こちらのページでは、倒産しそうな会社の前兆・予兆について紹介していきます。
こちらは倒産した(倒産しそうな)会社での勤務経験がある人にとっては「あるある」のことがあるのではないでしょうか。
今勤めている会社が倒産しそうかも?と不安に思っている人の参考になればと思います。倒産しそうな会社の特徴・前兆について「人」「物」「仕事・取引」「お金」の動きに分類して紹介していきます。
こちらで紹介する特徴・前兆が1件でも当てはまっているようであれば、注意深く会社の動向を見ていくべきです。複数当てはまっているような場合には、転職すべきかどうかなど具体的に考えていくと良いです。
1.倒産の前兆1【人の動き】
倒産しそうな会社には、その場合には人の動きについて注目してみると良いです。
普段とは違う仕事している、退職が増えているなど人の動きについて、経営状況が悪い状況ならではの前兆があります。動き始める人にも特徴がありますので、こちらで紹介する人たちを注目してみると情報が集まりやすくなります。
役員、経理、エース社員が退職する
倒産しそうな会社では役員(取締役~部長クラス)、経理部、エース社員が一番先に辞めます。
なぜなら経営状況が悪いことを知っているからです。
役員であれば経営状況は正確に把握しており、会社の将来性だけでなく、自分自身のキャリアについてもシビアに判断していきます。会社側の人間ですが意外にも早く辞めていきます。
経理部のスタッフも辞めるのは早いです。経営状況が悪い情報だけでなく、その裏にある銀行からのプレッシャーを感じていたり、会社の銀行口座残高をみてリアルに経営状況が悪さを肌で感じています。
経営状況が悪くなると粉飾決算のような不正に動くような場合も実際あるので、そのような指示をされて耐えかねて退職することもあります。
その他、エース級社員も社内情報に詳しい傾向にありますので、自分のキャリアを最優先に考えてすぐに転職します。
顧問税理士・会計士の来社が増える
普段は会社の顧問税理士・公認会計士の来社は月に一度程度ですが、経営状況が悪くなり、資金繰りが悪くなる来社・打ち合わせが一気に増えます。
状況把握や資金調達、資金繰りについてどうすべきか、という普段話さないような打ち合わせが増えます。普段であれば月次決算分の報告程度ですが、紙一枚の報告程度で済みますが、経営状況が悪くなると打ち合わせで使う書類の種類も増えて、分厚いファイルを持ち運んだりします。
経理部長の銀行訪問予定が多くなる
役員・経理部長の銀行訪問が増える理由は、銀行各所に資金調達を依頼するためです。
普通の会社であれば、銀行の営業担当者が来社しますが、融資の依頼をお願いするような場合は経理担当が銀行に行きます。立場が逆転します。
資金調達先は複数の銀行に依頼をかけますので、行先分回数が増えるので銀行への外出の頻度が増えます。
希望退職制度を募る
急に早期退職制度、希望退職を募ることがあります。それは人件費を抑える目的ですが、退職金を支払うだけの現金があるうちに、早期退職制度を利用して社員を減らしたいと考えているからです。
実は希望退職を募るときは、倒産の前兆の中でも転職すべきかどうか考えるべきタイミングです。
倒産してしまうと退職金や給料が支払われませんので、希望退職を募っている段階であれば、退職する社員に支払うだけの現金を捻出する余裕が残されているので、退職金をしっかりもらいたいと考える人には数少ないチャンスになります。
社長が出社しなくなる・外出が多くなる
社長が出社しなくなる、予定が分からない外出が増えてくる傾向にあります。
その理由は資金繰りのために銀行関係に行く時もあれば、取引先・協力会社から取引や支払いについて相談しなければならないためです。
社長の外出予定なので詳しい情報は手に入りにくいですが、総務部や役員秘書がアポイント先や日々の会話から情報を持っていることが多いので、聞いてみると情報が集まることがあります。
2.倒産の前兆2【物の動き】
倒産する会社の予兆として、お金の支出を過剰に押さえていきます。これまでこんな事なかったのにと思うようなことがあれば、疑うようにしましょう。
コスト削減・節約が異常
ボールペンやメモ帳は自前、社用携帯は自前、エアコン禁止など、少額であってもコスト削減の動きがあります。経営状況が悪くなると、とにかく目の前のムダや出費を無くしたいと思って、過剰なコストカットが入ります。
この場合は、会社に現金が少なくなっている状況が考えられますので、倒産しそうかどうかの情報収集を始めるタイミングと言えるでしょう。
設備投資しなくなる
経営状況が悪くなるとPCや複合機、製造機械などの設備投資が徐々に無くなっていきます。これは倒産する直前というより、経営状況が悪くなり始めるあたりから、起こる現象です。
投資にお金を回す余裕がなくなり、毎月の固定費の捻出に精一杯になっている状況で、残務状況は良くありません。
「この設備が壊れているので買い替えが必要なのに、なんで?」と思うような場合は会社の先行きに注意しておきましょう。
清掃・メンテナンスが行き届かなくなる
コスト削減の一環で清掃やメンテナンスが行き届かなくなります。
- 社内の清掃業者が来なくなる
- 定期的に変えていたカーペットが変わらず、擦り切れるほど使い込んでいる
- 観葉植物が枯れていても放置されている
- ウォーターサーバーが無くなる
などと職場環境や福利厚生施設への支出が減らされます。職場環境の整備状況は、経営コンサルタントや税理士が会社訪問するとき見ているようなポイントで、職場環境の変化から経営状況を推測します。
固定資産の売却
会社の資金繰り、キャッシュフローが悪くなると固定資産を売却して現金化させる動きがあります。保有していた土地や物件、備品まであらゆる資産が売却されます。社員の目から見えない時が多いです。
分かりやすいのは自社ビルや自社工場などの固定資産を売却し始めると事業縮小の前兆になります。
3.倒産の前兆3【仕事・取引の動き】
倒産の前兆は社内の仕事の進め方や取引先とのやり取りや会話にも出てきます。普段と全く違う雰囲気になりますので、肌感覚として感じるところになると思います。
大口取引先の取引が無くなる
会社が倒産する理由の一つに、会社の売上の大半を占めていた大口取引先との契約が終了してしまうことが挙げられます。
売上の大半が無くなると、人件費を始め固定費を維持できなくなり、経営状況が一気に悪化します。
大口の取引先売上減を補てんするために営業をかけるよう、指示があったとしても到底達成するようなレベルにありません。そもそも大口取引先に依存しているような会社の場合、既存営業中心で、新規営業能力が無いので営業先を確保することは難しいです。
売り上げの半分以上占めている取引先が無くなると早ければ1か月で経営悪化することもあります。
取引先から「御社の経営は大丈夫?」と聞かれる
取引先から会社の経営状況について聞かれることがあります。
確認される理由は、取引先から今の自分の会社に対する与信審査で経営状況が悪い会社だとみなされているからです。
その他にも取引先が取引先している銀行から、あそこの会社は経営が悪そうだから取引を考えたほうが良いなどと情報が入っている場合があります。
自社の経営状況について、良く知らないと思う人も、取引先から間接的に言われることもありますので、聞かれる理由について聞いてみましょう。
協力会社から取引を断られる
協力会社から取引先を断られる場合があります。自分の会社がお客の立場なのにもかかわらずです。
理由は協力会社もお客を選んでいるからです。仕事ももらっても支払いが滞ってしまっては意味がありませんので、お客に支払い能力があるのかどうか、帝国データバンクや商工リサーチなどの調査会社を通じてチェックされています。
協力会社から取引を断られる場合は、一時的な経営状況の悪化だけでなく、年単位で系絵状況が悪いことが考えられます。
取引先の入金を早めてもらうよう依頼する
取引サイトの変更、締日の変更、支払日の変更、納品前に入金してもらうなど取引先から入金を早めてもらうよう依頼しなければならないときは、会社の現金が足りない状況が考えられます。
取引内容を変えなければなりませんので、取引先との関係が悪化する可能性あるにも関わらず、入金を早めてもらうようにしなければならない状況ですので、経営状況は悪いと考えてよいでしょう。
ノルマが異常に厳しくなる
営業ノルマが急に厳しくなるときは要注意です。また営業ノルマの対象が正社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイトの人にも押し付けてくるような場合は切羽詰まっている状況です。
ノルマや目標に対しても、「必ず達成なければならないんだ!」「なんとかしよう!」「力を合わせて~~」などと具体的な行動計画がなく、精神論で説明しがちです。
普段は直属の上司からノルマや目標の達成度について確認されますが、役員や経理など違う立場の人たちも現場に入り込んでくることもあります。
役員会議が増える・急に会議が増える
役員会議を頻繁にするようになる、深夜帯に会議が行われる状況はかなり切羽詰まった状況と言えるでしょう。
会議の参加者も社長、役員クラスだけでなく、顧問税理士や会計士も参加している場合は財務状況の把握や経営状況について話しているので状況は悪いことが多いです。
会議の頻度が増えれば増えるほど、事態はひっ迫していると言って良いでしょう。
意外にも社内の雰囲気は緩い
倒産直前の社内の雰囲気は意外にも緩いです。ノルマが厳しくなっていたり、退職する社員が出てきていて危機的状況にあっても現場では和やかな雰囲気だったりします。
理由はそれぞれですが、既に会社を持ち直すことができないと諦めモードだったり、これまで大変だったよね、などとお互いの昔話をしていることもあります。
もしくは、「なんだかんだ倒産まではしないだろう」と安易に考えている場合もあれば、次の転職先を探している状況で転職活動の情報交換をし始めることもあります。
経営陣の危機感と現場の緩い雰囲気にギャップがあるような状況です。
4.倒産の前兆4【お金の動き】
経営状況が悪いだけでなく、倒産までのカウントダウンが始まる合図として社員の給料にメスが入ります。こちらで紹介する項目で該当する場合は、かなり危機的状況と言えます。
給料の未払いが発生する
給料の未払いが発生する状況はかなり悪いです。この場合、関係会社への支払いも滞っていることがあります。
最悪のケースでは、このまま倒産してしまい、何か月分かの給料が支払われないということもあり得ます。給料の未払いがあるときは転職すべきかどうか考えるべきタイミングです。
給料日が変更される
給料の未払いが無いにしても、給料日を後に変更することです。例えば毎月15日払いの給料日を25日払いにするような場合です。
このような場合は会社の銀行口座に現金がないため、取引先からの入金を待ってから社員の給料を支払うためです。
ベンチャー企業などであれば、事業拡大とともに取引先が増えていくと請求支払いサイトが煩雑になってしまうので、調整することもありますが、ほとんどの場合資金繰りが悪化していると考えられます。
給料が減額される・手当が廃止される
給料の減額、各種手当、福利厚生が廃止される事例もあります。給料の大幅な減額は法律で禁止されていますが、経営状況が悪化していくと各種手当が廃止されていきます。
ボーナスが出なくなる
一番分かりやすいのが、ボーナスが全く支給されないことです。ボーナスは業績が好調で利益が出た場合社員に還元するというスタイルが一般的です。
管理会計上、毎月の営業利益から「賞与積立金」なども名目で社員のボーナス分を蓄えています。しかし、毎月の収支が悪ければ積立金が全くない状態なのでボーナスを支給できる状態にないことを指します。
ボーナスが支給されないのは一時的な状態ではなく、過去何カ月もの収支が悪い状況にあることを意味しています。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
会社が倒産する半年~直前にかけて起こる前兆についてまとめました。
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