フリーター・アルバイト経験ばかりでも職務経歴書は必要?事例付き

「パート、アルバイトの経験しか無いけれども職務経歴書を出すべき?」

「学生時代のアルバイトの経験が書いてよいのか?」

「アルバイトの経験は履歴書に書いた方がいい?」

アルバイトやパートの経験が多い方の場合、職務経歴書を準備すべき場合とすべきでない場合についてご紹介します。

職務経歴書を作成しようとするときに、職務経歴書にPRすべき項目とNG項目を解説しながら具体的に書きかたを徹底的に解説しています。

一般的に職務経歴書は正社員の経験がある人だけが提出すれば良いという話を耳にするかもしれませんが、決まったルールはありません。

企業の選考を突破するために職務経歴書を有効活用し、他の選考者と差別化していきましょう。

現在企業の人事責任者として業務を行っている経験と、前職の転職エージェントとして数百名へ転職支援を行った経験から転職に役立つ以下の7つの点を紹介します。

 

こちらを読めば、フリーター・アルバイト経験を活かした職務経歴書の書きかたが理解でき、転職の成功に近づくことでしょう。

 

1.職務経歴書の目的や使い方を知っておこう

企業に応募するうえで、履歴書と職務経歴書の提出を求められる場合があります。企業が人材を選考する上で、二つの書類の使い方、評価項目が異なりますので、応募書類の基礎知識を押さえておきましょう。

履歴書 職務経歴書 
入社後に必要な
人事情報を漏れなく書く
選考突破に向けて
PRポイントを絞って書く

 

求人企業は、職務経歴書を選考、面接の時にしか使用しません。フリーター・アルバイト経験しか無かったとしても、企業にPRできる経験を持っている人であれば、職務経歴書を準備しておいた方がPRにつながります。

 

1-1.履歴書の項目

主に住所や生年月日などの諸情報をもとに交通費の決定や社会保険手続きなどに利用するための書類です。企業ごとに項目を変える必要がなく、市販のJIS規格の履歴書でも問題ありません。また、基本的に勤務地までの通勤時間以外は、応募する企業によって変える必要もありません。

履歴書に書く項目

・名前・顔写真・生年月日・現住所・連絡先

・学歴・職歴

・保有免許・資格

・趣味・特技・健康状態

・通勤時間・扶養家族数・配偶者

・本人希望欄

 

1-2.職務経歴書の項目

職務経歴の項目に決まりはありません。企業の選考を突破するために、職務経歴書の項目を決めていきながら、見やすいレイアウトにしていくとよいでしょう。

職務経歴書に書く項目

・日付・名前

・職務要約

・職務経歴

・実績

・自己PR

・志望動機

・活かせる経験・知識・スキル・資格

 

2.職務経歴書にフリーター・アルバイト経験を〔書くべき場合〕

2-1.求人企業にPRできるフリーター・アルバイト経験は書く

職務経歴書は、あくまで企業選考のために使用されます。以下のような経験をしている人は職務経歴書を準備しておくとあなたの選考突破率を上げることにつながるでしょう。

Case1.求人企業の業務に近い業務がある(短期間、短時間であっても有効)

基本的に短期間、時短の人は職務経歴書に記載は必要ありませんが、応募職種の経験もしくは近い経験がある場合は、スキルのPRに繋がりますので書いておきましょう。

例:

事務職の場合、PCを利用した業務内容(オフィス、メール使用経験など)

販売職の場合、店舗販売経験、接客経験

エンジニアの場合、PGスキルやコーディング経験

あくまで経験した業務で培ったスキルや活かせる能力をPRするためのポイントを書いておきましょう。経験した業務全てを書くのではなく、関係する業務内容だけを書くということを忘れないでください。

 

Case2.半年以上の経験がある(理想は一年以上の経験)

短期間のアルバイトの経験を経歴書に書くのはNGです。どのような仕事でも覚えるまで一定期間かかるものだとされています。

一年以上続いているアルバイト経験をPRしていきましょう。アルバイトを転々としていて、全て一年未満の場合は、応募する仕事に近い経験、もしくは最も勤務期間が長いものを書くようにしましょう。

 

Case3.リーダー経験がある(店舗のシフトリーダーなど)

アルバイトであっても、正社員に転職する時に役立つ経験のうちリーダー経験や新人アルバイトへの教育経験は評価されます。

例えば店舗内であれば新人アルバイトに指示を出したり、店舗を代表してお客様対応をしている経験などは面接でも高評価です。

それは正社員として就職した時にも職場全体の視野を持てる人材だと採用担当者も考えます。雇用形態が違っても仕事の姿勢や考え方は平等に評価されますので、PRしていきましょう。

 

Case4.正社員と同様の仕事を任せられている経験

正社員と同等の業務を任せられるほどの「仕事の理解力、遂行力がある」人材だと評価されます。

現職(前職)の職場や業務分担が分からない求人企業の採用担当者に伝えるには、単に「正社員と同じ仕事を任せられていました。」と話しても伝わりにくいです。

例えば、「正社員が休日の日に、アルバイトだけで運営する時は、正社員の業務である本社への報告業務を代行しています。」というように、通常の正社員とアルバイトの業分担を説明を追加しておくとよいでしょう。

 

Case5.業務改善の企画、提案、実績のある場合(売上拡大のために工夫した、など)

アルバイトであっても業務を改善しようと提案した経験や実績のある経験は評価されます。

問題発見能力、分析能力、行動力は正社員として就職したときも、仕事を覚えて主体的に動いてくれそうだと高評価です。

例えば、アパレル販売職の方であれば、来店したお客様が洋服を見た時に、着ているイメージをすぐに持てるようにショップ店員の着用している写真をまとめた冊子を作った。というように、相手の目線に立って「こうすれば良くなるかな?」という考え方が非常に評価されます。

改善と書くと難しくなってしまうかもしれませんが、「仕事をする上で工夫したところ」などの書きかたでまとめても良いでしょう。

 

採用担当者は、あなたが正社員として働く上で、これまでのアルバイトやパートの経験の中で次の仕事に活かせる経験があれば平等に評価します。

 

2-2.第二新卒(25歳前後)までならフリーター・アルバイト経験を書いても良い

若手の転職であれば、アルバイト経験を書いておいて問題ないでしょう。

社会人の期間が短いので、正社員の経験が無くとも「経験より若さを売りにできる」ため、これまでの期間を働かないなど時間を無駄にしていないことを伝えるためにも書いておきましょう。

アルバイト経験であっても、次の仕事に活かせるスキルを整理し、職務経歴書に書いておくことは失礼に当たらないという世間の見方が一般的になっています。

 

3.職務経歴書にフリーター・アルバイト経験を〔書くべきでない場合〕

これまでの経験が全て、以下の項目に該当するような場合は職務経歴書を準備する必要はありません。

・求人企業の業界、職種と全く関係がない

・短期間のアルバイト、派遣の仕事

・当時の仕事を覚えていない、説明できない

・学生のアルバイト経験だけ

3-1.求人企業にPRにならない、逆効果になってしまう経験は書かない

職務経歴書は、書類選考、面接であなたの能力、スキルチェックのために利用します。そのため、選考するうえで必要のない情報は書かないほうが無難です。

Case1.求人企業の業界、職種と全く関係がない

前項の第二新卒など若い方であれば別ですが、全くの異業種への転職を考えている場合、活かせるスキルや経験が少ない場合は、経験をPRするより志望理由など意欲を重視した履歴書を準備しておいた方が良いでしょう。

 

Case2.短期間のアルバイト、派遣の仕事

数日、1か月程度のアルバイトや派遣の仕事は全くPRになりません。面接でも聞かれない限り言わないほうが良いでしょう。

説明する場合はこういう理由があって、あえて短期間の仕事を選んだ、という経緯や目的を追加して説明をしておきましょう。

例えば「転職期間中のつなぎとして~、」というような形であれば、採用担当者の評価が悪くなることはありません。

 

Case3.当時の仕事を覚えていない、説明できない

職務経歴書をもとに面接を行います。そのため、質問されても詳しく答えられないような経験は書かないほうが後々の選考を考えると良いです。

面接で質問に答えられないのは、「この人は仕事を覚えられない人材なのか。」というかなりマイナスの印象に繋がります。

面接でも説明できる業務だけを職務経歴書に書いておくと良いでしょう。

 

3-2.学生時代のアルバイト経験は職務経歴書に不要

第二新卒であっても学生時代のアルバイト経験を職務経歴書に書くことはNGです。学生は本業が学生ですので、学卒新卒の就職活動の場合しかPRになりません。

しかし、アルバイトでも受賞履歴があるなど、特筆すべき働きがある場合は職務経歴欄ではなく、自己PRなどに盛り込んでおいても良いでしょう。

 

4.フリーター・アルバイト経験をPRにつなげるためのポイント

これまでのアルバイト経験をもとに他の選考者と差別化していくためにも、評価されるポイントを押さえておきましょう。

採用担当者は、正社員になったとしても、活躍できそうな人材かどうかを見極めるためにも一定の基礎力を身につけているかどうかがPRポイントです。

 

4-1.一定のビジネスマナーを身につけていることをPR

アルバイトであっても最低限のビジネスマナーを要する仕事に就く場合、新人教育を受けたということはPRになります。

例えば、本社で座学・オペレーションの新人教育を一日間受けた。というように、何をどれぐらいの期間受けたか、を書いておく良いでしょう。

 

※参考

コミュニケーションをPRしていく場合、面接でもアルバイト用語を使わないよう注意しておきましょう。日本語として正しくありません。

例1こちらでよろしかったでしょうか。

正しくは、こちらでよろしいでしょうかと言います。よろしかったという過去形の表現は使用しません。

例2:こちらの方に書けば良いでしょうか。

正しくは、こちらに書けばよろしいでしょうか。◯◯の方、という方向を指す表現は相応しくありません。

この二つは面接でもよく聞く表現です。正しい日本語ではありませんので、注意しましょう。

 

4-2.主体性に仕事に取り組んだことをPR

正社員として未経験の仕事に就く場合、新たな仕事を覚えていけるかどうかという、伸びしろを評価します。

正社員としての経験がなくとも、仕事に取り組む姿勢が伝わればあなたの将来への可能性を感じてもらえます。

そのような仕事への姿勢や主体性をPRするときは、指示をただ待っている、言われた仕事だけをこなすというだけでなく、自ら分からないことを質問する、目標を達成してきたなどの事例を入れていきましょう。達成したなどの事例はその時に売上数値、達成率、ランキングなどがあればなお良いです。

数値で測れないような事務職、販売職、接客業などは、お客様や上司の評価やコメントの実例を入れておくと、リアリティがあり、ぐっと印象が変わりますので入れておきましょう。

 

4-3.協調性をPR

これまでのアルバイト経験の中で、チームで物事を進めていくときに、お互いのことを考えて、チーム全体で成果を出していこうとする姿勢があるかどうかを見極めています。

仕事の進め方や考え方があなた個人だけでなく、相手のことを考えられる人材であるかどうかが重要になります。

例えば、仕事を進めるうえで誰かのサポートをした、情報共有の仕方を工夫した、あなた自身の意見より周りの意見を尊重するようにしたなどのようなスタイルです。

企業の仕事は一人で完結することは難しく、だれかと一緒に仕事をしていくことがほとんどであるため、このようなエピソードや事例をいれておくと良いでしょう。

 

4-4.仕事で工夫したところ、学んだところをPR

どのような仕事をしていても、「何のためにこの作業をしているのか」を考えながら仕事をしているうちに、こうすればもっと早くなるのでは?という問題意識や気付きから、自ら考えて工夫した経験や実績があると評価されます。

与えられた仕事をこなすだけでなく、物事の目的を理解しながら仕事を進めてくという理解力の高さや吸収力、仕事への主体性が次の仕事においても、伸びしろが期待できるポイントとなります。

 

5.このような書きかたはNG

5-1.アルバイト経験であったとしても、就業している期間が曖昧なのはNG

アルバイトをしていた人にありがちですが、就業開始の月が分からない、履歴書と職務経歴書の年月が合っていないということがあります。

雇用契約書を締結しない職場もあるため、履歴が残っていなく分からないことがあるかもしれませんが、書類と面接でのやりとりで年月のつじつまが合わなくならないように注意しましょう。

 

5-2.空白が多すぎる職務経歴書はNG

職務経歴書は基本的に2枚、経験が少ない人であれば1枚で収めておきましょう。2枚目の半分ぐらいまでであれば1枚に収めるなど工夫しておきましょう。

 

5-3.誤字、脱字が多い

職務経歴書の作成はPCでの作成をおすすめしています。その中で漢字の変換ミス、送り仮名の間違い、句読点の間違いなどの書類の不備は目立ちますので、注意しましょう。

作成し終わったときに紙をプリントアウトし、確認しておくと良いでしょう。

 

5-4.働いていた会社や仕事の内容が分からないような説明不足の書類はNG

大手企業でない限り、製品やサービスに関する知識は採用担当者にはありません。会社情報や、製品・サービス、取引先、お客様、客単価などの情報を入れておくと仕事の内容をイメージしやすくなります。

例:40代主婦層をターゲットにしたファストファッションの店舗販売を担当

 

5-5.社内用語や業界用語は避けておきましょう。

どのような業界であっても、社内用語があります。その会社や職種を経験していなければ伝わらないキーワードは控えましょう。

普段使っているこの言葉は世間一般的に使われているのか?とおもったら、書類を作ったら、転職エージェントに添削を依頼するのもよいでしょう。

 

6.フリーター・アルバイト経験の記入例

職務経歴書に決まったフォーマットはありません。前述のNG項目をもとに分かりやすい表現を心がけましょう。

応募する次の仕事に活かせる業務と培ったスキルをPRできるエピソードを書いておくと、PRするポイントの説得力が上がりますので、入れておくようにしましょう。

7.面接で職務経歴書をどう使われるのかも押さえておこう

冒頭お伝えしたように、職務経歴書は企業選考にだけ利用します。特に面接では職務経歴書をもとに質問をしていきます。

履歴書 職務経歴書 
入社後に必要な
人事情報を漏れなく書く
選考突破に向けて
PRポイントを絞って書く

 

職務経歴書は書類選考、面接であなたが採用すべき人材がどうかを判断する情報が入っていることが必要です。

しっかりとした書類を準備しておくことで、他の選考者との差別化につながります。

上記のサンプルでの資料を、履歴書に書き切ることはスペース上難しいでしょう。また、面接でこれだけの情報量を口頭で説明することも中々難しいので、PRポイントを書類で準備しておくと面接がスムーズいくことがありますので準備しておきましょう。

 

8.まとめ

職務経歴書は企業選考を有利に進めるために有効な書類ですが、作成まで時間がかかります。

職務経歴書を書いてみたけれども不安があるという人は、転職エージェントを利用することをおすすめしています。

  • 職務経歴書を添削して、アドバイスしてくれる
  • 無料で利用できる
  • 企業の人材ニーズを把握していて、アルバイト経験だけでもよい企業を紹介してくれる
  • 自分と同じような経歴の人の事例を教えてくれる
  • 転職エージェントの中には、ビジネスマナー研修をしてくれる

正社員未経験の人であっても、利用可能です。

それぞれあなたに合った転職エージェントを選び、あなたの人柄や想いを理解しながら転職をサポートしてくれるでしょう。

 

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