仕事なのに自腹で払っている経験はないでしょうか?
職場の飲み会、レジ銭、備品購入など仕事の一環なのに自己負担でどうなの?と疑問に思ったり、不満に感じてはいないでしょうか。
自腹が多い業界・職種で代表されるのは、
・美容師
・飲食業界
・営業
・小売り
に多く、自腹を切って自分で備品類を準備したり、穴埋め補てんしているのではないでしょうか。
美容師ならば仕事で使うシザーは自腹なんて当たり前ですし、飲食店であればレジ金がズレたら自分たちで穴埋めするのは日常茶飯事です。
仕事なのに自腹で払うのは腑に落ちないですよね。
こちらのページでは、自腹を切るような事例や関連する法律、自腹を強要する会社の特徴、対処法についてご紹介します。
1.自腹で払われているものとは?
特定の業界や仕事についている人であれば経験があるであろう「自腹の事例」についてご紹介します。
業務上、会社に損害を与えたときの補てん
・注文ミス、誤発注
工場や備品発注担当が注文の品物を間違えたり、個数を打ち間違えたりして、返品不可能でどうしようもない状態で、やむなく自腹で払うことがあります。
担当者の責任に押し付けて、会社から対応を迫られて、対応せざるを得ない人も多く、人によっては数万単位で自腹を切ることもあります。
・レジの現金残高不足、小口現金の誤差
レジ締めの残高が合わないと、その差額を自腹で補充するケースです。レジ締めを経験している人ならば一度はあるのではないでしょうか。大体レジのお金が合わないときは、現金が足りないことばかりです。
お札が足りないとなると、数千円にも上ります。
その日の稼ぎのほとんどを、補充のために使ってしまうこともあると、ばかばかしくなりますよね。
店舗の現場で働く人ならば、普通のことで本社や偉い人は、全然知らないので何も問題になりません。少しなら自腹を切って面倒を避けようとしてしまいますが、塵も積もれば山となりますので、バカになりません。
2-2.業務で使用する文房具、備品、工具類を自分で用意する
これは新しく入社したときに驚く人は多いでしょう。
スケジュール手帳やメモのための文房具であれば分かりますが、ホワイトボードのマーカー、パソコンのマウス、仕事で着用する制服など自腹を切るのは腑に落ちないと思います。
このあたりの備品準備は会社によって全然違います。
疑問に思って周りに聞いてみても、
「みんな自分で準備してるから」、と一蹴されて終わりだと思います。
ボールペン程度であれば、私生活でも使えるので我慢できますが、制服などその会社でしか使えないようなものは、損した気分になりますよね。
2-3.業務外のイベント
業務時間外のイベントが一番頻度が高く、出費が大きいです。
- 職場の飲み会、イベント
- 勉強会、講習、試験代
- 接待
部下として参加しなければいけないような雰囲気があると、しぶしぶ参加して、数千円払うという経験はあるのではないでしょうか。
仕事では分からなかった周りの人の人間性が分かったり、普段話せないような会話できて親睦を深められれば良いですが、ただの愚痴ばかりで終わって飲み会など生産性もなにもありません。
また、美容師業界に多いですが、仕事に関係する勉強会や研修を休日に行かされたり、自腹で払うことは普通です。
スキルアップ研修が整っているIT業界などからすると、あり得ないと感じるかもしれません。教育投資の負担については業界によってバラバラです。スキルアップを支援してくれるような業界にいけば、負担にならずに自己研鑽できます。
2-4.ノルマ達成のための補てん
コンビニなどの小売り、企業の営業担当はノルマ・予算達成のために不足分を自腹で払うことがあります。
売れればいいのでしょうが、現実はそうはいきません。恵方巻、ワイン、ケーキなど季節ごとに販売される商品は確実に自腹になっているようです。
2-5.競合他社のリサーチや研究のためにお店にいく・買う
飲食業界、美容業界など本来自分の店で済ませられるところを、リサーチとして、話題になっている店や新規オープンしたお店にお客としていくことがあります。
本来会社は研究開発費として経費計上することができますが、ほとんどの場合自腹で払います。
2-6.労災隠しのための通院費
仕事中に事故でケガをしたにも関わらず、労災保険を使わせてもらえず、自腹で治療することが実は非常に多いです。
労災として処理すると、労働基準監督署に事故報告や是正報告の提出が求められるので、手続きが面倒で、労災認定をもみ消す会社が多いです。
2.自腹に関わる法律とは?
「まず始めに、会社で必要な備品類は会社が負担しなければいけない」という法律はありません。
ただ立場の性質上、会社の指示命令のもと業務を行うのであれば、業務に必要な物は会社が用意すべきと解釈されています。
働く社員は労働法のもと、労働契約に則り業務を履行すしますが、仕事はするけれど、必要物品まで準備することまで責任を負うことないと考えられています。
また、仕事でミスをしてしまい、会社に損害を与えてしまったとしても、会社が社員に自腹を切って損害賠償を求めるようなことができませんし、違法です。
自腹で払ってまでミスの穴埋めのための補てんは全く必要のないことなのです。
しかし、悪意や故意で損害を与えた場合は別です。むしゃくしゃしてつい、器物損害したりスピード違反したりするような場合は自己負担となってもおかしくないでしょう。
レジのつり銭の取り扱いを間違えたからと言って、誰でも起こりうるようなものは自腹で補てんする必要はありません。
3.備品類を経費にするかは、会社次第
仕事に関連するものは全て会社の経費として処理できます。といいますか普通処理します。
しかし、経費にするかどうかは会社の判断次第です。
社員に自腹で払わせずに、働く環境を整えて、スキルアップのために会社で負担するところがたくさんあります。
会社によっては、
- 一人暮らしの人は賃料の50%を補助
- ランチ全額無料
- 仕事に関係する書籍やセミナー費用は全額負担
- 希望のスペックのパソコンや最新のスマホを支給
- ドリンク無料
- 語学レッスン、オンライン英会話、1on1レッスン無料
- ベビーシッターの補助
- 自転車通勤者 通勤手当2万円支給
などあらゆる福利厚生が整っています。
「もらっている給料の中から自腹で払う」一方で、
「給料に更にプラスになるような福利厚生がある」会社が増えてきています。
福利厚生が充実しているのは大手企業だけ、というのは過去の話でこちらで紹介したのはメルカリなど設立して10年以内の3社福利厚生の事例です。
4.自腹を強要してくる会社はブラック企業
自腹で払わなければいけないような仕組みや雰囲気がある会社は、ブラック企業と言えるでしょう。自腹で払うように強要される上司も自腹を払って仕事をしてきているのでしょう。
自腹を断ってしまったら、どんな嫌がらせがあるか分かりませんし、このような社風や業界の慣習は簡単に変えることはできません。
自腹で払わなければいけないような場面がある職場は総じて労働環境は劣悪です。
サービス残業が多い、給料が安い、人手が足りない、管理者が現場を見てくれないなどの問題を抱えていることが多いです。
自分のお金でもないのに払えと強要する上司は、自分の都合ばかり考えていてかなり悪質です。
5.自腹で払ってばかりいたら、貯金がいつまでも貯まらない
毎回毎回自腹で払っていたら、出費がかさんでいつまでたっても貯金がたまりません。
職場の飲み会など毎週いっていたら年間10万円は超えるでしょう。自腹で払っていなければ、その分がそのまま貯金になっています。
今後も自腹で払うような場面があるでしょうから、いつまでたっても出費が抑えられません。レジ金の誤差などどうしても起こってしまいますので、レジ担当でいる限り損です。
6.自腹がないホワイト企業に転職すべき
自腹で払わなければいけないような会社の特徴は、
- 自腹を払う風土がまん延している
- 給料が安い、福利厚生が整っていない
- 会社が儲かっていない
が挙げられます。
仮に今の仕事が、職場の人間関係が良い、家から近い、やりたい仕事だったとしても、自腹で払っている限り損していることには変わりがありませんし、長くいればいる程、金額は大きくなります。
数年経ったら100万近く自腹を払っているなんてことにもなりかねません。
自腹を切ることに疑問を持っていて断りたいと思っている人は、労働基準監督署などに相談してみるのも手ですが、それを会社に相談しても、聞いてくれませんし、
「みんなやっていることだから」
と相手にしてくれないでしょう。
自腹で払わなければいけないような会社で働き続ける必要はなく、ホワイト企業に移ってしまった方が良いです。
自腹を払わなくていいだけでなく、職場環境も良いですし働きやすいと実感できるのではないでしょうか。
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7.まとめ
上司や周りの人、前任者が自腹を切っているのをみると普通のことかと思ってしまうかもしれませんが、仕事で自腹を切ることは普通のことではありません。
自腹を切っていることは、あなたが損していること以外に何ものでもありませんので、すぐに止めるべきです。
貯金もたまりませんし、疑問に思って払い続けているとストレスが溜まっていきますので精神的にも良くありません。
自腹を払うような会社に居続けても将来に希望が持てるようになることはありませんので、転職してしまった方が良いです。
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