経理の転職面接で聞かれる質問とは?選考が通らない時の対処法まとめ

・面接に通らない...

・経理職として年収を上げたいが、面接が上手くいかない...

・面接で何を聞かれるのか知りたい...

 

などと、経理職の面接対策についてお困りではありませんでしょうか?

こちらでは、経理の転職面接で聞かれる質問事例と選考が通らない時の対処法についてご紹介します。

過去に転職エージェントとして経理について未経験採用から課長までのポジションまで転職支援してきた経験があります。現在では、企業の管理部門長として経理の採用を行っていますが、経理の面接においてみるポイントは大きく分けて3つのポイントがあります。

※もちろん応募者の経歴やポジションによって違いがありますが、「経理職」として必ず見ている点について紹介していきます。

会社によって聞き方や切り口が違いがあると思いますが、評価する視点は大きく変わらないかと思いますので、転職活動の参考なれば幸いです。

 

1.経理の面接で見ているポイント

面接の前に視るべきポイント

経理の転職では「応募前」と「面接前」に必ず熟読しておく項目は次の2つです。

求人票の業務内容
必要な経験・スキル

同じ経理でも業界や会社、採用ポジションによって採用要件が違いますので必ず目を通しておくべき内容です。特に「必要な経験・スキル」について、自分が関連業務の経験とスキルを持ち合わせていることを伝えることが採用されるための必要条件です。

求人票の業務内容については、経理部の業務内容を幅広く書いておいて、入社後に担当してもらう業務の「全部またはその一部」が書かれています。この項目は、業務内容の説明であり、入社後に任せていきたい業務範囲だと認識しておくと良いです。

この2点の的を外してしまうとほぼ例外なく不採用になりますので、応募する会社ごとに必ずチェックしましょう。

 

経理の面接で見ているポイント3つ

経理の選考においては、大きく分けて3つのポイントから合否を判断しています。

(1)業務に必要な知識・スキルがあるかどうか

中途採用の場合は、「業務に必要な知識・スキルがあるかどうか」をまず判断します。採用要件が業務経験を必須となっている場合は、このフィルタを突破しなければなりません。

職務経歴書には必要な経験・スキルの内容に対応して、関連した業務経験を書いておくと、書類選考の通過率が上がるだけでなく、面接で聞かれる材料になりますので話も早くなります。

 

(2)会社の社風、今の部署の人と上手くやっていけるかどうか

2つ目のポイントは、「会社の社風と合うか、今のメンバーと上手くやっていけるかどうか」です。

これは、(1)のスキルチェックの評価と同じぐらい合否に関わる項目です。業務経験豊富なスキラーであっても不採用になるのは、この理由です。最近では「カルチャー重視」の採用も増えてきています。もう少し加えるとすると、経理職に求める人間性や誠実さ、実直さ、協調性などの要素も含まれます。

経理という立場上、他の部署との連携や経営陣とコミュニケーションを取ることがありますので、円滑に仕事を進めていけるかどうかは部署機能に関わりますので、とても重視されます。

ここは面接官の評価軸によって左右される部分もありますので、複数回の面談を重ね、多方面から評価されます。

会社の社風については、事前に採用ページや現役社員のインタビューページ、経営者の発言、口コミサイトに書かれる社風などに目を通しておくと、想像しやすくなります。

 

(3)経理としてのキャリア観

最後のポイントは「経理としてのキャリア観」です。

これは「会社と面接官が入社後の経理職としてのあなたに求めるもの」と「あなたの経理職のキャリアの志向性」とのマッチ度です。

「会社と面接官が入社後の経理職としてのあなたに求めるもの」とは、具体的には会社のキャリアパスや異動ローテーション、入社後のあなたに求めている役割を指します。この評価軸はやや中長期的な視点になります。

それに対して、応募者であるあなたのキャリア観が「スペシャリスト志向なのか、ゼネラリスト志向なのか」、「経理という仕事をどのように捉えているのか」など、常日頃の業務から培ってきた仕事観やキャリア観とのズレがないかどうかです。

これは、仕事への取組み方ややりがいなど、色々な角度からの質問をしていきながら評価していきます。

 

2.経理の面接で質問される項目とは?

質問1.スキルチェックのための質問

月次、四半期、年次決算の経験はありますか?
財務諸表の作成経験はありますか?
連結決算の業務経験はありますか?担当した業務は何ですか?
GAAPに関する知識はありますか?業務経験はありますか?
会計ソフトは何を使用していましたか?
エクセルで使用頻度が高い関数を教えてください

経理の面接では「スキルチェック」に関する項目を最も重点的に確認していきます。基本的には職務経歴書に書かれている内容を中心にヒアリングを受けますが、経歴に書かれていないものについては、口頭で深堀りしながら確認します。

業界とポジションからある程度スキルレベルが想像できますので経験した業界や事業規模から始まり「部署構成」「担当した業務内容および担当範囲」「責任範囲」をチェックします。

その後経歴をヒアリングする中で、担当している業務や関連知識について「どれぐらい理解しているか?」をチェックしていきます。

「連結決算で注意すべきポイントは何だと思いますか?」などとオープンに質問を投げかけて、業務経験から得た知見や業務の目的の理解度を評価します。

その他には、オフィスや会計ソフトの業務経験なども簡単に確認します。

 

質問2.興味・関心について確認する質問

これまで最も苦労した・辛かった経験は何ですか?それをどのように乗り越えましたか?
今自身で勉強していることはありますか?
一番得意な領域は何ですか?
何故、経理職で転職をしようと考えているのですか?
経理に求められるものは何だと思いますか?

経理職としてのキャリア観を見る質問が多く、日ごろの業務姿勢や考え方を色々な角度から質問していきます。その場しのぎの回答はすぐに見破られます。常日頃から日常業務として取り組んでいるかどうか業務姿勢の評価へと繋がります。

会計基準や法改正などの関連情報について「情報の取り方」や「継続学習する姿勢があるか」どうかや、会社組織の中で経理のポジションを俯瞰して見ることができているか、相手のことを考えて仕事ができているかなど、あらゆる質問を投げかけていきます。

また、「何故転職するのか?」「今の会社ではダメなのか?」「何故この会社でなければいけないのか」といった基本的な質問も多いです。

ここは転職者のキャリア観の深層心理にも繋がる内容なので、これまでの経理としてのキャリア観と転職をする目的が合っているかなども聞かれます。

 

質問3.その他

マネジメント経験はありますか?
監査法人の対応経験はありますか?
IPOに関わる経験はありますか?
IR対応に関わる経験はありますか?
経営陣とのコミュニケーションを取った経験はありますか?

この項目は、求人企業によって、評価軸が違います。

マネジメント経験やIPO対応などそれぞれの状況で、「あなたの役割は何か?」「求められたミッションは何だったか?」など詳細にヒアリングします。

面接官は「入社した後に同じように活躍できるのか?」「どのような仕事を任せられそうか?」といように具体的にイメージしています。業務経験やその時のエピソードなどあなたの自分の言葉で話せると、説得力が増して評価に繋がります。

 

質問4.逆質問・筆記テスト

何か質問はありますか?
筆記テスト、実技テスト(5~10分程度)

面接の後半では、逆質問を促すことがあります。目的は応募者の理解を深めてもらうためだけでなく、質問内容から転職者の理解度や論理的思考能力、知識レベルを評価する役割もあります。

疑問不明点が無ければ、無理に質問する必要はありません。

質問しなければ不安だという人は「入社後に私に求める役割はなんですか?」などと聞くことで実践的な印象を持ってもらいやすくなりますし、業務の理解度も高まりますので、おすすめです。

 

3.〇〇次面接なのかによって質問が変わる

選考 役職 ビジネスマナー コミュニケーション 経験
スキル
ビジョン
志望度
自社との相性
書類 人事
1次 人事
1~2次 現場担当
2~最終 部長・社長

選考フェーズと面接官によって評価軸が変わり、必然的に質問の内容も変わっていきます。

人事担当や経理部門長、現場担当が面接する場合は、必然的にスキルチェックが中心になります。

選考フェーズが進み、社長や役員面接になると、ビジョンのマッチ度や転職の志望度、転職の覚悟などカルチャーマッチを大事にしていきます。

 

4.経理の面接に落ち続けている人がやるべきこと3つ

経理の転職で不採用になる理由は、「経験・スキル不足」「あなたより良い人材が見つかった」「カルチャーに合わなそう」「年収が合わない」という理由がほとんどです。

不採用理由の結果から、転職活動の方法の見直しをしながら転職活動を進めていくことで、効率的に進めることができます。

① 応募する企業を見直す

選考に通らないと感じている人は、求人企業の採用要件に合っていないかもしれません。

「カルチャーに合わなそう」「経験・スキル不足」などの理由の場合は、応募する企業の条件の見直しをかけてみることです。

例えば、ベンチャー企業の採用担当が求める要素は「こうしたいというアクティブな姿勢」「必要とあれば経理以外の仕事もいとわない」「こうすればできるという提案・投げかけ」のような業務姿勢と言われています。スタートアップやベンチャーへ転職する人が多いですが、「仕事は受け身姿勢でダメ」「残業できない」「経理以外の仕事はやりたくない」ということから不採用になることが、実際あります。

大手企業の場合は、どちらかと言えば、得意な領域・専門性があると評価される傾向にありますので、会社によって求める採用要件が異なりますので、見直してみると良いです。

また、経験年数やスキルに対応した給与テーブルがある会社の場合、希望年収に合致しないこともあります。求人票に書かれている年収レンジを鵜呑みにせず、キャリコネなどの口コミサイトの実績年収も参考程度にみておくと良いです。

 

② 職務経歴書を応募企業ごとに作成する

「経験・スキル不足」「年収が合わない」という場合は、職務経歴書を使いまわしせずに、必要な経験・スキル、求める人物像に合わせて、職務経歴書を作ると選考通過率が改善します。

極端な話になりますが、経験者採用の場合は、求人票に書かれている業務内容と必要な経験・スキルに書かれている内容以外は、職務経歴書には書かなくても良いぐらいです。採用担当が注目してほしい個所が見えにくくなりますし、実際はほとんど評価に繋がっていません。

 

③ 転職エージェントを使う

「年収アップの内定がもらえない」「面接が上手くいかない」という人は転職エージェントを使って転職する方法がおすすめです。

転職エージェントは求人企業から人材確保の依頼を受けて、求人活動を行っており、転職活動において様々な支援をしてくれます。

転職エージェントのサービスは下記です。

非公開求人を紹介してくれる
履歴書・職務経歴書の添削をしてくれる
模擬面接を行ってくれる
過去の選考情報、採用された人の傾向を教えてくれる
面接で想定される質問集を配布してくれる
年収交渉を代行してくれる

これらのサービスを全て無料で利用できます。

経理の求人は人気があるので、非公開扱いにする会社が多く、有名企業や転職市場で人気の会社であればほとんどが転職エージェント経由で採用します。非公開求人を紹介してもらうだけでも、他の転職者より優位になります。

もちろん求人を紹介してもらうだけでなく、面接対策に必要なサポートも充実しており、面接に慣れていないという人は本番さながらの「模擬面接」で訓練してくれます。

選考が進むと、過去の面接事例や質問、採用された人の傾向について教えてくれますので、選考対策ができるので、面接の通過率が上がります。

 

5.経理の転職でおすすめの転職エージェント3選

おすすめ度 

【公式サイト】https://www.pasonacareer.jp/

パソナキャリア』は、大手転職エージェントの中でも、丁寧なキャリアコンサルティングが評判で、幅広い相談を受け付けており、初めての転職活動を行う方におすすめです。

面談に訪問したときに全員に配布される『転職必勝ガイド』がおすすめです。職務経歴書の書き方や、面接質問集など転職活動の全体を理解するうえで非常に評判の良いものです。このためだけに面談するのも充分価値があります。

また、パソナキャリアは女性に転職に強いことも特徴です。女性のキャリアならではの悩みにも親身に対応してくれる、と評判が良いです。

経理としてのキャリアについて、経理職を志望するきっかけになったきっかけや現在抱えている悩みや今回の転職で叶えたい希望条件など、丁寧にヒアリングしてくれる面談で、しっかりと方向性を共有します。

ほぼすべての都道府県に面談拠点を持っているためサポートが手厚く、これから転職活動を考えている人にはおすすめです。

公式サイトで登録〔無料〕

MS-Japan(職種特化型エージェント)

おすすめ度 

【公式サイト】https://www.jmsc.co.jp/

MS-Japan』は、管理部門に特化した転職エージェントです。業界内でトップクラスの求人を保有しています。「上場企業」「ベンチャー」「未経験可求人」など幅広く求人を提案してくれます。

経理、財務、人事、法務、財務など専門領域ごとにコンサルタントが配置されていて、担当するコンサルタントは業務の理解度が高いので、安心感があります。

管理部門に特化しているので、企業選考のノウハウが豊富です。面接前には事前に知っておくべき情報をメールで送ってくれるのでサポート体制も申し分ありません。

資格を取りたての方のキャリアパスの相談や50代以上のシニアクラス、管理職など幅広い転職の支援を行っており、経理職の幅広い階層の転職の相談に対応しています。個別面談にもすぐに対応してくれるので経理職で転職を検討している人はまず登録すべき転職エージェントです。

会社名 株式会社MS-Japan
求人数 公開求人件数 1,567件(非公開求人件数 非公開)
オフィス 飯田橋、横浜、名古屋、大阪

 

リクルートエージェント

おすすめ度 

【公式サイト】https://www.r-agent.com/

リクルートエージェント』は、求人件数、転職決定数など業界No1の転職エージェントです。

ほぼすべての業界に対応しており、総合型転職エージェントです。こちらは他のエージェントと比較しても圧倒的な数の求人件数を保有しています。メディア運営、企業への高い営業力とコネクションにより、業界最大手に位置しています。

登録と同時に大手企業からベンチャーまで数十件紹介してくれます。興味のある分野を指定すれば、深堀りして追加の求人を提案してくれるので、求人リサーチに最適です。

選考に進むと『AGENT Report』と呼ばれるレポートで採用企業ごとに業界分析や過去の面接事例、質問内容などをまとめた資料を求人票と合わせて送ってくれるので選考対策に十分な情報を提供してくれます。

選考対策に関する情報を見ておくと、企業の求める人物像をより深く理解できるようになりますので、参考になる情報を提供してくれるエージェントです。

会社名 株式会社リクルートエージェント
求人数 公開求人件数 1,154件(非公開求人件数3,339件)
オフィス 丸の内、札幌、仙台、宇都宮、さいたま、千葉、立川、横浜、静岡、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島、福岡

 

6.転職エージェントのサービスの流れ

①登録する

PCやスマートフォンで2分~5分程度で登録が可能です。

名前、住所、年齢、電話番号、メールアドレス、会社名、経験内容など決められた項目に沿って入力していきます。

②連絡がくる

登録が完了すると転職エージェント担当者から電話もしくはメールで面談日時の連絡がきます。

面談の場所はエージェントのオフィスで行います。現在働かれている方は勤務の後の19時以降や土日など面談可能な候補日をいくつか準備しておくと良いです。

③個別面談に行く

面談は電話、もしくは対面で行います。

その時に、履歴書と職務経歴書を持参します。事前にメールなどでデータを送っておけば不要です。面談時には、経験のヒアリングや転職理由、次の仕事の希望条件を確認されます。

④求人紹介を受ける

面談で聞き取りが終わると、面談の最中もしくは終了後に求人を紹介してもらえます。2~20件程度紹介してくれる場合が多いです。

気になる所について、転職エージェントでも分からなければ、担当者経由で求人企業へ確認してくれますので、十分理解した上で応募意思を固めることができます。

⑤職務経歴書の添削

こちらは必要に応じて行います。修正すべき個所を教えてくれます。提出する書類に不安のある人はぜひアドバイスを受けるようにしましょう。

⑥応募する

企業への応募は転職エージェント経由で応募します。

その場合、応募書類はエージェントとの面談時に提出した書類を企業に提出するため、応募時には改めて書類を作成する必要はありません。応募の都度、写真の準備や経歴書を準備するのは大変ですので非常に助かるサービスです。

これまで転職サイトなどを利用していた時と比べると選考通過確率は上がると思います。

⑦面接対策

企業の書類選考が通過し、面接が決定した場合、事前に面接に向けて準備しておくべきポイントを教えてくれます。過去の面接事例や質問、採用される人の傾向、知っておくべき業界知識やニューストピックなどです。

⑧採用企業との面接

面接の結果は転職エージェント経由で連絡がきます。

面接で上手く説明できなかった、PR出来なかった場合には転職エージェントから追加であなたの魅力を採用企業へプッシュしてもらうことが出来ます。

⑨内定、給与交渉

希望を伝えにくいような希望年収に関する交渉や、入社日の調整など入社までの調整もすべて転職エージェントが行ってくれます。

 

7.まとめ

経理の転職面接では、会社ごとに「スキルチェック」と「カルチャーフィットするかどうか」のポイントが違いますので、質問内容も異なります。

このあたりは面接現場でその場で考えはじめても、その場の緊張感もあるので自分の思うように話すことはとても難しいです。

「面接が上手くいかない、、」「落ちる理由が分からない、、」と感じている人は、転職エージェントのサポートを使うと良いです。選考対策に必要な情報をまとめて教えてくれるので、面接に臨むときに心理的にもとても安定します。

それぞれの会社ごとにポジション別の年収レンジも把握しているので、年収NGによる不採用が少ないことと、年収アップ転職もできるようになります。

経理の求人は転職市場に出回らないことが多いので、転職エージェントを上手に活用しながら、転職を成功させていきましょう。

 

こちらの記事が経理の転職を考えるあなたのお役に立てれば幸いです。