「履歴書の免許・資格欄の書き方を知りたい」
「免許や資格を持っていない場合はどう書けばいいの?」
履歴書の免許・資格欄の書き方についてお調べではありませんか?
こちらのページでは企業の人事責任者としての経験から、履歴書の免許・資格欄の書き方について見本付きで解説していきます。
記事の後半には、人事採用担当者が履歴書の【免許・資格欄】を見るときの視点と評価ポイントを解説していますので、志望動機や自己PRを書く時の参考にしてみてください。
こちらを読めば、履歴書の【免許・資格欄】の書き方と面接官の見るポイントが分かり、企業の選考突破に近づくことができるでしょう。
1.履歴書の【免許・資格欄】は仕事に活かせるものを書くのが基本
履歴書はどのような人物であるか、住所や学歴、経歴、取得した免許・資格などの項目から概略を伝える書類です。【免許・資格欄】の役割は以下の通りです
- 一定の知識やスキルがあることの証明となる
- 自己学習して免許・資格を取得した姿勢が評価される
企業の選考過程においては、経験をベースに評価していきます。免許・資格はその補足情報として認識されています。次の仕事に活かせる知識がどれぐらいであるかを分かりやすく伝えることができます。
企業の選考においては、経験や知識、スキルで評価されるため、次の仕事に活かせない資格は評価されません。
次の仕事と全く違う分野の免許・資格を取得している人は、次の仕事はやりたい仕事なのだろうか?とキャリア志向に疑問を持たれる可能性がありますので、次の仕事に活かせる免許・資格だけに絞って書くようにしましょう。
2.履歴書の【免許・資格欄】の書き方のポイント
2-1.基本は時系列順に記載する
免許・資格欄で書く順番は、「時系列」で書くのが基本です。人事採用者はこれまでの経歴の沿革の中で「どのような資格をとりながら」キャリアを歩んできたかを経歴欄の時系列と免許・資格欄の時系列を比較しながら評価しています。
時系列の比較を分かりやすくするために、取得年月は西暦・和暦について職歴欄含むすべての項目を統一しておきましょう。
月については資格証や合格証明書、登録証に記載される月を記載します。
取得した資格の分野が幅広く、次の仕事に関係する資格を優先的にPRしたい場合は並び替えても問題ありません。
2-2.正式名称で書く
取得した免許や資格は、省略せず正式名称で記載しましょう。
略称 | 正式名称 |
簿記 | 日本商工会議所簿記検定 |
宅建 | 宅地建物取引士 |
MOS | Microsoft Office Specialist |
秘書検 | 秘書技能検定 |
※資格名称が変わった場合は取得時の名称で書く
資格取得当時から資格の名称が変わった場合は、取得時の名称で記載します。工場系のクレーン運転士など、取得した時期によって業務可能な範囲や名勝が違う資格がありますので名称は取得当時のものを記載します。
2-3.趣味などの検定やスポーツの級・段は書かない
ソムリエ検定など趣味の分野の資格や検定は履歴書の「免許・資格欄」には記載しません。
取得した免許・資格を全て記載するわけではありませんので仕事に活かせるものでなければ控えておきましょう。
人柄などをPRしたい場合は、「趣味・特技欄」に記載するようにしましょう。趣味・特技欄の書き方についてはこちらのページで詳しく解説していますので参考にしてみてください。
・履歴書の『趣味・特技』の書き方で失敗しない事例20!ポイントを解説
2-4.同じ資格で複数のランクを取得した場合は一番難しいものを書く
簿記など難易度に合わせていくつかの級に分かれている場合、複数のランクに合格している場合は、一番難易度の高い資格と取得年月を記載しましょう。
2-5.未取得・勉強中の場合は「受験予定」、「取得予定」と書く
未取得・勉強中の免許・資格については、次の仕事に活かせる免許・資格を勉強している場合だけ記載しましょう。
資格試験に受ける予定の場合は「受験予定」、免許を取る予定がある場合は「取得予定」と記載します。
税理士など科目合格だけをしている場合は、科目を記載しておき、現在勉強中であることをPRしておきましょう。
2-6.運転免許は必ず入れておく
運転免許は、次の仕事に必要がなくとも入れます。正式名称についても、間違いのないようにしておきましょう。
略称 | 正式名称 |
普通自動車免許 | 普通自動車第一種運転免許 |
普通自動車二種 | 普通自動車第二種免許 |
大型免許 | 大型自動車免許 |
大型第二種免許 | 大型自動車第二種免許 |
2-7.職歴に入れる「以上」は必要ない
免許・資格欄に「以上」は必要ありません。職歴欄についてはこれまでの経歴の沿革を紹介しているため、「これ以降に経験している仕事はなく、キャリアの紹介はこれで終了です」、という意味を伝える「以上」を記載する必要があります。
免許・資格欄は、取得したものを列挙しているだけのものなので、「以上」は必要ありません。
2-8.履歴書に書ける免許や資格がない場合は「特になし」と書く
運転免許もなく、公的資格を取っていない場合は、「特になし」と書いておきましょう。
免許・資格欄を空欄にすることは良くありません。免許・資格を持っていないという人は多いので、問題ありません。
3.取得・修了・合格・登録の違い
履歴書の【免許・資格欄】に記載する名称は、資格の合格証明書が発行されるものであれば、「合格」、講義を受講したことを証明する修了証であれば、「修了」を使います。それぞれ資格を合格した時に受け取る通知書に記載されているものを使用しましょう
一般的に以下のように使い分けられます。
名称 | 種別 | 備考 |
取得 | 免許 スコア |
主に〇〇免許の名称のものやTOEICなどスコアで書くような場合に使用します。 例:普通自動車免許、TOEICなど |
修了 | 講義 講習 |
定められた講義や授業を受講したことを証明する場合に使用します。 例:安全管理者選任時研修、防火・防災管理者講習など |
合格 | 試験 検定 |
主に各業界で運営されている一般社団法人や一般財団法人などが実施している試験や検定に合格したときに使用します。 例:ITパスポート、秘書技能検定など |
登録 | 実務経験 | 主に士業の資格に多く使用されており、試験合格した後に実務経験や企業の就業証明など登録要件を満たした場合に使用します。 例:税理士、社会保険労務士など |
免状 | 安全関連 試験 |
主に安全関連の試験に多く、学科試験、実技試験に合格した時に使用します。 例:電気工事士、危険物取扱者、消防設備士など |
4.資格は何級からPRになるか?
簿記のように1級から3級まであるような資格については、「2級以上」が履歴書に書けるレベルと言えるでしょう。
資格によって2級の合格率や認知されるレベルに違いがありますが、概ね度の資格も2級程度と考えておきましょう。
例にあげた簿記は、3級であれば20代前半など若年層の転職でない限り書かないほうがよいでしょう。
5.採用担当者が【免許・資格欄】を見るときの視点
履歴書の【免許・資格欄】を見るときの視点と評価するポイントについて解説します。
あくまで選考は経験をベースに判断
企業の採用選考においては、「実務経験」を最も重視して評価しています。その次に面接の応答により「地頭力」や「コミュニケーションスキル」を評価して合否を決めていきます。
そのため、保有する資格の有無によって合否を決めることはなく、あれば評価が少し上がる程度のため、意外にも資格は評価されません。
仕事をしながら業務に関係した資格を取る人は評価が高い
仕事をしながら業務時間外などの時間を利用して、資格を取得している人は評価が高くなります。それは以下のような評価を得ることができます。
- 資格取得の勉強時間を工面することができるワークライフバランス感覚
- スキルアップへの意欲が高く、次の仕事も主体的に覚えてくれそうという期待感
- 同じ業務を経験している他の転職者との差別化になる
資格取得のために仕事を辞める人がいますが、評価は下がります。資格保有者が増えてきており、資格合格しているだけでは評価されず士業など難易度の高い資格であっても同じことが言える傾向にあります。
取得した免許・資格でキャリア志向や成長意欲をチェックしている
人事担当者がキャリア志向をチェックするポイントは4つあります。
- これまで勤めた就職先を選んだ理由
- これまでの会社の退職理由
- 今回の転職理由
- 免許・資格を取得した理由
これらのポイントの一貫性があるかどうかをチェックしています。幅広い分野を経験していたり、免許・資格の種類が多かったとしても、一つの軸をもとにキャリアを選んできたことを伝えられるようにしておきましょう。
6.まとめ
履歴書の【免許・資格欄】の書き方のポイント
- 基本は時系列順に記載する
- 正式名称で書く
- 趣味などの検定やスポーツの級・段は書かない
- 同じ資格で複数のランクを取得した場合は一番難しいものを書く
- 未取得・勉強中の場合は「受験予定」、「取得予定」と書く
- 運転免許は必ず入れておく
- 職歴に入れる「以上」は必要ない
- 履歴書に書ける免許や資格がない場合は「特になし」と書く
免許・資格欄の注意点
- 取得・修了・合格・登録を正しく使う
- PRできるのは2級以上が基本
採用担当者が【免許・資格欄】を見るときの視点
- あくまで選考は経験をベースに判断
- 仕事をしながら業務に関係した資格を取る人は評価が高い
- 取得した免許・資格でキャリア志向や成長意欲をチェックしている
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