退職引き留めの対処法|良くある5つパターン別に対策を解説!

「退職願を受け取ってくれない...」

「人手が足りないから、もう少し残ってくれと言われている」

「退職の引き留めに合って、転職先の入社日を決められない」

などと退職の引き留めにあって悩んでいませんか?

退職の引き留めはほとんどの人が経験することです。転職先を見つかっても、現職で退職の引き留めにあって入社日が決められない、内定が取り消しとなることもあります。

退職の引き留めに対して準備しておくことでスムーズに退職することができます。これまで、転職エージェントとして過去の転職相談を受けた中で、退職の引き留めに関する事例は大きく分けて5つのパターンに分けられます。

  • 説得型(最も多い事例)
  • 社内規定行使型(有期雇用、年俸制の人に多い)
  • 待遇改善型(評価が高い社員もしくは一時的な予防措置)
  • 放置型(退職届を受理してもらえないなど)
  • 脅し型(非常識な上司がいるブラック企業に多い)

 

それぞれのパターンについて退職の引き留めに対する「対処法」についてご紹介します。

こちらを読めば、退職の引き留めの対処法を知ることができ、引き留めに悩むストレスが減るだけでなく、円満退職につなげることができます。

 

1.退職の引き留めをする理由

周りの人たちが退職を引き留めする理由は、大きく分けて3つあります。

・会社や職場に負担がかかるから

・上司の評価が下がるから

・あなたのことを考えているから

会社や職場、上司に負担がかかるからと言って、責任を感じることはありません。退職にかかる負担を最小限に抑えるような協力姿勢をもって、退職に向けて業務を行うことが大切です。

会社や職場への負担とは

会社にとって社員が辞めることは業務上も経営上も痛手です。会社と職場にとって2つの側面で負担がかかります。

会社にとっての負担

  • 採用コストがかかる
  • 離職率が上がると採用イメージが悪くなる
  • 業務ノウハウが無くなる・減る

会社にとっては、社員を新たに採用、教育する広告費及び教育コストがかかり、一人前になるまでの一定の期間が必要になります。

また、離職率が高い会社だとイメージが悪くなり、採用しにくくなります。上場企業であれば、会社四季報に離職率が掲載されますので、離職率を気にする会社は多いです。

 

職場にとっての負担

  • 人手が足りなくなると、残ったメンバーの負担が増える
  • 引継ぎや新たな教育が必要となり、生産性が下がる
  • 社員が辞めると雰囲気が変わる

どの職場も人員に余剰を持って運営しているわけではありませんので、残されたメンバーや業務量や部署の運営の都合で引き留めにかかります。引継ぎのために新たに業務を覚えなければなりませんので、どうしても仕事のスピードは落ちてしまいます。

 

上司の評価が下がることとは

部下が退職すると上司の管理能力にマイナスの評価が受けることがあります。

上司は、部下が退職が辞めるかもしれないことを事前に把握して、退職しないように対応することも一つの仕事だからです。

お世話になった上司に負担がかかることに、責任を感じる人も多いですが、退職前後で業務に支障が無いように後任者を決めて、引継ぎの期間を確保することも上司の仕事です。

 

あなたのことを考えているとは

中にはあなたのキャリアのことを考えて、退職や転職がプラスにならないと「客観的」に評価して引き留めている場合があります。

上司は会社としての立場で会社の都合も考えており、上司の本意を100%理解することができませんので、参考程度で話を聞きましょう。

「〇〇のスキルを身につけておくと、今後の役に立つよ」などと自分では考えてもなかったような視点からアドバイスをもらえることがありますので、話だけは聞いておくと良いです。

 

2.退職の引き留めに応じたときのメリット・デメリット

退職の引き留めに応じた時のメリットとデメリットについて紹介します。

メリット

  • 職場の不満を解消することができる
  • やりたい仕事や部署をかなえてくれる
  • 雇用条件が提示され待遇が改善することもある

退職を考えている理由が、「仕事や人間関係に不満はないが、給料が不満」、「今の部署にはやりたい仕事ができない」などと雇用条件に不満がある場合、不満を解消する引き留め条件を提示されることがあります。

現職を続けるメリットがあり、検討する価値があります。待遇改善を提示され、引き留めに応じた場合は、詳細や諸条件は口外しないことが大切です。

デメリット

  • 「退職しようとした人」とネガティブな評価をされる
  • 昇進、昇格、異動などの対象から外れやすくなる
  • 今後、退職しづらいと感じるようになる

退職の引き留めに応じた時のデメリットは、実務に直接影響がでることはなく、間接的なところで現れてきます。退職しないと決めたとしても、周囲からは「またいつ退職しようとするか分からない人」とレッテルを貼られてしまいます。

人事部で退職相談に関する履歴を残している会社もありますので、昇進・昇格に影響が出ます。今後大きな仕事や将来性のある仕事が任されにくくなることがあります。

 

3.退職の引き留め事例とその対処法

退職を申し出たときによくあるケースについてご紹介します。

3-1.「説得型」の退職の引き留め

説得型の退職の引き留めは最も多いパターンです。「あなたの良心」や「経験が少ないこと」、「不安」など心の隙間をついて説得にかかります。

< 良くある引き留めフレーズ >

・人手が足りないから後任が入社するまで待って欲しい

・今の時期に転職先を見つけることはそう簡単ではない

・今辞めるのはもったいない

・転職を繰り返すと、経歴の見栄えが悪くなる

・もう少し一緒に働きたい

 

説得された時の対処法

これらに対しては、「色々な方に相談して、考えたうえで出した結論となりますので、退職の意思は変わりません」と一貫して伝えることです。

人手が足りなくなくから、もう少しいて欲しいと頼まれるケースが多いです。人手が足りない原因は会社側の運営上の問題であり、会社側の責任です。

退職することにより、現在の職場に多少なりとも負担がかかることがあることを割り切り、退職への強い姿勢を持つことが大切です。

 

3-2.「社内規定行使型」の退職の引き留め

就業規則や規定、誓約書で定められた事由から引き留めるケースです。

< 一般的な退職規定の事例 >

・退職の通知は退職日の1ヵ月前までに申し出ること

・年俸制の場合、3か月前に申し出ること

・競業避止義務に違反していないか

 

社内規定に退職の申し出時期について定めている場合があります。

その他には、「競合避止義務」について規定している場合です。会社内の機密情報や技術情報、個人情報を利用して、他で仕事をすることを禁止・制限する誓約書を締結します。「〇年間競合他社への転職を禁止する」といった内容で、転職先で同じ仕事をすることで、損害を被るリスクを無くすためです。

しかし、日本国内では「職業選択の自由」が優先されていますので、競合避止義務違反として訴えられるケースはほとんどありません。

役職の有無にかかわらず、あからさまに前職の会社に損害が出た場合は、「退職金の返還」や「競合行為の差し止め」の請求を受けることがありますので、転職後にこれらの注意事項を理解してことが大切です。

 

社内規定を理由に引き留められたときの対処法

  • 退職意思を伝える前に就業規則の退職の申し出に関する事項を確認する
  • 退職時に競合避止義務に関する誓約書の署名を求められたら、拒否する
  • 転職先の会社名を伝えない

競合他社への転職を禁止することはできませんので、転職先でのモラルを遵守しておけば問題ありません。また、転職先を伝えなければ引き留められるリスクが下がりますので、伝えないことも有効です。

 

3-3.「待遇改善型」の退職の引き留め

勤務中の評価が高く、替わりがきかない存在である場合、待遇改善を提案され、引き留められます。

< 待遇条件の事例 >

・給与アップなど雇用条件の変更を提示される

・希望していた部署への異動を提示される

 

その他に退職理由に応じて、勤務スタイルの変更や残業を無くすなど提案されます。退職に対して柔軟に対応してくれる会社であれば、退職理由の不満の解消として相談に乗ってくれることがあります。

必ずしも転職することが全てではありませんので、提示された条件と転職した時の条件を比較して、客観的に評価すると良いでしょう。

しかし、経営が上手くいかなくなった等の理由から昇給ができないなどと、必ず実行してくれないことがあり得るリスクは想定しておきましょう。

 

待遇改善を提案されたときの対処法

  • 給与や福利厚生などの不満が退職理由であることを伝えない
  • 転職先が決まっていた場合は、条件提示を速やかに提示してもらう

条件提示をされた場合は、口約束で終わって無かったことにされる可能性がありますので必ず書面でもらうようにしましょう。

 

3-4.「放置型」の退職の引き留め

退職意思を伝えても退職が承認されない場合があります。

< 良くあるケース >

・退職願は預かっておくと、言われてから2週間以上経っている

・引継ぎの後任者を決めてくれない

・退職時期を決めてくれない

・退職に関する相談を受け付けてくれない

 

退職願を提出しても、「これは預かっておく」などと人事決定権者に退職手続きを取ってくれないケースです。放置型の良くないところは、退職希望日が迫っているにもかかわらず何もしてくれないことです。

 

放置型の退職の対処法

  • 「退職届」を内容証明郵便で会社に郵送する
  • 郵便が届いていても放置される場合は、上司に労働基準監督署に相談すると伝える
  • 退職代行サービスを利用して、退職手続きを進めてもらう

放置型の対策は、退職に関するやり取りについて、エビデンスを残しておくことが大切です。

退職は双方の合意は必要なく、労働者側の申し出のみだけで退職は成立します。退職届の郵便を受け取った日が「退職を申し出た日」となりますので、その日から1か月後には退職できるようになります。

郵送する書類は退職願ではなく、退職届を提出することがポイントです。退職願の場合は「会社側の合意」が必要となりますが、退職届は一方的な申し出だけで退職を成立させることができます。

内容証明の郵便を郵送し、受理した日を確認しておきましょう。郵便が届いていることを確認しても、なお引継ぎを進めてくれなかったり、周囲に退職することをアナウンスしていない放置状態になっているようであれば、これまでの履歴をもとに「労働基準監督署に相談に行きます」と上司に伝えれば、退職してくれケースがほとんどです。

対処しなければ、労働問題として是正指導の対象となりますので、対処する可能性が上がります。

この手続きをもってしても退職手続きを取ってくれなければ、退職代行サービスを利用すれば、3万の有料サービスとなりますが、合法的に即日退職することができます。

 

3-5.「脅し型」の退職の引き留め

雇い主である会社側の立場の方が強いことを悪用し、高圧的に迫ったり脅してくるような悪質な引き留めをする場合があります。

< 脅しにかかるケース >

・いなくなったことによるメンバーの残業の負担分を損害賠償する

・〇〇ヵ月以内に退職する場合は、違約金が発生する

・〇〇ヵ月以内の退職は認められない

 

職場の負担が増えて損害が出ているなどと金銭の請求を請求しようとする場合があります。故意に損害を発生させた場合を除き、社員に損害賠償することはできません。罰金や違約金に関する雇用契約は法律で禁止されています。

労働基準法第16条 (賠償予定の禁止)

使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

その他には「会社の費用で留学させたのに、〇〇年以内の退職は認められない」などと、退職時期を制限することは認められていません。退職を禁ずる行為は、労働基準法で定められる中で最も重い懲罰の対象となります。

労働基準法第6条 (強制労働の禁止)

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

 

損害賠償請求の脅し型の対処法

  • 会話をテープレコーダーで録音する
  • これらの損害賠償請求については違法であると明言する
  • 判断がつかない場合は、無料の相談窓口に相談して法令知識を確認する

脅し型の退職を引き留めは、引き留める当事者に法令知識がない場合がほとんどです。正しい法令知識をもとに冷静に対処することが大切です。

退職について、会社が社員に金銭の要求したり、退職を制限するはできません。損害賠償を請求を迫るような会社は、「言った言わない」のやり取りになる傾向にありますので、レコーダーやスマホの録音機能を活用して、履歴として残しておきましょう。

一部では、自己都合の退社に限り、会社の負担で留学や資格を取得した費用を自己負担とする会社もあります。これらは雇用契約書等に定められていますので、事前に確認しておきましょう。

正しい法令知識を確認するには、こちらの3つの窓口相談すると関係法令を紹介してくれて、対処法についてアドバイスしてくれます。相談して法令知識を確認するのが面倒で、すぐに退職したい人は退職代行サービスを利用するのも良いでしょう。

 

労働基準監督署 総合労働相談コーナー

各都道府県の労働局や労働基準監督署に設置されている労働問題の相談窓口です。退職トラブルだけでなく、パワハラなどの労働問題全般に対応しています。

悪質な事例の場合、労働基準監督書から直接会社に連絡して、事情を確認して対処してくれます。

 

総合労働相談所・社労士会労働紛争解決センター共通ダイヤル

各都道府県にある社会保険労務士会の相談窓口につながる無料ダイヤルです。退職トラブルなど労働問題について相談して、解決に向けたアドバイスをもらうことができます。電話と対面で相談可能です。

 

法テラス

専門のオペレーターが退職トラブルやパワハラなどの労働問題に関するアドバイスや法令を紹介してくれます。必要であればケースごとに相談窓口を紹介してくれます。収入が一定額以下の人の場合は、無料で弁護士などの専門家に相談できる制度があります。

 

4.退職の引き留めを振り切る心構え

退職を切り出すと、ほぼ必ずと言っていい程引き留めされます。ほとんどの方が「退職すべきなのか?」、「周りに迷惑がかかるのでは?」と心がゆらぎます。更には上司、同僚など周囲との関係性も変化して、非常にストレスになります。

退職を切り出すと退職の引き留めがあることを前提に進めることが重要です。3つの心構えを持っておきましょう。

< 3つの心構え >

①退職するという強い意志を持つ

②退職を切り出したら、引き返さない

③現職の不満や愚痴を言わない

 

退職しようと決めてから「強い退職意思を持つこと」が最も大事です。その次に待遇条件が見直されても、次の転職先が不安になっても、引き返さないことです。一時的な感情の変化で、現職を続けたとしても時間が経つとやっぱり転職すればよかったと後悔する人は多いです。

無理な引き留めがあったりしても、現職の愚痴や悪口を言わないことも円満退社に必要です。

 

5.まとめ

退職を切り出すと、上司だけでなく同僚や他部署のメンバーなどあらゆる人から引き留められます。

退職の引き留めが、わずらわしいと感じる人は引き留められないように退職を伝える段取りを進めておくと良いです。

転職相談の中で最も引き留められない伝え方は、「転職先から内定が出たので退職いたします」と伝えることです。そうすると説得型の引き留めや放置型の引き留めるケースが減ります。一部説得型の引き留めに対しても「決めたことなので意思はかわりません」というスタイルを崩さなければ大丈夫です。

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