経理の仕事を続けているけれども、
・仕事の成果が認められない...
・なぜか残業が無くならない...
・間違った伝票が回ってくると、いちいち指摘しなければいけない...
・経営陣や他部署の人間から暇だと思われている...
・AIに仕事を奪われるのではないかと言われている...
と仕事への不満や将来性への不安だけでなく、人間関係に悩む人は多いです。
経理は銀行の入出金管理、現金出納帳の作成、給与計算などお金に関わる仕事で、ミスが許されない作業ばかりで、ストレスがたまる仕事です。
ましてや、経理は「数字が合って当たり前」と見られていて、経理の仕事を軽視する経営陣や勘違いした営業担当が多いことが現状です。
このような状態で仕事をしていては、ストレスが溜まってしまうことは当然のことです。
こちらのページでは経理を辞めたいと思ったときの対処法についてご紹介します。
1.辞めたい理由は何かを考える
経理を辞めたいと思った時にやるべきことは、辞めたい理由は何かを考えることです。
退職理由の代表例
- 今の会社ではスキルアップできない
- 給料に不満がある
- 残業が多くて仕事がきつい
- 会計の専門知識を身につけたい
- ミスが多くて自分には合わないと感じている
- 経営数値を見ていると会社の将来性に不安
- 自分の仕事の成果が認められない
経理の仕事はとにかく細かくて、やることが多いです。その割に報われないと感じることがあってやりがいを感じられなくなります。
そのうえ、給料が上がらなければ、とてもではないですがモチベーションを維持することはできません。
理由別に対策を立てる
冷静になって自分が不満に思っているものを箇条書きで挙げてみると、これからどうすべきかを決めるうえで役立ちます。理由別に対策を立てていきましょう。
経理を辞めたいと思うと、事務職や企画職への転職など仕事を変えたいと考えがちですが、「今の会社で異動を相談してみる」「経理職として別の会社に転職する」ことで悩みが解決することがあります。
まずは「経理の仕事が合わないのか?」「会社が合わないのか」を見極めることです。
この二つで対策が変わります。それぞれの対策について具体的に説明していきます。
2.経理の仕事が合わないときにやることは「異動の相談」と「情報収集」
「ミスが多くて不向きだと感じている」、「給料が上がらず将来経理を続けていくべきか不安だ」だと考えるような場合です。
こればかりは経理の仕事をしてみなければ分からないことです。
経理の仕事を始めた当初は「簿記の資格を活かして働きたい」「どこの会社でも経理の仕事は必ずあるつぶしの効く仕事だ」と考えていたのではないでしょうか。
しかし、実際に経理の仕事をやってみて自分には合わないと感じたときにやるべきことは2つです。
①部署の異動を相談する
②経理以外の仕事に転職を考える
2-1.部署の異動を相談する
まずは今の会社で違う部署への異動が出来るのかどうかを相談してみると良いです。
会社としては社員の退職が一番の痛手ですので、できることなら異動することで退職を回避したいと考えます。
相談に乗ってもらうからには異動する理由が明確にしておき、「同じ部署の人との人間関係が合わない」、「仕事に向いていない」などの理由も含めて本音で伝えることが大切です。
あくまで会社や周囲の批判はせず、異動を前向きなものと考えて相談すると効果的です。
まずは直属の上司に異動の相談をもちかけてみましょう。
2-2.経理以外の仕事に転職を考える「自己分析」を忘れずに
経理は自分には合わないと思っていて無理に経理を続けて、年齢を重ねてしまうと転職自体も難しくなる可能性があります。
経理の仕事が合わないと感じたときは、早めに別の仕事に就くことを考えたほうが長期的な視点から見て良いです。
経理から別の仕事に転職してしまうとキャリアが無駄になったのではと思うかもしれませんがそんなことはありません。
経理の仕事を通じて培った経験の中では、別の仕事でも活かせるスキルがあります。
活かせるスキル
- 経営感覚・・・・・・・・・事業活動を数値化して客観視できる
- スケジューリング能力・・・決算など数カ月後を見越して仕事ができる
- コミュニケーション能力・・社内の様々な部署と折衝した経験が多い
- 計数管理能力・・・・・・・経済指標や分析に使って物事を考えることができる
- PCスキル・・・・・・・・Word、Excelなど
コミュニケーション能力を例に挙げると、経理は他部門の担当者に経理上必要な書類の申請をお願いなど柔らかにお願いしなければいけない場合もあれば、領収書の回収など厳しく接しなければいけない場面もあり、多種多様なやり取りがあります。
「円滑に進めるために、自分なりに工夫してどのようにコミュニケーションをとったか?」ということを伝えると、仕事の姿勢が自己PRのネタになります。
細かく自己分析を進めたい人は『自己分析4STEPシート』を使えば、自分のキャリアの棚卸しができるだけでなく、職務経歴書に書くべきポイントが整理できるようになります。
自己分析のサンプル付きで解説していますので、活用してみてください。
・転職に軸を作る|自己分析4Step【シート付・完全解説付き】
2-3.すぐに退職せずに情報収集からやるのがおすすめ
辞めたいと思っていながら仕事を続けることは長期的に見てプラスになりませんので、違う道を考えるべきです。
とは言いつつも、すぐに退職するとキャリアに空白期間ができてしまうのも良くありません。
もし仕事が忙しいと転職活動のための時間を作ることができないとしても、情報収集だけやっておくのがおすすめです。
転職サイトに登録しておくと、このような情報を集めることができます。
- 今の自分のキャリアで転職できる業界はどこか?
- 自分の年収の相場はどれぐらいなのか?
- どの業界が採用に積極的なのか?
情報を集めておくだけで、転職市場のトレンドが分かり、転職すべきタイミングが分かるようになります。
情報収集におすすめの手段とツールをご紹介します。
リクナビNEXT|転職サイト
『リクナビNEXT』は、転職サイトの中でも圧倒的な求人件数を誇ります。
非公開求人含めオファー型の求人紹介スタイルとなっており、求人を探す手間が無く情報を知ることができます。
「気になる企業ランキング」や「企業が求める経験・スキルランキング」を見ると採用トレンドがチェックできます。
登録するだけで履歴書を自動作成できるツールが、時間の無い人にとって非常に便利です。作成後はエクセルやワードでダウンロードできて使いまわしできます。
ミイダス|転職アプリ(サイト)
『ミイダス』は、今の職種や業界など簡単な質問を答えていくだけで市場価値を教えてくれる転職アプリです。「現時点の自分のキャリアにどれぐらいの年収オファーが来るのか」を調べることができます。
面接確約オファーも来ますので、興味がある企業に直接応募することも出来て転職活動期間を短縮できることも人気の一つです。
注意点として、適正年収がやや高めに診断される傾向にありますので参考程度にしておくのが良いと思います。
リクルートエージェント|転職エージェント
更に本格的に転職活動を進めたいと思う人は、転職エージェントを使うのがおすすめです。
職務経歴書の添削や応募企業ごとの面接対策など実績的なアドバイスを個別コンサルしてくれます。
『リクルートエージェント』は、業界大手の転職エージェントです。リクナビNEXTと連携しておけば、市場に出回っている求人の大部分を網羅することができます。
選考に進むと、面接日時などエージェントが代行してくれて、ユーザー利用画面も使いやすく、手間がかかりません。
応募書類の作成や面接日時の調整など転職活動の雑務を任せて、転職活動に専念することができます。
リクルートエージェントはリクナビNEXTの10倍近い案件を保有しており、独自案件が多いです。採用企業からお金をもらっているため、利用者側は無料です。
転職エージェントは、「応募者が不採用になった」、「入社後すぐに辞めてしまった」ときは報酬が発生しないため、真剣にあなたの転職をサポートしてくれます。
3.今の会社が合わないときにやることは「さっさと転職する」
「今の会社ではスキルアップできない」、「給料が上がらない」、「残業が多くて、自己勉強の時間が作れない」と考えている時は、すぐに悩みは解決しませんので別の会社に転職した方がいいです。
景気が悪い業界や業績の悪い会社にいると昇給しにくいですし、古い会社の場合は、給与テーブルが決められており、長く勤めあげなければ昇給しません。
経理処理自体はどこの会社にもあることですが、業務フローや生産性は全く違います。業務システムの導入が遅れていると、手作業が多く、とにかく忙しいです。
日々の仕事に追われて、給料が上がらないと悩むのであれば、転職してスキルアップできて、昇給しやすい会社に移ってしまった方がキャリアの伸びしろが期待できます。
決算中も含めて残業が月に0~10時間程度の会社は多く、プライベート時間で税法改正など勉強時間を確保してスキルアップすることができます。
ですが、経理職の採用枠が少なく、優良企業の求人が出回ることが少ないです。年収500万以上の人気求人は転職エージェント経由の非公開案件で採用されることが多いため、先ほどご紹介した『リクルートエージェント』に加えて、経理職に強い転職エージェントを使っておくと良いです。
MS-Japan|経理職に強いおすすめの転職エージェント
『MS-Japan』は、管理部門に特化した転職エージェントです。業界トップクラスの管理系求人を保有しています。
経理、財務、人事、法務など専門領域ごとにコンサルタントが配置されており、業務知識や採用情報に詳しく教えてくれます。
実績があるエージェントなので、同じようなキャリアの転職事例を紹介してくれて、転職活動のイメージを掴むうえでも役立ちます。
面接日時の調整などレスポンスも早く、企業とのコネクションがあることから年収交渉も強いおすすめのエージェントです。
4.スムーズに退職するためのコツ
経理職は、会計知識が必要で他部署からの異動で欠員を補うことが難しいです。そのため退職の引き留めに合ってしまい、辞めたくても辞められないと悩むかもしれません。
こちらでは、スムーズに退職するためのコツを3つご紹介します。
コツ1.繁忙期を避けて退職を切り出す
退職を切り出すタイミングは、決算期の真っ最中など繁忙期は避けておきましょう。決算時期の前後を見計らっておくと良いです。気を付けておくポイントをまとめます。
1.退職を伝える時期
- 退職の1.5ヵ~2か月前
- プロジェクトや仕事の繁忙期を避ける
2.声をかけるときの作法
- 伝える相手は、役職に関係なく直属の上司
- 声をかけるときは、神妙かつ謙虚な姿勢で
- 話すタイミングは相手の状況を見て
- 周囲に人がいない場所で話す
その他に、上司と面談する時の注意点などをこちらのページで詳しく解説していますので参考にしてみてください。
コツ2.業務の引継ぎは謙虚な姿勢を心がける
退職にあたっては、担当している業務を後任者に引継ぎをやりきることが大切です。
辞めた後も後任者が困らないように引き継ぎ書を作成しておくと円満退社につながりますので準備しておくと良いです。
上司や後任者の協力が必要となりますので、謙虚な姿勢で引継ぎに対応しましょう。こちらのページで引継ぎテンプレートをダウンロードできます。
コツ3.引き留められても振り返らない
上司や同僚から引き留められても、引き返さないことです。退職を撤回して今の職場にとどまったとしても、「退職しそうな人」というレッテル貼られて、昇給昇任の対象から外れるなどデメリットがあります。
人手不足を引き留めの理由に持ち出されたり、待遇改善を提案されて引き留められることがありますが、一度退職すると決めたら意思を貫くことが大切です。
5.まとめ
転職活動を進めてみると給料が高い求人が多いことが分かるかと思います。転職して月給が5万円アップすることもあり、リクルートエージェントでは利用者の6割以上が年収アップを実現させています。今の会社で昇給を待つよりずっと現実的です。
同じ経理の仕事でも業績の良い会社ではどんどん上がっていきます。何年も働いて給料が上がらないと悩んだり、スキルアップしたいと考えるのであれば転職を視野に入れた方が良いです。
人間関係に悩んで、関係を改善しようとしても限界があります。無理に頑張ってしまうとうつ病になってしまいかねませんので、職場を変えてしまった方が良いです。
歳をとってから経理の仕事以外の仕事をしたいと考えても、転職先は見つかりません。
現在は全体的に人材不足の影響でどこの会社も採用に積極的ですので、求人がたくさんあるうちに良い会社に入っておきましょう。
・リクルートエージェント|業界実績No1の転職エージェント
・MS-Japan|管理系に特化した転職エージェント
こちらの記事が経理を辞めようか迷っている人のお役に立てれば幸いです。