「履歴書の趣味・特技欄は何を書くべき?」、「趣味が無い場合はどうすればいいの?」
履歴書の「趣味・特技欄」の書き方についてお調べではありませんか?
履歴書のために、趣味を見つけ出し、履歴書の趣味・特技欄に書いたことが面接で質問されて、上手く答えられなかったなどと転職活動を失敗してしまっては意味がありません。
履歴書の「趣味・特技欄」を有効活用することで、あなたの人間性を深く知ってもらうきっかけとなり、高い評価につなげることができます。
こちらのページでは、現役の人事責任者としての経験から年間数百名と選考している中から印象が良い事例を紹介しながら、「趣味・特技欄」の書き方をご紹介します。
こちらを読めば、履歴書の「趣味・特技欄」で書く内容に悩んでいることが解決し、選考突破に向けた履歴書を完成させることができるでしょう。
1.『履歴書の趣味・特技』は仕事の経歴以外で人柄を伝える役割
履歴書は、住所や連絡先など入社後に必要な人事情報を記載するための書類です。
趣味・特技欄が無くても問題ありませんが、趣味・特技欄を通じて、経歴だけでは分からないあなたの魅力を伝えることができます。
どのような活動を習慣的に行っているのか?どのような分野に興味や知識があるのか?といったことを採用担当者が見ることで、あなたの人柄を評価します。
2.企業の選考過程で『趣味・特技』を見るとき
2-1.面接で話題にされる
面接のアイスブレイク(緊張をほぐすための雑談)として、趣味や特技を話題にされるケースがあります。
転職者にとって、興味のある分野であるため、話しやすく緊張感が和らげるために質問します。この場合は、人物評価をするためではなく、面接官の配慮で趣味・特技に関する質問をする場合が多いです。
2-2.共通の話題や趣味・特技があると、仕事以外の接点がある
応募先企業で働いている社員と共通するスポーツなどが書かれていると、話題になるケースが多いです。
面接官は応募者が入社した後に活躍できるかどうか、今いる社員と上手くやっていけるかという想像をしながら、採否を決定していきます。
共通する趣味があると、他の社員と上手く馴染めるかもしれないと考えますので、人物評価を上げるポイントになります。
企業の採用ページやHPの福利厚生制度やfacebook、社員の課外活動の紹介記事などを参考に調べておくと、相手から聞かれたときに共通する話題作りのネタになりますので、企業研究としても有効です。
2-3.経歴だけでは伝わらないヒューマンスキルをPR
履歴書や職務経歴書だけでは伝わらないあなたの興味のある分野や特技、社交性、好奇心、価値観について、趣味・特技を通じてPRすることができます。
面接官と共通する趣味があれば話が弾みやすく、親近感が持てるポイントになります。
趣味で活動する分野から在籍する社員との価値観が近いかなど、人物評価にもつながります。
3.趣味・特技の書き方は『キーワード + 一言コメント 』
3-1.一言コメントを入れる理由
・興味ある分野とその度合いを見ているから
趣味・特技欄では、「人柄」を理解するために趣味・特技欄を見ています。そのため、「どのような分野」で「どれぐらい活動」しているのかを知りたいと思っています。
例えば趣味欄に「テニス」とだけ記載しても、採用担当者の理解が深まらず、興味がわきにくいです。一言コメントを追加して「テニス 大学時代から始めて、今では地域のクラブに参加して毎週末体を動かしています」、「テニス テニスの試合の観戦が好きでヨーロッパに観光を兼ねて行きます」と記載したほうがあなたの人物像が伝わりやすくなります。
・面接官の印象に残りやすい
趣味・特技欄で書かれたもので、珍しい趣味や特別な実績や技術を持っている人は、記憶や印象に残りやすくなります。
日々何十名と書類選考、面接をこなす採用担当者に、数ある候補者の中でも印象強くPRできることは差別化できるポイントになります。
経歴に自信のない人や社会人経験が浅い人の場合、趣味の活動や特技を持つ分野での自己研鑽する姿勢や取り組みを仕事にも活かせることを自己PRに盛り込むことも有効です。
「サッカー 大学時代はサークルの部長として100名を超える部員を取りまとめていました」などとサッカー経験からリーダーシップやコミュニケーションスキルをPRすることができます。
4.『趣味・特技』の例文20選
趣味・特技となるものの「キーワード」を入れておき、その補足説明として「一言コメント」を入れておくことでぐっと理解が深まります。
「スポーツ・運動系」、「インドア」、「その他」というようにそれぞれの分野のものを選んでおくと良いでしょう。
4-1.スポーツ・運動系でアクティブさをPR
スポーツ・運動系の趣味は、仕事で必要な体力やフットワークの軽さを伝えることができます。そのためにも、キーワードに加えて以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
- どのスポーツをやっているか(興味のある分野をPR)
- どれぐらい運動しているのか(体力やアクティブさをPR)
- どのようなシチュエーションか、だれとやっているか(社交性のPR)
その他、社会人になって始めた人はやり始めたきっかけなどを記載しておくと良いでしょう。
マラソン 健康管理のため平日2回5km程度マラソンしています
マラソンでは「何km程度、どれぐらいの頻度」を入れておくと良いでしょう。その他にはフルマラソン大会に出た人であれば、その経験やタイムなどを記載しておくと良いでしょう。
マラソン関連であれば何kmといったように数字に表すことで伝わりやすくなります。
水泳 健康管理のため平日2回程度朝30分程度泳いでいます
水泳では、「どれぐらいの距離、どれぐらいの時間」活動しているかで、アクティブさが伝わりやすくなります。全身運動しているスポーツのため体力面をPRすることができます。
平日であれば、スポーツジムやクラブなどの通い方などを説明することで、「ライフワークバランスを取れる人」という印象を持たれますので有効です。
ボルダリング 二年前からはじめて、週末体を動かすために続けています
ボルダリングは、社会人になって始める人がおり、興味を持つ人が多いです。体を動かしながらも頭を使う競技として印象が良いスポーツです。
こちらの事例では、始めてからどれぐらい経過しているかを記載し、間接的に継続力のPRしています。
野球 子供と一緒にはじめて、今では少年野球の監督をつとめています
野球は、観戦だけする人や活動する人が別れますので、その旨を記載しておきましょう。野球やサッカーなど団体スポーツの場合は、「どのようなコミュニティでやっているのか、どれぐらいの頻度でやっているのか」を説明書きすることで、社交性をPRすることができます。
こちらの事例以外にも、「前職の同僚とチームを作り、年に2回程度大会に参加しています」など記載することで、同僚など他社員との関係構築スキルをPRすることもできます。
フットサル 2週間に一度、大学時代の友人と汗を流しています
フットサルは、野球同様団体スポーツとして、どのような人と一緒に取り組んでいるかを伝えると人の交流範囲から社交性をPRすることができます。
ジム 健康管理のため週に3回仕事終わりに通っています
ジムに通う人のほとんどが健康管理や肉体づくりの目的で通っています。そのため健康管理や体力維持、リフレッシュなどのジムに通う目的を記載しておくと良いでしょう。
テニス 地域のコミュニティに参加して、月に2回参加しています
テニスは、学生時代から続けている人が多く、テニスを通じて情報交換や交流する人がいます。頻度を記載し、体力やアクティブさをPRしておきましょう。
ゴルフ 年に数回程度、情報交換も兼ねていきます
ゴルフは、老若男女幅広い人が同じようなレベルでやれる数少ないスポーツです。仕事柄ゴルフを始める人も多く、商社や営業職など接待で行く可能性がある企業であれば、記載しておくと良いでしょう。
登山 大学時代のサークルから続けており、年に数回程度旅行を兼ねていきます
登山は、一見PRになりにくいような趣味に当てはまりそうですが、意外に評価されるスポーツになります。
入念な準備と厳しい道のりを乗り越えて山頂を目指すプロセスがビジネスの考え方と似ているという側面があります。障害を乗り越えながらもゴールを目指す姿勢が、仕事に通ずる部分があります。
4-2.インドアでも好印象!
スポーツをしていなくても、インドアのものが趣味として好印象を持たれるものがいくつかあります。何かしらに凝っているものがあれば十分趣味といえるものです。
料理 休日は必ず自炊します
一人暮らし男性であれば、料理をすることは意外性があります。
全ての人に共通しますが、インド料理やスペイン料理など一風変わった料理に凝っているだけでも、十分趣味としてPRできます。
幅広い分野に興味を持つ好奇心や情報収集する過程など、PRできる要素があります。
音楽鑑賞 クラシック、ジャズが好きで毎年数回コンサートにいきます
音楽鑑賞は、「どのようなジャンルが好きか」ということを記載しておきましょう。事例の他に、70年代が好き、レコードで聞くのが好きなど嗜好を書いておくと分かりやすくなります。
掃除 掃除アイテムにこだわりはじめてから、毎日日課となっています
掃除は、一見PRに繋がらないものですが、掃除が好きやしっかりやれる人はマネな印象を持ちます。事務職や秘書など性格ががさつでは、向かないような職種には有効です。
コーヒー コーヒー豆に合わせて器具とコップを変えて愉しんでいます
コーヒーをはじめ、紅茶など飲料系に凝っている人も嗜好を伝えることで人柄が伝わりやすくなります。
コーヒーが好きで、カフェ巡りを記載することも良いでしょう。「23区内の駅であれば駅ごとにおすすめのカフェを紹介できます」などと印象に残るようにPRにつなげることも差別化できるでしょう。
読書 勉強のため毎月5冊程度、ビジネス、小説など幅広く読むように心がけています
読書を記載する時は読む「本のジャンル」を記載しておきましょう。面接で興味を持たれた場合は「最近読んだ本は?」「一番影響を受けた著者は?」などあらゆる方面から質問をされる場合がありますので、回答できるように準備しておきましょう。
フラダンス スクールに通い、年に数回発表会に参加しています
フラダンスなどダンス系は「どこでやっているか」「ジャンル」を記載しておきましょう。またダンスを始めたきっかけなどを記載しても、人柄が伝わりやすくなるポイントです。
フラダンスであれば、「フラダンスはハワイの〇〇が起源で、〇〇のような魅力にひかれて始めました」などと書いておいても良いでしょう。
4-3.その他 ユニークさ、好奇心旺盛さ、人柄をPR
スポーツ系やインドア系以外にも、趣味として書いておいて印象が良いものをご紹介します。
旅行 特に海外旅行が好きで、これまで10か国に行きました
国内・海外旅行など好きな国や地域を伝えることで、簡単な語学力を伝えるだけでなく興味を持っているジャンルが伝わりやすくなります。
海外旅行も毎年行っている、何十か国も行っている程でなくても、数か国程度でも問題ありません。
写真 10年前に購入した一眼レフを今でも愛用しています
写真は、アピールできる要素がいくつかあります。事例のようにカメラを大事にすることで几帳面さや実直さが伝わるPRができます。
また、スマートフォンやデジカメであったとしてもPCの編集するスキルをPRすることも可能です。また撮る相手が子供や家族の場合は、家庭内のバランスや子煩悩さを伝えることができ、人柄をPRすることができます。
ドライブ 半年に一回程度、妻と小旅行に行きます
ドライブは、「どれぐらい行くか」、「どこまで行くか」、「誰と行くか」などシチュエーションが分かる項目を入れておきましょう。
「ひとっ走り気分転換に~~」というような記載をしてしまうと、飛ばし屋のイメージを持たれてマイナスの印象になりがちですので控えておきましょう。
ペット 毎日朝犬の散歩をかかさず行っています
犬や猫などペットを飼うことを伝える場合、「ペットの種類」「ペットと一緒にすること」を記載しておく理解が深まります。
事例の他に「毎週末ドックランに行きます」などでも良いでしょう。
お城巡り 歴史の勉強とスナップショットを撮りに散策します
お城巡りや歴史的な名所巡りなど趣味として書いても問題ありません。好きな時代やスポットがあれば書いておいても良いでしょう。
しかしパワースポットなどスピリチュアルなものは控えておきましょう。
5.実は効果的ではないかもしれない『趣味・特技』
面接官によっては、評価されずマイナスの印象につながってしまうものがあります。
- スポーツ観戦
- 映画鑑賞
- ゲーム・アニメ・漫画
これらは、好みが分かれる分野であるため記載は控えておきましょう。
スポーツなどあなたが好きなチームのライバルチームを好きな採用担当者だった場合、何とも言えない会話のぎくしゃくさがあります。
映画も同様にアクションの好き嫌い、サスペンスの好き嫌いなど分かれるところです。
好みの分かれるものについては、相手の共感を得られなければいけませんので、少しリスクのある分野と言えるでしょう。
スポーツ観戦を記載する場合は、好きなチームを言及せず、「試合会場やテレビで見るのが好き」という程度にしておくと良いでしょう。
6.書いてはいけない『趣味・特技』
書いてはいけないものに共通して言えることは、犯罪やギャンブルを感じさせることと、虚偽の記載をすることです。
課外活動のため、個人の自由ですが発想や考え方が仕事に影響しないかと懸念されてしまうようなものは控えておきましょう。代表的な事例を5つご紹介します
ギャンブル
パチンコ、スロット、麻雀、競馬、ポーカーなど、ギャンブルのイメージが強いものは控えておきましょう。一般的にギャンブル要素の強いものは、「抑制が効かない」、「危険を顧みず賭けに出る」などの印象を持たれてしまい、仕事でも同じような思考にならないかと考えてしまうからです。
犯罪を連想させるもの
ナイフの収集などの犯罪で使用されるケースの多いものや、成年男性であれば10代のアイドル活動など犯罪ニュースの報道などを連想させるようなものは控えておきましょう。
政治・宗教活動
政治への関心程度を伝えるならば問題ありません。しかし支持政党や政権への考え方など政治志向を伝えることは控えておきましょう。
また、宗教活動など宗教の自由が認められていますが、仕事に持ち込むことは認められていません。従業員への勧誘を行いトラブルにならないかなど懸念されてしまい、悪い印象に繋がってしまいます。
ほぼやっていないこと・嘘の記載
これと言って趣味・特技が見当たらず、適当に書いてしまい、面接で質問されても詳しく説明できないのは良くありません。
趣味・特技に書いたものに詳しくなければ、これまで経験した仕事に関してあまり知識がないのではというように懸念されてしまうからです。
空欄・特になし
意外に多いのが「特になし」という記載です。
凝っている趣味が無いことは問題ありませんが、項目を定めている場合は、何かしらに関心のあることを記載しておきましょう。
記載がない場合は、「仕事以外に関心を持つものが無いのか?」「好奇心をあまり持たない人なのでは?」「人として広がりが無いのでは?」などとネガティブな印象を持たれてしまうかもしれません。
趣味や特技が無い場合は、履歴書に「趣味・特技欄」が無いフォーマットを利用しておくと良いでしょう。
面接で聞かれた場合では、「以前は〇〇をやっていましたが、最近では趣味と言えるほどはやっておりません」というように回答しておくと最低限の評価を得られるでしょう。
7.まとめ
履歴書の「趣味・特技欄」はあなたの人物をもっとよく理解してもらうための項目です。面接官は仕事の経歴やスキルだけでなく、入社した後に活躍する姿を想像して、今いる従業員と上手くやっていけるのか?ということを非常に良く考えます。
その時に共通する趣味を持っている人や話題性がある人、色々な分野で活動している人は社交性がある印象を持ちます。
「趣味・特技欄」を有効活用することで、あなたの人物面の評価をしてくれるきっかけになります。
そのためにも「キーワードと一言コメント」を添えておくと採用担当者の興味を引きやすくなりますので、記載しておきましょう。
その他履歴書の書き方や職務経歴書の書き方に不安のある人は転職エージェントの『経歴書の添削サービス』を利用することをおすすめしています。
履歴書や職務経歴書のビジネスマナーなど基本的なところからアドバイスしてくれます。
初めての転職など一からサポートしてくれる丁寧なエージェントとして『パソナキャリア』を利用するのが良いでしょう。
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こちらの記事が皆様の履歴書の作成にお役に立てば幸いです。