「自分の経験で転職できる企業法務の求人を探している」
「今のまま現職に居続けて、知識や経験を身につけられるか不安だ」
などと、法務職としてのキャリアに不安を持っていませんか?
法務職は、資格はもとより実務経験が何よりも評価される職種です。しかしながら、業界や会社の事業運営、事務所の顧客取引によって経験できる実務が大きく異なります。
そのためキャリアを積んでいこうと考えている人やどこか今より良いポジションは無いかと考える人は多いです。
法務職の転職は、あまり求人が出回らないことが多く、面接で業務知識や経験、論理的思考能力を評価する質問のレベルが高いと言われています。
そのため、転職市場における十分な情報収集と選考対策が必要となります。転職エージェントを活用することで、業界情報や技術動向、求人企業の内部情報を知りつつ、企業選考の対策をサポートしてくれるため、ミスマッチなくあなたの希望に合致した転職を支援してくれます。
これまで、転職エージェントとして管理部門の転職支援を行ってきた経験と業界知識をもとに、法務職に強い転職エージェントを紹介します。
こちらを読めば、法務職の転職に強い転職エージェントが分かり、あなたの希望に合致した求人を紹介してくれる担当者に出会い、転職の成功に一歩近づくことでしょう。
1.法務職として転職するときのポイント
1-1.PRポイントの整理
これまでのキャリアで培った知識や経験をPRすることに加え、自らのヒューマンスキルも合わせてPRしていくようにしましょう。
経験やスキル、業務領域を分かりやすくPRすることについて、以下のポイントを明記しておきましょう。
- 得意とする法律分野を書く
- 英語など外国語を使用した業務経験を書く
- M&A、統合合併などの経営の視点を持った戦略的法務の経験をPRする
- 労働問題などの問題解決実績を書き、対応力や調整スキルを書く
- 契約作成・審査数などの業務実績について具体的に件数を書く
- 訴訟調停対応やクレーム対応の経験を書く
- 社内規定作成、導入、変更作業の経験を書く
- 現場や他部署との折衝経験を書く
法務担当としての業務だけでなく、経営視点で判断する対応力や他部門との法解釈や契約内容の説明などの実務レベルのコミュニケーションなどを具体的に書いておくと実務レベルが伝わりやすくなります。
※弁護士資格がなくとも経験を重視される
どの企業も人材が不足しているため経営戦略によって法務職の採用活動が活発です。弁護士資格がなくとも、法務職としてどのような役割で業務を担当してきたか、案件概要を記載することで業務能力を評価してくれます。
特に困難だった案件について、業務過程を書いておくと業務レベルや実践力が伝わりやすくなります。
1-2.あなたのキャリアにマッチした会社を探すために
法務職としての転職での会社選びについて、業界や事業規模、企業法務なのか弁護士事務所なのかによっても業務スタイルや社風が違います。外資系、国内系の企業でも関係法令も違えば意思決定のプロセスも異なります。
法務職は企業法務と弁護士事務所では給与テーブルが違い、昇格のキャリアパスも違い、これらを全て自分で調べることが難しい情報があります。
法務職として「知識や経験を積める環境があるか?」「自分の経歴と同じぐらいの人が転職したときに年収が上がりそうか?」などの情報は自分で見つけることは非常に難しいです。
有名事務所の中途採用で応募しても倍率が100倍を超える企業も多く、中々転職活動が進まない、ということも良くある話です。
法務職の転職で、あなたの希望に合致し、かつ効率的に転職活動をしようとする場合は、転職エージェントの活用をおすすめしています。
メリットは以下の通りです。
- 応募から給与交渉まで、面接以外転職に必要な作業を代行してくれる
- 非公開求人含め、あなたの希望に合致した求人を探してきてくれる
- 企業の採用要件を把握した上で、求人を紹介するためマッチング率が高い
- 過去の面接で質問された質問事例集など面接対策をしてくれる
- 無料で利用できる
- あなたと同様の経歴の転職事例を教えてくれる
法務職という特性上、人材の採用情報を、競合他社など外部に知られたくないという事情から、非公開求人として転職エージェントに人材確保を依頼する企業が増えてきています。
転職市場に出回らない求人の確保のため、転職エージェントを活用することをおすすめします。
2.転職エージェントの選び方
転職エージェントの活用として総合型転職エージェント2社の登録に加え、法務職の専門領域に強い特化型の転職エージェントの活用を補てんとして活用することをおすすめしています。
理由は、以下の3点です。
- 各社独自の非公開求人を網羅でき、求人の幅、量を確保できる
- 各社独自のサービスを見極め、あなたに合ったサービスを受けられる
- 自分にあった転職エージェント担当者を選ぶことができる
3.おすすめの転職エージェント7選
総合型転職エージェントはリクルート、dodaの国内の最大手とされています。非公開含め求人件数が圧倒的に違います。
まずはどのような求人が市場に出回っているかを知るためにも、リクルートなど転職エージェントを活用しておきましょう。
dodaなどは大手といえどもキャリアコンサルタントの質も総じて高いエージェントが多いです。企業法務職などの管理部門系の転職ではMS-Japanが良いと評判です。
業界情報や求人票、業務内容に関する詳細な情報を持っているエージェントを選び、仕事の方向性を決めていき応募する企業の選定を行うと効率的です。
今回は以下の観点から厳選して、7社を紹介します。
- 企業の選考対策のサポートがあり、キャリア相談などサポートが手厚い
- キャリアコンサルタントの質が高い
- 求人の質と量
3-1.法務職に強い総合型転職エージェント
MS-Japan
『MS-Japan』は、管理部門に特化した転職エージェントです。経理、財務、人事、法務、財務など専門領域ごとにコンサルタントが配置されています。業界内でトップクラスの求人を保有しています。管理部門に特化しており、企業選考のノウハウが豊富です。
担当するコンサルタントの専門性が高く、面談の満足度が高いと評判です。また資格を取りたての方のキャリアパスの相談や50代以上、管理職など幅広い転職の支援を行っており、法務職の幅広い階層の転職の相談に対応しています。
随時個別面談を行っており、法務職で転職を検討している人はまず登録すべき転職エージェントです。
国内拠点
飯田橋、横浜、名古屋、大阪
リクルートエージェント
『リクルートエージェント』は、求人件数、転職決定数など業界No1の転職エージェントです。
ほぼすべての業界に対応しており、総合型転職エージェントです。「法務・コンプライアンス」、「内部監査」のジャンルで非公開求人を含めて、1,600件以上求人件数があります。
こちらは他のエージェントと比較しても圧倒的な数の求人件数を保有しています。メディア運営、企業への高い営業力とコネクションにより、業界最大手に位置しています。
実際に登録をして、求人の紹介を受けると大手と呼ばれる企業の求人がずらりと並びます。
選考に進むとなると『AGENT Report』と呼ばれるレポートで、採用企業ごとに業界分析、選考ポイント、入社事例などをまとめた資料を求人票とは別にもらうことができます。
採用企業の立場から見ても、リクルートエージェントの圧倒的な人材データベースがあるため、求人依頼をするときには必ず依頼をしておきます。
もちろん他のエージェント経由で採用する時もありますが、やはり登録人材が多いことと求人件数が多いことで、マッチング頻度は高いと言えます。
国内拠点
札幌、仙台、宇都宮、大宮、千葉、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、福岡
dodaエージェントサービス
『dodaエージェントサービス』は、パーソルキャリア(旧:インテリジェンス)が運営する業界No.2の総合転職エージェントです。
こちらも大手企業を中心に非公開含む豊富な求人を保有しています。
おすすめしたい点はキャリアコンサルタントの質の高さです。転職者の希望するキャリアを理解して、マッチング率も高いと評判です。
大手企業とのコネクションも強く業界情報や採用状況を教えてくれます。また、職務経歴書の添削など丁寧な転職サポートを提供しているため、満足度が高いと評判です。
国内拠点
札幌、仙台、丸の内、横浜、名古屋、大阪、広島、福岡
JACリクルートメント
『JAC リクルートメント』は、イギリス発祥の外資系転職エージェントで国内業界No.3に位置します。海外、グローバルポジションについては国内実績No.1です。
大手企業や海外企業の求人も豊富で、高年収の割合が高いです。JACリクルートメントの特長の一つとして、企業と転職者の担当を一人で行うため、企業の採用に関わる情報を深くヒアリングしています。そのため面談後に紹介される求人のマッチ度も高いと評判です。また、キャリアコンサルタントの質が高く、キャリアプランの相談などこれから転職を検討している方などにおすすめです。
国内拠点
大宮、神保町、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、広島
法務職に特化した転職エージェント
リーガルブリッジ
『リーガルブリッジ』は、アーベイン・スタッフが運営する法務、知財分野に特化した転職エージェントです。一人の専門担当者が企業と転職者の双方を担当し、両面型でサポートを行う体制をとっています。スタッフクラスからマネージャークラスまで層別に求人を保有しており、個別でサポートしてくれます。
国内拠点
新宿
外資系に強い転職エージェント
ロバートウォルターズ
『ロバートウォルターズ』は、ロンドン発祥の世界28か国主要都市に展開する転職エージェントです。
外資系、日系グローバル企業を中心に求人を扱っています。ハイキャリアの求人を多数扱っています。グローバル人材マーケットレポートを定期的に発行しており、相当量の調査データから転職動向に関するアドバイスをもらうことができます。
ネイティブレベルの求人を多く扱っているため、キャリアコンサルタントは全員バイリンガルです。外資系ならではの面接に関する細かな助言指導をもらいたいという方にはおすすめです。
国内拠点
渋谷、大阪
弁護士の転職に特化した転職エージェント
弁護士ドットコムキャリア
『弁護士ドットコムキャリア』は、法律相談ポータルサイトを運営する弁護士ドットコムが行う転職支援サービスです。転職支援サービスとしては後発ですが、弁護士事務所とのコネクションも強く法律事務所への転職を考えている人におすすめです。
若手法務担当やアソシエイトクラスのポジションから企業法務責任者など幅広く求人を保有しているため、現在の経験に合わせてキャリアの方向性にマッチした求人を紹介してくれます。
国内拠点
六本木、大阪
4.転職エージェントを最大活用する7つのポイント
4-1.定期的に連絡を取っておく
キャリアコンサルタントから定期的に「転職活動のご状況は?」、「紹介した求人案件への興味は?」、「希望条件に変わりはないか?」というように連絡が来ます。
転職エージェント側のシステム・データベースで、転職者一人ひとりの履歴が保存されています。こちら側の状況を伝えておくと、その内容と最終連絡日の履歴が残ります。そうするとエージェントとしては、「まだ転職活動見込みがありそうだ」ということになり、新しく求人が発生した場合など、優先的に紹介してくれる確率が上がります。
また、メールや電話でなくとも転職エージェントの登録者が利用するシステムへのログイン日も一つの基準になります。定期的にログインしておくなどしておくとおすすめです。
4-2.嘘をつかない
履歴書や職務経歴書の記載内容に、事実と違うことを書いてしまうことです。
意外にも、事実と違うと発覚するケースは多いです。例えば、転職エージェントに登録した時に、数年前の登録情報と違う?といったケースもよくあります。
そうなると、虚偽の報告をする方だと、要注意人物と見なされ、求人の紹介を受けにくくなってしまいます。
4-3.転職エージェントの勧める求人を見定める
転職エージェントに登録し、面談の時に職種などの希望条件を伝えると、5件から50件程度求人の紹介を受けます。それらを一つ一つに目を通して、応募するかしないかを自分で決めていきます。
「ここが希望と違った、ここが希望に近いので応募したい」などと条件とのマッチングをしていくと紹介してくれる求人の質が上がっていきます。
4-4.複数の転職エージェントに登録する・絞り込む
複数の転職エージェントを利用することのデメリットは、転職エージェントに登録し、直接あったり、電話で面談したりしなければならず、手間がかかりますが、それ以上に得られるメリットがあります。
複数のエージェントに登録する大きなメリットは下記の2点です。
- 各会社の非公開求人の紹介を受けることで、網羅できる
- 自分にあったエージェント担当者に出会う確率が上がる
その他にも細かな理由がありますが、上記が大きな理由です。
良い転職エージェント担当者に出会うことが、転職を成功させる大きな要因の一つになります。エージェント選びは、やはり自分に合うか合わないかといった基準で選ぶことが重要です。
4-5.すぐに転職すると伝える
転職エージェント担当者から必ず質問を受ける一つに、転職時期を確認されます。
大半が、「良いところがあればすぐに」、「1か月以内」、「3か月以内」、「時期は決まっていないが転職を考えている」といった具合です。
その場合は、「良いところがあればすぐに」と回答しましょう。
そうすることにより、転職エージェントの優先度が上がります。求人を紹介してもらえないと、転職活動の第一歩にならないので、「良いところがあればすぐに」と回答することで、より早く情報を提供してもらえるようにしましょう。
4-6.転職理由を明確にする
自分が今回の転職で何を実現したいのか、何を期待しているかを明確にしておきましょう。当たり前のように感じるかと思いますが、非常に重要です。
「給与アップ」、「大手企業に転職したい」、「引っ越し先から通勤できる勤務先を探している」、「残業時間が少ないところが良い」といったように、それぞれの優先順位を自分の中でつけておくと転職活動の効率が上がります。
4-7.複数のエージェントから同じ企業に応募しない
複数の転職エージェントに登録していても、同じ採用企業に応募しないようにしましょう。転職サイト経由の場合でも同様です。同タイミングで応募した場合、採用企業としてもどちらの転職エージェントと対応して良いか困惑してしまいます。
その場合、必ず採用企業側から両方の転職エージェントに連絡がいきますので、結果的に採用企業と転職エージェントの双方に、情報管理ができない転職者という見られ方をされ、応募が出来なくなったり、転職エージェントからサービスが受けられなくなることもありますので、注意しましょう。
また、採用企業の中には過去1年以内に応募した転職者は選考対象外にする会社もあるため、仮に過去に応募したことのある場合は、転職エージェントに確認しておくとよいでしょう。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
法務職として企業法務、弁護士事務所などキャリアの方向性を定めるうえで、転職エージェントを活用することが、非公開求人の紹介や面接対策を行う上で有効と言えるでしょう。
おすすめ転職エージェントまとめ
法務職に強い総合型転職エージェント
・MS-japan|法務、知財、財務など管理部門に強い総合転職エージェント
・リクルートエージェント|業界No1。メディア力が強く大手企業とのコネクションがある
・dodaエージェントサービス|業界No2。丁寧なサポートとキャリアコンサルタントの質が高い
・JACリクルートメント|外資、ハイクラス、高年収の求人多数
分野別のおすすめの転職エージェント
法務職に特化した転職エージェント
・リーガルブリッジ|法務分野に特化した転職エージェント
外資系に強い転職エージェント
・ロバートウォルターズ|海外、外資系に強く、英文レジュメ、インタビュー対策におすすめ
弁護士の転職に特化した転職エージェント
・弁護士ドットコムキャリア|弁護士事務所への転職におすすめ
こちらの記事が皆様の転職のお役に立てれば幸いです。