・今は症状が落ち着いてきているけれども、再発するか不安だ
・書類選考に落ちていて、心が折れてしまう
・統合失調症についてよく知られていないので、面接で落ちてしまう
統合失調症の症状に悩まれている中でも仕事探しに悩んでいませんでしょうか。
統合失調症と診断されてから、一日一日の症状を見ながら毎日を過ごす中で仕事を探すことは非常に大変なことだと思います。
陽性症状、陰性症状にある通り、一人ひとり症状や周期、傾向が違います。
更に薬を飲んでいる副作用でソワソワしたり、体がだるくなったり自分ではどうしようもできない時があるので、自分にどんな仕事ができるのかを不安になると思います。
ひと昔前では精神分裂病と言われた時期もあり、中々統合失調症について知られていることは少ないのが現状です。
近年では、法改正が進み、時代の流れとともに精神障がい者採用を積極的に行う企業が増えています。ハローワークへ行ってみると何件か求人を紹介してもらうことができます。
いざ転職活動をしてみると、応募書類の作成や送付、企業への面接訪問、連絡調整などやらなければならないことがたくさんあります。
しかし、書類選考落ちしてしまい応募をしても中々面接までたどり着けない、ということはよくあることです。
不採用理由もわからず、そのたびに次の求人を探して、書類を作って、証明写真を撮って、と続けていると非常に大変です。
統合失調症の転職が大変だと言われている理由はいくつかあります。
・求人サイトやハローワークの求人票では企業の採用したい条件(障がいの種類や程度など)が分かりにくい
・統合失調症の採用事例が少なく、企業側の理解がない
・通常の履歴書、職務経歴書以外にも障がい特性を説明する資料を添付する等、準備すべきものが多い
統合失調症についてよく理解している求人企業を探すだけでも一苦労です。応募したとしても、実は統合失調症の人は採用しないという企業もあるため書類選考に落ちてしまいます。
今回、こちらのページでは、このような悩みを解決する方法として転職エージェントの利用をおすすめしています。通所型の就労支援からはじめてくれるサービスもあるので、自分にあったサービスを利用しておくと良いです。
転職エージェントは、「採用企業が、どのような障がい内容の人であれば採用したいと考えているのか。」といった企業の採用目的を深く理解している求人を紹介してくれるため、あなたに合った求人を紹介してくれます。
ハローワークを活用しても求人票に記載できる条件決まっており、(障がい内容を特定する記載は禁止されているetc)自分に合った会社かどうかわからないという、求人票を探すときにミスマッチが起こっていたのです。
筆者は、現在民間企業の障がい者採用の新卒と中途採用を担当しています。前職では障がいのある方の転職支援を行うエージェントとして勤務していましたので、そちらのネットワークと業界知識からおすすめの転職エージェントと活用ポイントを解説します。
0.そもそも転職エージェントとは
転職エージェントとは、民間企業が運営している登録型の転職支援サービスです。採用を検討している企業から人材確保の依頼を受けて、人材募集を代行しています。
まずは、転職エージェント会社にパソコンもしくはスマートフォンで登録します。その後オフィスなどでキャリアアドバイザーという担当者と直接対面で面談します。
面談時に履歴書や職務経歴書、障碍者手帳、希望条件などの情報を伝えると、その条件に合った求人を転職エージェントが保有する求人情報から紹介してくれます。
費用は一切かかりません。
面談のときには、キャリア相談や応募書類の作成アドバイス、添削をしてくれます。
紹介された求人への応募後、面接日時の調整、面接対策まで転職に必要なことを全て行ってくれます。
転職エージェントを利用した時のメリットとデメリットをまとめました。
メリット①紹介してくれる求人のマッチ度が高く、選考通過率が高い
採用企業から直接依頼を受けて人の確保をしているため、どのような人を採用したいかを把握しています。
採用企業の求める条件とあなたの希望条件をすり合わせて紹介してくれるためマッチ度が高いです。
そのため必然的に、ハローワークや転職サイトから応募するより、書類通過率は高いです。
また、丁寧な転職エージェントは求人企業のオフィス環境も事前に確認しており、教育体制があるのか、過去に統合失調症の方の採用事例があるかなど細かな部分までチェックしています。
そのため、あなたの障がい内容を受入れ可能な企業を紹介してくれるため、安心して応募することができるでしょう。
メリット②スケジュール調整など転職活動に必要なサポートを無料で受けられる
転職エージェント経由で応募した企業と面接日時の調整や入社日時の調整など面接以外のやり取りを行ってくれます。細かいやり取りに対応しなくてよい分ストレスなく転職活動を進めることができます。
メリット③業界情報の収集、選考対策が非常に有効
転職エージェントは転職に関する専門家です。採用動向を教えてくれる、応募書類作り方など転職全般のアドバイスをしてくれます。
その他にも企業の面接対策として、面接の時に質問されるであろう、質問集を事前に教えてくれます。面接の場で話していいのどうか迷った場合は、事前に転職エージェントに話す内容を確認しておけば問題ないでしょう。
自分では判断つかないような時には、相談できるプロがいると非常に心強いと感じるでしょう。
メリット④非公開求人を紹介してくれる
人を採用したいと考えている企業の中には、非公開として求人活動を行う企業がいます。
採用活動していることを知られたくないという場合や求人票を一般公開して大量の応募が来た場合に対応できないので、一部のエージェントに依頼する場合があります。
そのためエージェントに依頼をかける求人は、求人サイトやハローワークなどでは見つけられません。
そのような企業の中には大手企業や優良企業も数多くありますので、非公開求人を紹介してもらうために、転職エージェントを利用する人もいます。
デメリット①エージェントによって質にバラつきがある
転職エージェントの担当者の中には、一人ひとりの障がい特性や採用企業の職場環境を把握せず、求人を紹介してくるような担当者がいます。
そのような場合は、しっかりこちらの希望条件、NG条件を伝えておくようにしましょう。
また近年では、障がい者の方を採用しようと考える企業が増えてきており、転職エージェントへ依頼する件数が増えてきています。そのような状況のため、企業から人材確保をせかされてしまい、エージェント担当者が少し強引に応募を促すような場合があります。
そうすると採用がマッチしているかどうかではなく、企業へ応募してもらう、採用してもらうことが目的になってしまい、サービスの質が低下します。
エージェントの担当者が面談の時にこちら側の経歴や希望条件、障がい特性を聞き取っているかなど確認しておくようにしましょう。
デメリット②エージェントと面談をする手間がある
企業の求人を紹介してもらうためには、一度転職エージェントの担当者と面談する必要があります。そのためオフィスに訪問する手間がかかります。
現在働いている方など日中時間を確保することは難しいと思いますので、19時以降面談できるか、土日面談できるか、電話での面談が可能かなど確認しておくと良いでしょう。
エージェントと面談をする手間がかかりますが、エージェントから応募書類を添削してもらえたり、面接対策をしてもらえるメリットを考えると、費用対効果は十分良いと思います。
デメリット③人によってはサービスを受けられない場合がある
転職エージェントは、基本的に就業可能と判断される方に就職支援を行います。しかし、重度の障害をお持ちで、就業が困難と思われる方は断られる可能性があります。
迷ってしまう場合は、一度登録してみて、支援を受けられるかどうか確認してみるのも良いでしょう。
転職エージェントのサービスの流れ
①登録する
PCやスマートフォンで2分~5分程度で登録が可能です。
名前、住所、年齢、電話番号、メールアドレス、会社名、障がい内容など決められた項目に沿って入力していきます。
②連絡がくる
登録が完了すると転職エージェント担当者から電話もしくはメールで面談日時の連絡がきます。
面談の場所はエージェントのオフィスで行います。現在働かれている方は勤務の後の19時以降や土日など面談可能な候補日をいくつか準備しておくと良いでしょう。
③個別面談に行く
面談は直接対面を行います。
その時に、履歴書と職務経歴書を持参します。事前にメールなどでデータを送っておけば不要です。
面談時には、経験のヒアリングや転職理由、次の仕事の希望条件を確認されます。
その他、障がい内容について詳しく質問されます。通院状況、服用している薬、就業にあたり配慮すべきポイントなど細かく聞かれます。
④求人紹介を受ける
面談で聞き取りが終わると、面談の最中もしくは終了後に求人を紹介してもらえます。2~20件程度紹介してくれる場合が多いです。
紹介される時に、求人票に記載されている情報以外にも、「応募する職場には障がいのある人はいるのか」、「過去に在籍したことがあるのか」など気になるような所も教えてくれます。
気になる所について、転職エージェントでも分からなければ、担当者経由で求人企業へ確認してくれますので、十分理解した上で応募意思を固めることができます。
⑤職務経歴書の添削
こちらは必要に応じて行います。修正すべき個所を教えてくれます。提出する書類に不安のある人はぜひアドバイスを受けるようにしましょう。
⑥応募する
企業への応募は転職エージェント経由で応募します。
その場合、応募書類はエージェントとの面談時に提出した書類を企業に提出するため、応募時には改めて書類を作成する必要はありません。
応募の都度、写真の準備や経歴書を準備するのは大変ですので非常に助かるサービスです。
人によってまちまちかもしれませんが、書類選考通過率はかなり高いと思います。これまで転職サイトなどを利用していた時と比べると格段に確率は上がると思います。
⑦面接対策
企業の書類選考が通過し、面接が決定した場合、事前に面接に向けて準備しておくべきポイントを教えてくれます。例えば過去に質問されたリストや知っておくべき業界知識やニューストピックなど様々です。
その他、選考の流れをも事前に教えてくれます。1次面接は現場担当者、2次面接は人事責任者といったように事前に会う人を教えてくれるだけでも心の準備ができるので、安心できることでしょう。
⑧採用企業との面接
面接の結果は転職エージェント経由で連絡がきます。
面接で上手く説明できなかった、PR出来なかった場合には転職エージェントから追加であなたの魅力を採用企業へプッシュしてもらうことが出来ます。
⑨内定、給与交渉
内定後の入社までの調整もすべて転職エージェントが行ってくれます。
1.統合失調症の転職を手助けするおすすめ転職エージェント
障がい者の転職支援を行っている会社は数十社もあります。その中でも精神障害にも対応してくれる会社がいくつかありますが、求人数が少なかったり、転職支援を断られるケースがあります。
そのため、統合失調症でも丁寧に転職支援してくれる転職エージェントは、atGP転職と就職shopの2社に絞られます。
サービスの流れは変わりませんが、転職支援スタイルが違いますので二つとも登録しておいて、使い分けたり、自分に合った方を選ぶと良いでしょう。
大まかに分けるとこのような違いがあります。
- atGP転職 → 全国対応。通所型の就労支援も併設
- 就職shop → 未経験から正社員の転職。面談形式の転職支援
転職支援スタイル以外には、対応エリアや扱っている求人が違います。それぞれについて詳しく説明していきます。
atGP転職
『atGP転職』は、ゼネラルパートナーズが運営している障がい者の転職支援で業界No1の実績を持っています。
おすすめポイント
- 業界No1で企業からの信頼が厚い。求人件数は最も多い
- 日本全国の求人を扱っている
- キャリアアドバイザーの面談が丁寧
- 通所型の転職支援も対応してくれる
障がいのある方が転職を考えた時に始めに相談に行くべきエージェントです。転職活動を進めるうえで、注意すべきポイントや応募書類の添削など非常に丁寧な面談をしてくれます。
障がい者向けの転職支援に特化したサービスを運営しています。聴覚障害や精神障害専門のサービスなど細かにサービスを提供し、一人ひとりに合わせた転職支援を行っています。
就労支援もおすすめ
ゼネラルパートナーズは、国内唯一の統合失調症専門の就労支援「リドアーズ」を運営しています。東京の御茶ノ水に施設があります。
統合失調症に特化して、平日3日~程度から通所しながら研修を受ける、職場体験ができるなど就職サポートが充実しています。
atGP転職と求人が連携されているので、就労支援を受けながら統合失調症の方の採用を考えている会社を紹介してくれます。
就職shop
『就職Shop』は、業界最大手のリクルートキャリアが運営する転職支援サービスです。
おすすめポイント
- 社会人未経験から正社員への転職支援に強い
- 人物重視のポテンシャル採用に特化(書類選考なし)
- 業界最大手リクルートグループならではのサポート
仕事紹介カウンター(店舗型)のいわゆる面談形式の求人紹介サービスで、駅近くに拠点を構えており利便性が高いことも高評価です。
拠点は、銀座、新宿、立川、横浜、千葉、大宮、大阪、三ノ宮、烏丸にあります。
各拠点近隣の中小企業を中心に求人を扱っています。企業の担当者が直接訪問して、細かく取材した企業ですので求人情報に信頼性があります。
応募後についても面接の合否に関わらず、企業の採用担当者からのコメントをもらっていますので、選考に落ちた原因についてキャリアコーディネーターと一緒に考えて、次回以降の応募に活かせるように二人三脚でサポートしてくれます。
統合失調症の場合、リクルート系列の他のエージェントでは転職支援を断られて登録できないこともありますが、就職shopはしっかりサポートしてくれます。
2.転職エージェントの活用ポイント
嘘をつかない
履歴書や職務経歴書の記載内容に、事実と違うことを書いてしまうことです。
意外にも、事実と違うと発覚するケースは多いです。そうなると、虚偽の報告をする方だと、要注意人物と見なされ、求人の紹介を受けにくくなってしまいます。
転職エージェントとの面談のときに、就業上の注意すべきところをはっきり伝えておくようにしましょう。
例えば、通院の頻度や通勤に関することや、作業教育をするときや業務指示をするとき、会社側が注意しておいてほしいポイントを先に伝えておくと、採用のミスマッチが減ります。
「これを言ったら受からないだろうな、、」と思って、伝えるべき事柄を伝えないでおくと入社後、後から発覚したときに面接時の受け答えに詐称があったと、懲戒処分を受けてしまうこともあります。
複数のエージェントから同じ企業に応募しない
複数の転職エージェントに登録していても、同じ採用企業に応募しないようにしましょう。転職サイト経由の場合でも同様です。同タイミングで応募した場合、採用企業としてもどちらの転職エージェントと対応して良いか困惑してしまいます。
その場合、必ず採用企業側から両方の転職エージェントに連絡がいきますので、結果的に採用企業と転職エージェントの双方に、情報管理ができない転職者という見られ方をされ、応募が出来なくなったり、転職エージェントからサービスが受けれなくなることもありますので、注意しましょう。
入社後のサポートも是非受けるようにしましょう
転職エージェントから、転職活動のサポートに加えて定着に向けて入社後のサポートも受けることができます。
入社後、生活面の変化に伴うストレスや仕事や人間関係構築の悩みなど困ったことがあれば相談できます。
過去に入社後に相談があった事例
29歳、男性、契約社員 軽度発達障害
「現在働き始めて4日目になります。会社案内や業務の説明を受けているのですが、覚えることが増えてきて、教育に追い付かなくなってきたと思っています。少しだけ教育のペースを落としてもらえるか、こちらから確認する時間を取ってもらえるよう頼んでみたいと思っていますが、言いにくくてどうしようか迷っています」
という内容でした。当時企業担当者にこの旨をエージェント経由で伝え、教育ペースを変えることにしました。具体的にはメモを取る時間を設けて、後から見直せるようにしました。
また、教育担当者から大丈夫かどうかを小まめに確認してもらうようにしたことにより、お互いの理解度が深まり、教育は無事に終了しました。
このように、入社後の小さな悩みも解決することができ安心して働くことができます。
仕事をする上でお互い伝え合うことが大事ですが、最初は中々難しいのでエージェントのサポートがあると非常に心強く、安定して働くことができるでしょう。
3.まとめ
統合失調症の転職について、転職エージェントの利用についてご紹介しました。
大事なこととして、障がいについてオープンにして転職することをおすすめしています。
中々面接が通らず、悩んでしまって、障がいを隠して転職活動を行う人もいるかと思います。しかし無事に転職できたとしても、入社後に症状が再発して働けなくなったり、人間関係で悩んでも打ち明けられないと悩むことで、すぐに辞めてしまう人が多いです。
一旦休養をとって、再度大変な転職活動や給付手続きをしなければいけなくなります。そうなると、自分は社会に必要とされてないのではないかと思ってしまうかもしれません。
最悪の場合、別の症状も発症することにもなりかねません。
しっかりと症状を理解してくれて、サポートも期待できる会社を探すためにも転職エージェントは役に立ちます。
筆者が障がい者採用を行っているときの経験で、
「これまで15社落ち続けてきました」という方を採用したことがあります。それは自社が偶然にも同じような障がいのある方を雇っていた経験があり、障がい内容を良く理解していたからです。
誰しもが人生の中で転職を何回も経験することではありません。面接のために移動するだけでも非常に苦労することかもしれません。しかし諦めずにあなたに合った会社を見つけていただきたいと切に思います。
おすすめの転職エージェントまとめ
・atGP転職 → 全国対応。通所型の就労支援も併設
・就職shop → 未経験から正社員の転職。面談形式の転職支援
こちらの記事があなたの転職にお役に立てれば幸いです。