現役エージェントが解説!転職エージェントを最大限活かす使い方

「転職エージェントを使い方がいまいち分からない」

「どうすれば上手く利用できるの?」

こちらのページでは、転職エージェントの使い方について「登録段階」から「給与交渉、内定」段階の全ての工程で、最大限活用できるポイントを解説していきます。

現役の転職エージェントとしての経験と業界知識、裏事情をふまえて最大限活用するためのコツを紹介していきます。

 

こちらを読めば、あなたの転職の成功させる転職エージェントを最大限生かす方法を理解することができるでしょう。

 

1.転職エージェントのサービスの流れ

転職エージェントのサービスの流れは大きく分けて4つに分けられます。

①登録・面談前

②面談

③応募・選考

④給与交渉・内定

それぞれにおいて、転職エージェントのサービスを効果的に受けるためにはいくつかのポイントがあります。

それらのポイントを押さえながら転職活動をすすめていくことにより、企業へあなたの魅力をプッシュしてもらうなど転職の成功までサポートしてくれます。

 

2.『登録・面談前』フェーズの使い方とポイント

転職エージェントのサイトに登録した後、電話もしくはメールで面談設定の連絡が入ります。登録から面談までの期間でやっておくことは2点です。

・履歴書と職務経歴書の作成

・事前に履歴書・職務経歴書を送る

事前に情報を共有しておくことで転職エージェントとの面談を効果的に進めることができます。

 

2-1.複数の転職エージェントに登録

複数の転職エージェントに登録しておくメリットは以下の通りです。

  • 良い担当者を見つけることができる
  • エージェントのサービスを使い分けて効果的に利用できる
  • 独占求人を網羅できる
  • エージェントとの面談を重ねると、面接の練習になる
  • 幅広い視点からアドバイスをもらうことができる

複数の転職エージェントを利用しておくことで、幅広い求人(非公開求人含む)を紹介してもらえるだけでなく、様々なメリットがあります。

こちらのメリットについては以下のページで詳しく解説していますので参考にしてみてください。

転職エージェントを利用するなら複数登録しておくべき7つの理由

転職エージェント【良い担当者】と【悪い担当者】の見分け方・特徴

 

2-2.事前に情報を送る

・履歴書と職務経歴書

この2つの書類を準備しておくと、初回の面談からスムーズに話が進みます。職務経歴書など作成に時間がかかるような書類は下書き程度でも問題ありません。

面談のときに、エージェント担当者から経歴のヒアリングを受けるときに書類のアドバイスをもらえますので、その内容をもとに完成させていくこともエージェントの活用方法の一つですので、これで大丈夫かな?と不安に思う人も事前にその旨を伝えておけば大丈夫です

 

2-3.希望条件を伝える

転職エージェントとの面談を効率的に行うためにはできるだけ面談前に情報を提供しておくことが重要です。

希望条件について、事前に以下のような項目を送っておくと、条件に合致した求人票を面談の時に準備してくれます。

希望条件の項目について

  • 希望年収
  • 希望職種・業界
  • 希望勤務地
  • 希望転職時期

この4つの条件を事前に送っておくとよいでしょう。事前に送っておいても確認のため面談の時に聞かれます。それぞれの項目の理由や事情など詳しく伝えておきましょう。

 

3.『面談』フェーズの使い方とポイント

 

 

転職エージェントとの面談~応募までのフェーズでやるべきことは、あなたの転職の方向性を転職エージェントと共有することです。

面談の流れは以下のような流れになります。

  • 履歴書の確認とおおまかな経歴の確認
  • 職務経歴書・資格・スキル・実績のヒアリング
  • 転職理由・転職活動状況のヒアリング
  • 希望職種・業界・給与などの条件のヒアリング
  • 求人の紹介(エージェントによる)
  • 今後の進め方・連絡方法の確認、エージェントサービスの説明

その他にもキャリア相談や職務経歴書の添削、業界情報や採用動向などを教えてくれます。

転職エージェントとの面談についてはこちらのページで詳しく解説しています。

転職エージェントとの面談は何をするの?服装は?疑問を徹底解説!

 

3-1.目的・方向性を明確にする

自分が今回の転職で何を実現したいのか、転職に何を期待しているかを明確にしておきましょう。当たり前のように感じるかと思いますが、転職の目的を明確にする作業は非常に重要です。

「給与アップ」、「大手企業に転職したい」、「引っ越し先から通勤できる勤務先を探している」、「残業時間が少ないところが良い」といったように、それぞれの優先順位を自分の中でつけておくと意思決定の時に迷いが無くなり、転職活動をスムーズに進めることができます。

 

3-2.キャリアの嘘をつかない

履歴書や職務経歴書の記載内容に、事実と違うことを書いてしまうことです。

意外にも、事実と違うと発覚するケースは多いです。転職エージェントに登録した時に、数年前の登録情報と違う?といったケースもよくあります。

そうなると、虚偽の報告をする方だと要注意人物と見なされ、求人の紹介を受けにくくなってしまいます。

 

3-3.面接の練習を兼ねる

転職エージェントとの面談は対面もしくは電話で面談を行います。できるだけ直接対面で面談することをおすすめしています。

面談の時には、経験のヒアリングや転職理由、次の仕事の希望条件を確認されます。エージェントから質問される内容は「転職理由は?」「どのような実績があるか?」などの質問をされます。

企業の面接と同じような質問ばかりであるため、面接の練習になります。複数のエージェントと面談すると転職理由など話しにくい内容や実績のPRなどスラスラ話せるようになります。

そのため和気あいあいの雰囲気で進む転職エージェントとの面談であっても、実際の企業面接でされる質問と同様の内容を聞かれるため、回答についても本番同様の内容で話すようにしましょう。

 

3-4.面談後も定期的に連絡を入れる

キャリアコンサルタントから定期的に「転職活動のご状況は?」、「紹介した求人案件への興味は?」、「希望条件に変わりはないか?」というように連絡が来ます。

転職エージェント側のシステム・データベースで、転職者一人ひとりの履歴が保存されています。こちら側の状況を伝えておくと、その内容と最終連絡日の履歴が残ります。そうするとエージェントとしては、「まだ転職活動の見込みがありそうだ」ということになり、新しく求人が発生した場合など、優先的に紹介してくれる確率が上がります。

メールや電話でなくとも転職エージェントの登録者が利用するシステムへのログイン日も一つの基準になります。定期的にログインしておくことをおすすめしています。

 

4.『応募・選考』フェーズの使い方とポイント

 

 

面談が終了してから応募、選考までのフェーズが最も期間が長いです。1か月~2か月程度を目安と考えて、丁寧に情報を整理しながら準備を行っていきましょう。

この段階で転職エージェントから以下のような情報をもらうことができます。

・過去の選考情報、採用された人の傾向

・面接で想定される質問集

・模擬面接(希望した場合)

 

4-1.余裕のある日程調整をする

就業中の人や遠方からの転職を考えている人は、スケジュール管理が最も大切になってきます。履歴書と職務経歴書は転職エージェントに提出した書類をそのまま転用してもらうケースがほとんどですが、応募企業ごとに志望理由や自己PRをアレンジしていく場合は、時間がかかります。

企業面接までに業界研究、企業調査などを行うことを考え日程に余裕を持って設定を依頼しましょう。

 

4-2.面接対策は万全にする

企業との面接が決定すると、求人票以外に企業面接までに選考対策するための情報を教えてくれます。

  • 過去に質問された事例
  • 面接を担当する面接官の情報
  • 評価するポイント
  • 知っておくべき情報(業界情報や技術動向など)
  • あなたのPRすべきポイントを指導してくれる
  • 企業面接を想定した模擬面接

転職エージェントが応募する企業とのコネクションや営業実績があればあるほど、これらの情報は多く、深い内容となります。これらの情報をできるだけ転職エージェントからもらっておきましょう。

転職エージェントに全く面接の事前情報がなければ、こちらの質問集を参考にしてみてください。

【PDF保存版】転職の面接で聞かれた過去事例|質問集まとめ

 

4-3.面接後のフィードバックをもらう

企業面接が終了した後、採用結果が出たあとには転職エージェントからフィードバックをもらうようにしましょう。

これが不採用であった場合でも同じく、不採用理由を教えてもらうようにしましょう。企業の選考結果は伝える義務はありませんが、良い転職エージェントであれば必ず把握している情報です。

面接官に評価されたポイント、不採用にした理由など次回以降に活かせるように結果を回収しておきましょう。

 

5.『給与交渉・内定』フェーズの使い方とポイント

 

 

給与交渉、内定フェーズにおいて、重要なことは給与交渉を転職エージェント経由で行うということです。

5-1.給与交渉は最終選考に

給与交渉といっても、転職エージェントから企業に紹介してもらうタイミングで希望給与を伝えていますので大きな金額変更を行う給与交渉は難しいです。

この段階で給与交渉するためには、面接で高評価を獲得し、求人企業の給与テーブルに合致していることが前提条件です。

そのうえで交渉材料として、

・他社が同時に内定している諸条件を比較提案する

・あなたを希望する年収で採用すべき根拠を提示する

内定が出た後に給与交渉が成功することは稀なケースです。そのようなケースは給与規定外の設定ができたり、社長トップの裁量で給与設定しているなど、柔軟な決定が可能な企業でない限り難しいです。

基本的には内定条件の一つに年収を提示しているため、その条件提示を越えて交渉することは難しいです。

 

5-2.内定条件に注意する

内定条件については、転職エージェント経由で「内定条件通知書」という書類を提示してもらいます。求人票の内容に合致した諸条件を確認のうえ、別途条件がある場合があります。

それは、「入社時期」「役職」「成果報酬の規定」など細かな条件を確認しておきましょう。この通知内容がそのまま雇用契約書の内容になりますので、内定通知書に対して承諾してしまった場合、条件変更はできません。

確認作業をしっかりと行い、不明点は転職エージェントに確認しておきましょう

 

5-3.退職手続きを円滑に

自己都合で会社を退職する場合、円満退社を心がけなければならない理由はいくつかありますが、大きな理由は2つです。

  • 転職する企業の入社日に合わせた退職日の設定をするため
  • 転職後、思いもよらない形で退職する会社と今後入社する会社が関係するかもしれないから

入社段階である入社がスムーズにいかなければ、入社後の教育や担当する業務に支障が出かねません。必ずしもすべての人が円満退社をすることができるということはありませんが、好意的な退職対応を取ってもらえるよう、退職する会社に対して誠意をもって向き合うことが非常に重要です。

転職エージェントは現職の円満退職に向けて、手続きすべき項目や段取りなど細かくサポートしてくれます

退職時期が決められず、内定取り消しになるケースもありますので、選考が進んできた段階で現職の退職に関して相談しておくとよいでしょう。

 

6.(番外編)転職エージェントの使い方

転職エージェントの活用方法は、これまで紹介してきたこと限りではありません。転職意思がなくとも、情報収集の方法の一つとして活用することも有効です。

6-1.転職を考えていない人であれば、転職市場価値を確認する

転職を具体的に考えていなくとも、以下のような理由で転職エージェントに登録し、面談に相談にくる人も増えています。

・現在勤めている会社の給与が市場より高いのか安いのかを知りたい

・今の自分のキャリアと近い人の転職事例を知りたい

・自分の経歴に合致する求人を出している企業や業界を知りたい

・現在の技術動向、採用動向から今後求められる人物のトレンドを知りたい

・業界情報、採用動向、競合他社の採用情報を知りたい

共通することとして、自身のキャリアの選択肢の一つとして転職を考えているということです。転職した場合の自身の年収やポジション、将来的に成し遂げたいと考えていることの必要な期間を考える等々、目的は人それぞれです。

周囲に転職する人が増えてきた、家庭環境が変化した、今の会社で成長を実感できなくなってきたなどのきっかけから考える人が多いです。

 

6-2.キャリアを決めるための情報収集として活用する

今後のあなたのキャリアの方向性を決めるための一つとして情報収集を行う人の中で、採用事例など転職実績をロールモデルとしてキャリアのビジョンを決めていく方もいます。

キャリアの方向性を決めるための情報収集の一環として、転職エージェントに登録する人がおり、実際にその情報をもとに現在の企業に勤め続けるのではなく、転職を決める人もいれば、現在の企業のとどまり社内での異動希望やキャリアパスを進む人もいます。

将来自分が歩もうと考えていることの実現可能性や得られるメリットを確認しています。

具体的には以下のような質問をしながらキャリアを検討されている人が多いです。

・取得を検討している資格を活かせる仕事はどのようなものがあるか?

・資格を取得するために、どのような仕事に就いているのが有効か

・資格を取得した時の年収はどれぐらいか?

転職エージェントは応募意思に関係なく登録ができるため、転職を検討しているという考えのもと、登録面談をしてみるのも良いでしょう。

 

7.まとめ

転職活動には求人票を探す、職務経歴書を作る、面接の質問の対策を練る、面接のために訪問するなど全ての期間を合わせると3~6か月は要します。

その期間中は、職務経歴書を作る時間を確保する、面接のために現職の休みを調整する等々、気苦労する作業が多いです。

その上、面接の不採用結果が続くと、転職活動を始めた当初の問題意識や目的が薄れてしまいがちになります。その結果、転職を諦めたり、妥協した転職をする人が一部います。

将来的に転職を考える人、現職を続けようか悩んでいる人は、「情報収集」だけはしていただきたいと思っています。

インターネットで調べる以外に、知人から話を聞く、実際にエージェントに会ってリアルな情報を聞くということをしておくことが重要です。

また、転職活動を本格的に進めようと考えている人は、限られた時間で転職活動を進めなければなりません。転職活動に必要な作業や調整が多岐に渡る作業を転職エージェントにアウトソーシングして、あなただけにしかできない「職務経歴書の作りこみ」、「面接対策のブラッシュアップ」という作業に集中することをおすすめしています。

転職エージェントのサービスを上手く活用することで、転職活動が効率的に進めることができるだけでなく、情報の質が向上することで転職の成功につながることでしょう。

 

こちらの記事が、皆さまの転職エージェントを利用するうえで、お役に立てれば幸いです。