「サービス残業が当たり前」は違法|実態調査の結果~対処法まで解説!

サービス残業が当たり前になっている職場ってどうなの?と疑問に思っていませんか。

 

働いている人の大半が経験しているサービス残業は、ただ単に給料がもらえないという問題だけではありません。サービス残業が当たりまえになっている会社では、時間内に終わらないような仕事をふってくるなどと、経営・管理側に問題がある場合が多く、ブラック企業の恐れがあります。

サービス残業の多くは働く社員の泣き寝入りになってしまうことも多く、最悪のケースは体を壊してしまって仕事が続けられなくなるというケースもあります。

こちらのページではサービス残業が多い職場の特徴や実態について、調査結果について紹介していきます。

更には、サービス残業の悩みを解決したいと思っている人にも対処法・解決法を紹介していますので、参考にしてみてください。

 

1.サービス残業とは

サービス残業とは

サービス残業とは、残業している、休日出勤しているにも関わらず給料が支払われないで、タダ働きしていることです。

以下のような状態は全てサービス残業です。

  • タイムシートの退勤時間以降に働くこと
  • 始業時間前に働くこと
  • 家に仕事を持ち帰ること
  • 名ばかり管理職で残業代が支給されない
  • 勤務時間外にも頻繁に業務上の連絡を取り合っている
  • 就業後も取引先や関係者との接待や飲み会に参加しているが、勤務扱いされない

などと、勤務時間以外に仕事をしているにも関わらず給料が支払われていない状態を指します。

 

サービス残業は違法行為

労働基準法によると、報酬とは「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受けるすべてのもの」とされています。

労働の対価として、給料として何らかの形で支払わなければなりません。それは働いた勤務時間に対して給料が発生することと同義です

更には、その報酬についても最低賃金法として、労働者に対して最低限支払わなければならない金額も定められています。

残業時間に関して、労働基準法に抵触すると「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。

会社から言われている仕事や担当している仕事を社員がやっていて給料が発生しなければ、違法行為となります。

 

2. サービス残業が当たり前になっている会社の特徴

サービス残業が常態化している職場の特徴はこちらです。

  • 定時間では終わらないような仕事を依頼してくる
  • 人手不足で、今の人員では仕事が回らない
  • 残業申請してはいけないような雰囲気がある
  • 上司が帰らなければ、帰れない雰囲気がある
  • サービス残業前提の勤務体系になっている
  • 周りの人もやっているから、やらなければいけないような流れになっている

この状態が当たり前で、サービス残業が当然というような考えがある職場も多いのではないでしょうか。現在働いている会社で、これら一つでも当てはまっているならば要注意です。

会社の社風や雰囲気や上司の考え方はすぐに変わることはありません。

あなたがその仕事を担当するまで長い間、今と同じようにサービス残業が当たり前の状況が続いていましたので、改善するのは簡単ではありません。

 

 

3.サービス残業が多い業種・業界・職種

普段から残業が当たり前になっている業界はこちらです。

【業種別残業時間ランキング】

1位.運輸・郵便業界
2位.建設業
3位.IT業界
4位.不動産、賃貸業界
5位.サービス業界(宿泊、飲食など)

出所:パーソル総合研究所「長時間労働に関する実態調査」

残業が多い職場の特徴は、仕事が終わるまで帰れない、お客さんへの納品が終わらないと帰れない、店が閉まるまで帰れないなどと仕事に追われて残業が増えていきます。

特に業界内においても、残業が多い職種があります。

【職種別残業時間ランキング】

1位.配送・物流スタッフ
2位.専門職(建築・不動産・金融系)
3位.ITエンジニア・クリエイティブ職
4位.商品開発・研究職
5位.営業職

出所:パーソル総合研究所「長時間労働に関する実態調査」

おおよそ業界と職種のランキングと重なります。このような職種は残業が多いだけでなく、休日出勤も多いという特徴があります。

こちらはあくまで平均値なので、中小企業など人手が足りていない会社であれば過重労働スレスレの職場も多いのではないでしょうか。

 

サービス残業の実態

全国の労働基準監督署では、残業時間の未払いやサービス残業をさせている企業に対して是正指導を行っています。

厚生労働省が発表した「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成29年度)」の結果によると企業の是正指導状況はこちらです。

賃金不払残業で是正申告を受けた数 1,870企業(前年比38%増)
対象の労働者数 20万5,235人
支払われた割増賃金合計額 446億4,195万円
支払われた割増賃金の平均額 1企業当たり2,387万円
労働者1人当たり22万円

是正指導される企業は年々増えてきており、20万人を超える人がサービス残業によって、給料の未払いがあったことを指します。これはあくまで、従業員からの相談や申告などによって発覚した企業ばかりなので、氷山の一角にすぎずサービス残業に悩む人は更に多いのが現状です。

 

企業が行っている残業対策とは

  • ノー残業デー(26.7%)
  • 残業時間の上限設定(19%)
  • 残業の原則禁止/事前承認(16%)
  • 勤怠管理の厳格化、入退室管理制限等(13.4%)
  • 早朝出勤・フレックス勤務の導入(10%)

など何かしらの残業規制のための対策が練られています。しかし、働く社員から見たこれらの残業対策の施策について効果出ているかというアンケートに対しては、半数以上の社員が効果の実感なしと回答しています。

働く社員としては、「ここ1~2年の仕事の変化に対して」

  • 休憩時間にも仕事をすることが増えた(29%)
  • 休日に仕事をすることが増えた(16.6%)
  • 仕事を自宅に持ち帰ることが増えた(14.2%)

などと残業抑制のための施策の結果、サービス残業が増えているのが現状です。

「仕事量が変わらないにも関わらず、残業時間だけ抑えられている」

「残業抑制施策に手間がかかる」

「自分の収入が減ると感じる」

などと不満に感じている人が増えてきています。現在では働き方改革の法改正の流れや風潮により社内の残業対策が進められていますが、実態は見た目だけであって、実情はサービス残業で賄われているとも言えます。

 

4.サービス残業をなくすための対処法とは

仕事が忙しくても、残業代をもらえたり、会社から評価されていると感じられれば、頑張れるかもしれませんが、サービス残業する毎日が続いてはいつまで我慢できるか分からないですよね。

仕事のスピードを上げれば時間内に終わるだろうけど、、と自分だけの努力ではどうにもならない部分が多いです。こちらではサービス残業を改善するための対処法について紹介します。

①労働組合に相談して、会社に改善を申し出る

今の会社は辞めるのはもったいないので、できることなら今の仕事を続けながらサービス残業を無くしたい、と考えている人は、会社の労働組合を通じて会社に改善を申し出てみましょう。

労働組合は会社側(経営側)と労働条件および賃金について交渉できる立場にあります。その申し出に対して会社側は誠実に、解決策の検討および実行していくように対応することが義務付けられています。

労働組合には、トップである労働組合長がおり、労働組合員によって構成されています。それぞれ労働組合には相談窓口が設置されており、通常の実務スペースとは別に労働組合専用のスペースが設けられ、いつでも相談できます。

しかしこちらのデメリットは、全ての会社に労働組合があるとは限りません。とくに中小企業になれば労働組合がある会社は1%にも満たないです。(厚生労働省:労働組合基礎調査の概況

 

②労働局の労働相談センターに相談する

会社に労働組合がない人は、全国各都道府県に設置されている労働局の「労働相談センター」に相談してみましょう。

労働相談センターとは、解雇、賃金の引き下げ・未払い、いじめ、パワハラなど職場の労働問題にかかわる相談を受け付けています。

労働局は職場のトラブル解決をサポートします

  • 総合労働相談コーナーにおける情報提供・相談
  • 都道府県労働局長による助言・指導
  • 紛争調整委員会によるあっせん

相談窓口は、各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内などの380か所に設置しています。

→ 全国の総合労働相談コーナーの所在地はこちら

 

※間違っても個人で動いてはいけない

会社の労働組合や労働局の労働相談センターに話しても、職場の状況が分かってもらえないのでは、、と不安に思う方もいると思います。

また、直接職場の上司に伝えたほうが早い、と思う人もいらっしゃると思います。

しかしサービス残業をはじめ、職場環境の改善を求めることを個人で動くことはタブーです。

個人で動く場合は、「職場の上司に相談する」「弁護士を通じて会社を訴える」ことが考えられますが、デメリットもあります。

  • 改善の申し出をしたことで、周囲から白い目で見られて居づらくなる
  • 上司や職場の人間関係が悪くなる
  • 弁護士費用がかかる
  • サービス残業だと証明する履歴や証拠を集める手間がかかる

必要だから残業しているにも関わらず、その証明をしなければならず、数万、十数万とかかる弁護士費用が自腹だと考えると、割に合わないですよね。

仮に残業代の支払いができたとしても、職場の人間関係が悪くなってしまうことも考えられます。

 

5.サービス残業は結局無くならない。転職が一番の解決策

サービス残業を無くすために、労働局に相談に行ったり、証拠を集めなければいけないなどと時間や労力をかけても、サービス残業が必ずなくなるとは限りません。

サービス残業をしないために最も早く解決する方法は、「サービス残業がないホワイト企業へ転職することです。

サービス残業はどの会社でもあるんじゃないの?とサービス残業が当たり前だと考えているかもしれませんが、サービス残業があるとされる企業はごく一部です。

サービス残業が多いようなブラック企業に転職しないように、転職先の社員の働きぶりや社風、勤務状況を事前にリサーチしておくことが大切です。

会社のホームページや求人情報だけではわかりません。実際に働いている人の内部情報や、第三者からの情報を集めていきましょう。ブラック企業の見分け方についてはこちらのページで詳しく解説しています。

→ ブラック企業の特長と見分け方を解説|裏を知る採用担当者なら応募しない企業とは

 

現在では、人材不足の状況が続いていますので求人が溢れています。膨大な求人の中からホワイト企業の求人を選ぶのは大変です。

ホワイト企業への転職におすすめしているのが転職エージェントを利用する方法です。

転職エージェントは、登録しておくとあなたにキャリアアドバイザーと呼ばれる担当者がつきます。あなたに代わって転職活動に必要なことをサポートしてくれます。

  • ブラック企業を排除して求人を紹介してくれる
  • 面談の練習、面接で聞かれる質問リスト
  • 応募企業が過去に採用された人の事例、傾向
  • 応募や面接日時の調整と連絡を代わりにやってくれる

その他にも年収交渉なども代行してくれて、全て無料で利用できます。サービスの利用料が無料の理由は、あなたが無事転職先に入社したときに採用企業から費用をもらっているので、転職者はお金がかかりません。

転職エージェントと採用企業との間の契約で、入社後すぐに辞めてしまってもお金が入りませんので、真剣に転職をサポートしてくれます。

そのため入社してもすぐに辞めてしまうような離職率の高い企業の求人は除外してくれます。

 

また、時間のかかる求人のリサーチや書類作成もサポートしてくれるので、転職活動を短縮することができます。登録してから1週間~10日で内定をもらえることも珍しくありません。

「サービス残業をするだけ損」と考えて転職を考えている人に特におすすめです。転職エージェントを使って最短で転職先を探す方法がこちらです。

【転職エージェントの活用方法】

  • ホワイト企業の求人をもつ転職エージェントに登録する
  • 業界情報、求人情報とともに内部情報を教えてもらう
  • 興味のある企業へ転職エージェント経由で推薦状付きで応募する

この方法で進めていけば、転職先をみつけることができます。転職エージェント経由で応募すると「推薦状」を添付してくれて、あなたの魅力をプッシュしてくれますので、通過率が上がります。

どのサイトも5分程度で登録が終わりますので、この機会に登録してみましょう。

 

その他には、サービス残業の有無について口コミサイトをチェックしておくと更に内部情報をリサーチできます。口コミサイトは、「キャリコネ」が無料で使えておすすめです。

働いたことのある社員・元社員が投稿する口コミサイトです。「労働時間の満足度」「ストレス度の低さ」「給与の満足度」「ホワイト度」などの8つの項目で評価されています。

詳しく書かれているので、社内の雰囲気やそれぞれの職種の残業時間を知るのに役に立ちます。

投稿者の実際の月給や残業手当、ボーナスの額の明細も見られるので、転職先の給与水準をイメージすることができて、情報収集におすすめです。

→ 100万件の口コミ投稿を見る|キャリコネ

 

6.まとめ

サービス残業が当たり前の状況になっているのは、あなたのせいではありません。

会社側や職場の上司など運営側に問題があり、是正しないことが問題です。サービス残業を続けていると、年間を通して考えると何十万円もの給料をもらっていないことになります。

サービス残業ばかり続けていると年収が上がらなくなるだけでなく、仕事の拘束時間も長くなるので、ストレスが溜まってしまい、あなたの体を壊してかねません。

サービス残業が無くならないと悩んでいても状況は変わりませんので、行動に移していくことで解決します。

 

サービス残業をなくすための対処法

②労働局の労働相談センターに相談する

①労働組合に相談して、会社に改善を申し出る

 

ホワイト企業への転職におすすめの転職エージェント

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キャリコネ|100万件の口コミを無料で閲覧できる。実際に働いている社員の口コミが見れるので、リアルな情報が分かる。

 

こちらの記事がサービス残業に悩むあなたのお役に立てれば幸いです。