人事が解説!面接で他社の選考状況の質問への対処法【回答例付き】

「面接で他社の選考状況を聞かれたけれども、どのように答えたらいいの?」

面接で他社の応募状況や選考状況を聞かれたときには、下手に隠すようなことは必要なく正しい回答対処法があります。

他社の選考状況を聞かれる場合は、選考通過・内定を視野にいれ始めるタイミングで質問する面接官もおり、良い傾向である一方で間違った回答方法をしてしまうと、志望動機との一貫性を疑われて、人物不信と評価され不採用になることもあり得ます。

こちらのページでは、現在人事責任者として毎年千人近く面接選考している経験から選考状況を確認している面接官の視点と想定される質問事例7つとその正しい回答事例を紹介していきます。

 

こちらを全て読めば、面接での他社の応募状況、選考状況に対する対処法が全てわかり、面接の選考突破に向けて一歩近づくことでしょう。

 

1.面接官が他社の選考状況を確認する理由

理由1.転職活動の企業選びの軸を知るため

他社の業界や応募した仕事内容からそれぞれの応募動機を推測し、志望動機との整合性を確認しています。

例えば志望動機が「これまでの法人営業経験と実績を出すプロセスで培ったスキルを活かしたい」としていたにも関わらず、他社は事務職やエンジニア職を希望していると、志望動機が伝わりにくく志望意欲が低いと評価されてしまいます。

 

理由2.自社の志望意欲の高さを知るため

同時並行で進んでいる他社の状況を確認し、自社への志望意欲の高さを確認しています。

採用担当者の立場としては、内定を出した場合入社する見込みがどれぐらいあるのかを確認するために質問しています。

 

理由3.他社の選考状況次第で選考スケジュールが変わるため

他社の選考状況や日限を確認し、選考スケジュールを決めるときの参考にしています。他社の入社意思の回答期限が自社の選考期限となることもあります。

例えば、自社の一次面接の次の日が、他社の入社意思の回答期限であれば、その結果次第で選考を進めるかどうかが決まるためです。

2.他社の選考状況の答え方とポイント5つ

Point1.他社の社名を言わない

他社の社名は伝えなくても問題ありませんので、社名は言わないほうが良いでしょう。正直に伝えてしまうとデメリットが2つあります。

  • 他社の採用状況を教えてしまうと情報管理ができない人なのではと思われる
  • 他社の給与相場を知られていると年収交渉しにくくなる

 

Point2.志望動機の軸と合っている会社だけ伝える

面接官が他社の選考状況を確認する理由の一つである「志望動機との一貫性の確認」に対する対策として、志望動機が近い会社だけに絞って伝えると良いでしょう。

 

Point3.職種や選考状況に関して嘘はつかない

他社の選考状況について嘘の情報を伝えるのはリスクが高いのでやめておきましょう。内定が出てもいないのに内定が出ていると伝えることはもちろんNGです。

また、他社を受けているにも関わらず受けていないと伝えることも良くありません。選考スケジュールの調整が出来なくなった場合の理由に伝える口実に困ることや、いくつかの会社の内定条件を比較して決めたい場合に入社意思の回答期限を遅らせる調整をしたいときに困ってしまいますので、選考状況に関しては正直に伝えておきましょう。

 

Point4.選考で落ちた会社は言わなくてよい

現在選考中の会社だけ伝えるようにしましょう。不採用になっていることを伝えると他社では、評価されなかった人材だとマイナスの評価につながるリスクがあります。

 

Point5.内定が出ている場合はアピールにつながる

既に他社で内定をもらっていることは他社で評価されている人材とPRでき、また志望意欲をPRすることも可能です。

「現在2社内定をいただいております。しかし御社の選考が終わるまで待っていただいております」と伝えることができれば、志望意欲のPRにもつながります。

 

2-1.応募する企業が第一志望の場合

面接している企業が第一希望の場合は、ストレートに第一希望であることを伝えましょう。

並行して選考が進んでいる場合、どこも内定をもらえれば行きたい企業ばかりの場合でも、どの企業に対しても第一企業と答えておきましょう

 

2-2.応募する企業が第一志望ではない場合

他社の内定が第一希望である場合は、他社の選考結果と比較しながら慎重に決断していきたいという姿勢と、応募意欲を示しておきましょう。

この場合は、比較検討している他社の選考状況と決断できる日限を伝えておきましょう。

 

3.他社の選考状況 質問リスト(回答例付き)

他社の選考状況について確認されるときに良くある質問事例をと回答例をご紹介します。それぞれ面接官の意図をふまえて回答すれば、合否に関わるようなことはありません。

1.選考途中の企業で第一希望はどこの会社ですか?

この質問は、内定を出した場合どれぐらいの割合で入社してもらえるかという見込みを立てるのと同時に入社意欲を確認しています。

基本は同時並行で進んでいる会社それぞれに、第一希望と回答していくことです。

しかしながら選考状況によっては、第一希望ではなく、他社の選考結果が出てから判断したい場合は、素直に他社の選考結果を比較して決断することを伝えておきましょう。

【回答例】(第一希望でない場合)

本日面接で話を伺い、御社の業務内容に対し、やってみたいという思いが強くなりました。それと同時にもう一社、興味のある会社がありそちらの話も伺ったうえで慎重に進路を決断したいと考えております。

 

2.複数の会社から内定が出た場合はどのような基準で選びますか?

志望意欲との整合性を確認していることと同時に、応募者が最も重要視している転職の軸を確認しています。キャリアの志向性が自社にフィットするのかどうかを判断しています。

【回答例】

光栄にも現在選考が進んでいる企業から内定を頂いた場合、希望する条件はどこも充分満たしておりますので、それぞれ伺った業務内容への興味と選考でお会いした社員の皆さまの印象など総合的に考えて判断してまいります。

 

3.仮に弊社が内定を出した場合、いつまでに回答できますか?

他社の選考が並行しておらず、内定が出でれば入社を希望する場合は、「内定を頂いたら即日回答できます」という旨を伝えておきましょう。

他社の選考結果を踏まえて検討したい場合は、他社の選考状況と選考日限について説明し、日限を伝えるようにしましょう。

【回答例】

本日面接で話を伺い、御社の業務内容に対し、やってみたいという思いが強くなりました。それと同時にもう一社、興味のある会社がありそちらの話も伺ったうえで慎重に進路を決断したいと考えております。そちらの企業は〇〇月〇〇日に最終選考を予定しておりますので、〇〇日には回答できます。

 

4.これまで弊社の選考を受けてきてどのような印象を持っていますか?

選考を通して、自社が志望動機と合致している会社であるかをどのように思っているかを確認するために質問しています。他社との志望度の違いをチェックするときに質問することがあります。

面接官が人事担当であれば、印象を良くしたり、入社に向けた動機づけが出来ているかという観点から改善すべき点があるかどうかを確認しています。

【回答例】

応募前の印象は、この業界での御社は〇〇や△△のサービスを立て続けに展開しており勢いのあるイメージを持っておりましたが、これまでお会いした社員の皆さまとお話しをお伺いしたところ、非常にリスク管理を徹底されているという印象を持ちました。これだけの勢いのあるサービスを行いながらもあらゆる事態を想定しておられる姿勢に驚きました。その他、皆さま優秀な方がいらっしゃるとも思いました。

 

5.他社で選考を受けられている〇〇社はどこ経由で応募していますか?

転職活動の方法を確認している場合は、概ね選考とは関係が無く、自社の応募者がどのような転職活動をしているのか確認しています。

面接官が人事担当者であれば、あらゆる採用手法を検討しなければなりませんので、今後の参考として聞いていることが多いです。

【回答例】

現在御社以外に2社選考が進んでいます。1社は転職サイトの〇〇で求人を見つけてそちらから応募いたしました。もう1社は御社を紹介していただいた転職エージェント経由で応募しています。

 

6.〇〇社の仕事はうちの仕事とあまり関連がないようですが?

他に応募している企業の業種や職種、仕事内容が応募面接している求人とあまり関連性がないようなときに質問されることが多いです。

一見関連性が見られないような場合、この質問で確認していることは志望動機との一貫性があるかどうか、転職先選びの軸や考えかたを確認しています。

この場合は、転職先を選ぶうえでの基準や軸を説明し、応募面接している求人との共通点を説明するように心がけましょう。

【回答例】

選考を受けているもう1社は〇〇を対象に〇〇というサービスを新たに事業展開しています。御社と共通するところとして海外からのユーザーや観光客を取り込む計画で進んでいます。今後の国内の動向として海外ユーザーの囲い込み・ファン化の動きが重要と考えており、御社の〇〇の求人と同様に私のこれまでの〇〇の製品のアジアのマーケット分析企画に関わる経験を活かしていけるのではと考えています。

 

7.〇〇社の選考を受けてみてどのような印象を持っていますか?

他社の志望意欲や興味を持った分野がどのような部分を確認しています。志望動機との関連性や自社との共通点の有無によって、自社との比較を行い、志望意欲を見極めています。

他社の選考に関する質問をする人は人事担当者に多いですが、他社との選考の差別化を考えていることが多く、情報を聞き取るために聞いているだけの場合もあります。

【回答例】

○○社の現在1次選考を終了した印象として、小売りからネット販売に事業をシフトしていく中で、事業の合理化を強く進める姿勢がある一方で、ユーザー目線を重要視しながら話している社員の方が印象的でした。サービスを運営しているのも人なのだと改めて考えた次第です。

 

4.まとめ

面接で他社の選考状況の確認をする場合は、応募者に対し、選考通過を視野に入れ始めた段階で質問することがあります。

しかし選考状況に関する回答で嘘を言ってしまったり、曖昧な伝え方をすると面接官が不審に思うきっかけになります。

以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

他社の選考状況の答え方とポイント5つ

  • Point1.他社の社名を言わない
  • Point2.志望動機の軸と合っている会社だけ伝える
  • Point3.職種や選考状況に関して嘘はつかない
  • Point4.選考で落ちた会社は言わなくてよい
  • Point5.内定が出ている場合はアピールにつながる

 

他社の選考状況など応募面接している会社からすると、競争相手に関する情報になるため、話しにくくなるのではと考える人は多いです。

面接の質問対策などに不安がある人は、転職エージェントを活用することをおすすめしています。

転職エージェントを活用するメリットは以下の通りです。

  • 過去に質問された事例集を教えてくれる
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  • 無料で利用できる
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非公開求人を紹介してくれるだけでなく、面接の前の段階で役立つ情報を教えてくれます。その他にも面接に不安のある人は模擬面接を行ってくれますので、面接対策を行いたい人は転職エージェントを活用しておきましょう。

転職エージェントは転職活動に必要な経歴書の添削や面接日時の調整など全て代行してくれるため、転職活動で利用する人は多いです。

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その他にも面接対策を行う上でのポイントを細かく解説していますので、参考にしてみてください。

面接対策に悩む方へ|おすすめの転職エージェント3社と活用ポイント

 

こちらの記事が、皆さまの転職活動のお役に立てれば幸いです。