転職エージェントの個人情報の取扱い方法についてお調べではありませんか?
こちらのページでは、転職エージェントとして活動している経験と業界知識をもとに、エージェントの裏側から、現在勤めている会社に漏れないようにするコツを紹介します。
1.個人情報の使い道はどうなっているの?
転職エージェントは、有料職業紹介事業者と言われており、職業安定法及び個人情報保護法に基づいて個人情報を管理しています。
転職エージェントが個人情報を利用する時は4段階あります。
- 個人情報を「入手する」‥‥例)ホームページや転職サイトから登録されるとき
- 個人情報を「利用する」‥‥例)取引先に紹介するとき
- 個人情報を「管理する」‥‥例)保管庫に格納、データベースに保存するとき
- 個人情報を「廃棄する」‥‥例)一定期間が来た時に廃棄するとき
個人情報の取扱がしっかりしている会社は、登録面談のときに「個人情報の取扱同意書・誓約書」のような書面の提出を求められます。
転職者として一番気になる取引先に紹介する時ですが「履歴書・職務経歴書」の原本・データをそのまま提出します。会社間の個人情報の受け渡しは、「求職求人管理簿」と呼ばれる帳票で履歴を管理しています。
最近よく聞くポジションサーチとは?
「ポジションサーチ」とは、ある特定の求人に対して応募する仕事の探し方ではなく、特定の人材の経験とスキルをもとに活躍できるポストを探していく方法です。
スキルを持った人材がいれば、転職エージェントは求人活動をしていない会社に対しても人材情報を提供して、採用を検討してもらうよう営業をかけていきます。
コンサルティング業界などプロジェクトの動向によって求めるスキルや人材が変わるポジションでは、このような形で採用されることが多いです。
その他には新規事業を検討している会社やベンチャー企業の場合、今後の事業展開を見越して活躍しそうな人材だと評価されれば求人が無くとも採用します。
しかし、ポジションサーチのリスクとして転職者の知らないところで自分の経歴(名前は伏せて提案しています)の概要がどの会社にも出回ることがあります。
特徴的な経歴の人の場合、個人情報が伏せてあっても、個人と特定できてしまいます。
悪く言えば、転職エージェントの営業道具になりかねませんので、個人情報の取扱が悪い会社だと、自分の知らないところで情報が洩れている可能性があります。
ポジションサーチに抵抗がある人は、事前に断っておくこともできます。
2.個人情報の取扱いが徹底されている会社はどうやって見分けるの?
個人情報の取扱いが徹底して、安心できる転職エージェントの見分け方は「プライバシーマーク」の認証を取得しているかどうかです。
プライバシーマークとは、JISQ15001:個人情報保護マネジメントシステムにもとづき、「個人情報」を適切に取り扱っている事業者に付与されます。個人情報の取扱について「入手」「利用」「管理」「廃棄」など細かな規定に基づいて管理し、定期的な審査に通過しています。
認証を取得している会社はホームページの最下部や名刺にプライバシーマークが表記されています。大手・中堅の転職エージェントであればほぼ全ての会社が取得しています。
プライバシーマークを持っているからと言って、厳しいルールが決まっているわけではありありません。
筆者もプライバシーマークの認証を持っているエージェントに在籍していますが、特段管理が厳しいことは無く、「保管庫の施錠や記録を残す」「入手経路を明確にする」など当たり前の事ばかりです。
エージェントの個人情報漏えい対策の例
- オフィスの入退室を名前、入退室履歴を管理
- 業務用のパソコンで使用したログは全部管理されている
- 離席したときなど、PCから離れると自動的にロックがかかる
- 紙の廃棄は全てシュレッダー、もしくは専門業者に依頼
- 情報端末の全てパスワードロック付き、PC持出し禁止
- 情報端末が紛失した場合、遠隔で端末内の全ての情報を削除する など
転職エージェントの中には、あえてプライバシーマークを取得していない会社もあります。
理由は、個人情報の取扱いのルール上保管期間に定めがあるからです。
エクゼクティブサーチ、ヘッドハンターなどエージェントは、候補者と長く付き合っていきながらキャリアステージに応じてポストをアテンドしていきますので、個人情報の期限を設けているとリレーション構築に支障が出てしまいます。
カフェで面談しているエージェントはリスク管理の意識が低め
転職エージェントとの面談はオフィスだけでなく、候補者の都合に合わせてホテルのラウンジやカフェで行うことがあります。
しかし、意識の低いエージェントの場合、席と席の距離が近い店や混雑している時間帯を選ぶことがあります。担当者との会話や書類が周りに筒抜けで、情報管理の意識が低い傾向にあります。
3.勤めている会社に情報が漏れることはあるの?
転職エージェントが勤めている会社に連絡することはありません。転職エージェントに登録していることで、情報漏えいするリスクはないと言って良いでしょう。
しかし、サービスの都合上、転職活動が勤めている会社にバレてしまうことがあります。
- 転職エージェントのリファラルチェック(在籍確認)でバレる
- ビズリーチなどのリファラルサイトの検索機能でばれる
昨今リファラルチェック(在籍確認)をやっている会社は少ないですが、金融系、エクゼクティブなど一部の会社ではリファラルチェックを行っています。
目的は転職者の経歴に嘘がないかどうか、信憑性を確認するためです。転職者の仕事ぶりを聞くために、エージェントが上司や同僚(元上司・同僚でもOK)に連絡します。
転職者に断りもなく、連絡することはありません。このような場合、事前に転職者から対応してくれる人に連絡しておき、内々で対応してもらうようにお願いしておく必要があります。
また、勤めている会社がビズリーチなどの転職エージェントをマッチングしてくれるサイトに登録している場合、登録情報からあなたが転職活動をしていることが発覚することがあります。
ビズリーチの場合、登録段階で『企業ブロック設定』をしておけば問題ありません。
4.良くあるQ&A
その他にも転職エージェントの個人情報に関する質問についてまとました。
Q1.個人情報の削除依頼はできるの?
A1.転職エージェントに連絡をすれば、削除することが可能です。
方法は2つあります。
- キャリアアドバイザーに連絡する
- ホームページの退会手続きで削除依頼する
一定期間を経過すると自動的に個人情報が抹消されるシステムになっていますが、それ以前に削除してもらいたい場合は、連絡すれば対応してくれます。
Q2.転職エージェント同士情報共有していないか?
A2.違う会社同士は候補者の情報はやり取りしていません。
転職者の中には人材業界の中で、ブラックリストのようなものが出回っているのではと思われる方もいらっしゃいますが、そのようなことはありません。
同じグループ会社間であれば、情報共有するようになっていることが多いです。
Q3.個人情報はいつまで保管されるの?
A3.3~5年と設定している会社が多いです。
理由は、次回以降の転職で再利用する可能性があるため、転職者の利便性を考慮しているからです。
5.まとめ
転職エージェントの個人情報の取扱いと運用上の注意点についてご紹介しました。
中小零細のエージェントや一部の担当者は、情報管理の意識が低いので安心できないエージェントがいることは事実です。
そのようなエージェントに自分の未来のキャリアを任せていくべきか悩むところだと思います。不安がある人は、プライバシーマークを取得しているエージェントで、こちらの転職エージェントを利用しておけば、個人情報の漏えいリスクはありませんので、安心感があります。
個人情報の扱いについて信頼できるエージェント
・リクルートエージェント|業界最大手で、転職支援実績No1のリクルートグループ
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こちらの記事が、あなたの転職活動のお役に立てれば幸いです。