が採用したいポジションの給与設定に幅があるときに、交渉が行われます。
例えば希望年収が500万円の転職者がいた場合、採用できる給与幅が400~700万円であった時に転職エージェントから採用企業に対して、年収金額と採用すべき理由、推薦文を提出してくれます。
応募段階で「年収500万円の応募者」として書類の選考を始め、転職エージェントからの情報を加味して選考してくれます。
転職サイトなどの自己応募の場合はこの交渉ができないため、書類だけの情報で選考されるため通過率が低くなる要因の一つです。
転職エージェント経由で応募する場合は、転職エージェントが推薦する時にアピールできる材料を提供できるように面談を通じて、情報共有しておきましょう。
最終面接
基本的に面接選考中は、年収交渉については転職エージェント経由で行うことが鉄則です。こちらから年収に関する質問や希望を伝えることはしないほうが良いです。
しかし、最終面接では採用決定権者が担当もしくは同席する場合が多く、希望給与を確認してくることが多いです。
この場合は、転職エージェントに伝えた金額と差を持たせてはいけません。素直に回答しておきましょう。
最終面接から内定までの期間
このフェーズが年収交渉可能な最後のフェーズです。面接で伝え忘れたこと、上手く伝えきれなかったことなど転職エージェント経由でアピールしてもらうことも大切です。
このフェーズでは、選考段階での評価や他の選考者の比較により合否を決定していきます。
こちらの段階で改めて、転職エージェントに希望年収を聞かれた場合は、「この金額であれば内定承諾します」という年収額を提示することになります。
1次面接で年収交渉しない理由
これまでの転職者の傾向から1次面接で自ら希望年収について交渉したり、質問する人は不採用になる割合が高いです。
1次面接で年収交渉が出来ない・上手くいかない理由は、「採用側が、年収金額を決める程の情報を持っていないから」です。
この段階で自ら年収交渉を行ってしまうと、転職活動の優先順位が年収に重きをおいていて、業務内容や会社への関心が低いと評価されてしまう可能性があります。
既に書類選考段階で、転職エージェントから求人企業に希望年収は伝わっています。1次面接ではその金額に見合う経験やスキルを持ち得ているかどうかを判断します。1次面接で年収の話は控えておきましょう。
4.年収交渉する6つのテクニック
年収交渉をするための前提条件として、選考段階であなたが高い評価を受けていることが重要です。あなたを採用したいと考えていなければ年収交渉の余地はありません。
そのうえで、採用担当者が「なるほど、分かりました、そちらを考慮して年収を決定します」と納得するように話を進めるための交渉テクニックをご紹介します。
4-1.他社のオファーを提示して交渉材料にする
他社のオファーを同時に受けていることが条件ですが、こちらの交渉は効果的です。特に応募企業と同業の競合他社であればなお良いです。もちろん嘘のオファーを提示することはあり得ません。
他社のオファーを伝える場合の求人企業の採用担当者に与える効果は3つあります。
- 候補者が他社に持ってかれてしまうという機会損失のプレッシャーをかけられる
- 他社のオファーを断ってでも入社したいという意欲が間接的に伝わる
- 他社のオファーが競合他社であった場合、今回の候補者が提示した年収が低かった場合、これから出てくる候補者も今の年収では辞退されるのではないかと懸念する
求人企業は、競合他社の年収をある程度把握していますので、毎回有効というわけではありませんが、新たな職種を採用しようと考えていたり、積極的に採用を進めようとしている企業には有効です。
4-2.面接で金額を提示された場合は「間」を持たせる
転職エージェントに希望年収を伝えていても、面接中に希望年収を確認されることがあります。
その時に希望給与より低い金額を伝えられたときは、少し「間」を持たせて、回答すると面接官に提示金額では入社しない可能性があることを暗に伝えることが出来ます。
もちろん希望年収通りそのまま伝えられた場合は、間を持たせる必要はありません。
しかし、希望年収が500万円だとした場合、面接官から「450万~600 万円で検討しております。」というように少し条件に幅を持たせて伝えられるときがあります。
そのような時にこの「間」を入れることにより、面接官は450万円では採用できないことを察しますので、伝えることができます。
4-3.前職の給与を理由に交渉しない
採用企業の方針で前職給与を考慮すると言われていない限り、前職の年収を理由に交渉することは難しいでしょう。
年収が下がり、生活水準が大幅に下がってしまうと転職が難しいことは、採用企業は考慮していますが、前職の年収で給与を決めているわけではありません。
採用企業の考え方は、選考のときに次の職場に活かせるスキルや経験、人柄、将来的な期待、そして現在働いている従業員の給料とのバランスで決定していくため、前職に給料は参考程度にしかならない場合があるからです。
前職での勤務歴、実績、貢献度、昇給、昇格など勤務実績をもとに今の年収があるため、次の企業では、環境や業務が違うので、これまでの勤務実績を考慮するという考えがないからです。
前職の給料は参考程度に、選考で高い評価得るために活かせるスキルや将来性を評価してもらえるようPR材料を用意しておきましょう。
4-4.面接の段階で将来的な仕事の広がりをイメージさせておく
面接の段階で将来的な仕事のイメージを面接官に伝えることが採用につながる一歩となります。
面接官にあなたの将来性をイメージさせるたには、将来的にやりたい仕事、貢献できる仕事について具体的に話すことです。話す内容が企業から求められていることとの方向性が合致していなければなりません。
この時に使えるネタの探し方として、応募企業で働いている社員の紹介ページを参照して、その社員が歩んできたキャリアパスを参考に、自分に置き換えて話をしてみると良いでしょう。実際に実在するキャリアパスであるため現実性が増します。
こちらに掲載されている社員はエース級の社員ばかりですので、必ず全員がやり遂げることは難しいですが、現実的なビジョンとして有効です。
4-5.履歴書の希望給与欄は『貴社の規定に従う』と書いておく
書類上には、『貴社の規定に従う』と書いておき、面接などで直接交渉するようにしましょう。
書類に希望年収を書いてしまうと、書いてある金額以上の交渉は非常に難しくなります。
4-6.完全な異業種、未経験の仕事への転職は控えておく
外資系企業、金融系など給与相場の高い職種への転職をする場合など一部の分野を除き、完全な異業種、未経験の仕事への転職で年収交渉および年収アップを実現することは難しくなります。
どうしても進みたい分野が決まっている場合は、転職エージェントと相談しながら応募企業や選考の攻略への対策を準備しておきましょう。
5.年収交渉を進めるうえでやってはいけないこと
5-1.現職、前職の年収を実際の金額より高く伝えること
現職(前職)の年腫を実際の金額より高く伝えることは、転職エージェントに対しても、採用企業に対してもやってはいけません。
選考段階で年収だけを聞かれる場合もあれば、月給、残業代、賞与、福利厚生手当、交通費など確認されます。
採用する時に年収金額を設定するための重要項目となりますので、事前に把握しておきましょう。
転職エージェントは採用時の想定年収の30%程度を成果報酬として採用企業から受け取るため、年収の確認のために前年の源泉徴収票や昇給後の給与明細などを文書で確認されていきます。
現在の年収について、虚偽の申告をすると双方の信頼関係が崩れ、採用されないどころか、転職支援のサービスを受けられなくなりますので、注意しましょう。
5-2.内定通知書(オファーレター)が出た後に交渉すること
採用企業から内定通知書(オファーレター)を提示された後に年収交渉することはタブーとされています。
こちらは、企業内の給与テーブルとの調整、決定権者の承認など様々なプロセスを経て決定されている金額のため、変更は非常に難しいです。
この段階で年収交渉する場合は、入社意欲と熱意を伝えながら、内定取り消しの覚悟をもって、交渉にあたる必要があります。
5-3.希望給与と最低希望給与に差をつけること
企業からの希望給与と最低希望給与を確認される場合は要注意です。このような場合は希望給与と最低希望給与の金額を同額にして回答するようにしましょう。
採用企業としてはコストを抑えたいと考えているため、希望給与より最低希望給与を下げて伝えてしまうと、最低希望旧で提示される可能性が高くなるからです。
ケースバイケースですが、仮に希望給与が企業の給与テーブルに当てはまらないほど高かった場合は、低い金額で提示してくることもありますので、内定を出してくれたときの評価や給与決定の根拠について、転職エージェントに確認しておくとよいでしょう。
5-4.「いくらでもよい」と伝えてしまう
希望年収をいくらでもかまいません、と伝えることはあまり評価されません。希望給与は転職エージェント経由で必ず伝えられています。
「エージェントには〇〇万円と伝えております。前職の給与が〇〇であるため考慮していただけると幸いです。」というように聞かれた場合は金額も伝えておくと良いでしょう。
6.おすすめの転職エージェント
年収アップを叶えたいと考えている人に、おすすめの転職エージェントを以下の3つの指標をもとに厳選して3社をご紹介します。
- 企業とのコネクションがあり、営業力が高い
- 非公開求人含む求人の質が良い
- 丁寧なキャリアコンサルティングを提供している
dodaエージェントサービス
『dodaエージェントサービス』は、パーソルキャリア(旧:インテリジェンス)が運営する業界No.2の総合転職エージェントです。
大手企業を中心に非公開含む豊富な求人を保有しています。おすすめしたい点はキャリアコンサルタントの質の高さです。良く転職者の希望するキャリアを理解して、マッチング率も高いと評判です。
JACリクルートメント
『JAC リクルートメント』は、イギリス発祥の外資系転職エージェントで国内業界No.3に位置します。海外、グローバルポジションについては国内実績No.1です。
大手企業や海外企業の求人も豊富で、高年収の割合が高いです。
JACリクルートメントの特長の一つとして、企業と転職者の担当を一人で行うため、企業の採用に関わる情報を深くヒアリングしています。そのため面談後に紹介される求人のマッチ度も高いと評判です。
キャリアコンサルタントが直接企業へ提案するため、しっかりと人柄やキャリアの方向性を理解したうえで提案しているため、企業へ推薦力があるエージェントです。
リクルートエージェント
『リクルートエージェント』は、求人件数、転職決定数など業界No1の転職エージェントです。他のエージェントと比較しても圧倒的な数の求人件数を保有しています。
幅広いメディア運営による知名度に加え、企業とのコネクションも強く業界最大手に位置しています。
こちらの経歴と強みをしっかりと伝えておくことで、高い営業力で提案してくれます
7.まとめ
転職エージェントを利用して年収アップを実現する人は全体の6割程と統計で出ています。(※※リクルートエージェントHP)転職エージェントを上手く活用していくことで、面接でのPRに加えて、転職エージェント経由で更にプッシュしてもらうことで、交渉を進めることができます。
年収交渉する6つのテクニック
- 他社のオファーを提示して交渉材料にする
- 面接で金額を提示された場合は「間」を持たせる
- 前職の給与を理由に交渉しない
- 面接の段階で将来的な仕事の広がりをイメージさせておく
- 履歴書の希望給与欄は『貴社の規定に従う』と書いておく
- 完全な異業種、未経験の仕事への転職は控えておく
年収交渉を進めるうえでやってはいけないこと
- 現職、前職の年収を実際の金額より高く伝えること
- 内定通知書(オファーレター)が出た後に交渉すること
- 希望給与と最低希望給与に差をつけること
- 「いくらでもよい」と伝えてしまう
年収交渉を成功させるためには書類と面接で高い評価を獲得する必要があります。そのためにも書類の十分な作りこみと面接対策を準備しておくことが重要です。
職務経歴書は、書類選考と面接でスキルチェック、経歴確認で使用される最も重要な書類となります。
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・【採用担当に刺さる】職務経歴書の自己PRの書き方4ステップ
職務経歴書の作成については、不安な点や疑問点があれば転職エージェントに添削を依頼し、万全の状態にしておきましょう。
こちらの記事が皆さまの転職のお役に立てれば幸いです。