・人事の仕事に活かせる資格は?
・転職の武器になるようなキャリアに箔がつく資格は?
・これまでの業務経験を整理するために、資格を勉強しようと思っている
などと、人事職におすすめの資格をお調べではありませんか?
人事としてキャリアアップに繋がる資格について「キャリアに箔がつく・転職に活かせる資格」「実務のスキルアップに役立つ資格」の2つに分けて紹介します。
資格を取っておけば転職活動のときに評価されるだけでなく、会社の中でも異動願いも通りやすいメリットがありますので資格をとって損することはありません。
人事職におすすめの資格を厳選して7つ紹介します。こちらで紹介する資格を複数持っているだけで人事職としての専門性を上げることができるでしょう。
【キャリアに箔がつく・転職に活かせる】資格4選
衛生管理者
おすすめ度
衛星管理者は、労働者の健康障害や労働災害を防止するために、労働安全衛生法で定められた国家資格です。労働者の安全管理、安全衛生教育の実施、健康管理、健康増進の実施などの業務に従事します。
50人以上在籍する事業場に1人以上有資格者を選任させなければいけないので中小企業にニーズがあります。
衛生管理者には第一種と第二種の二つがあり、転職市場においては第一種衛生管理者でなければ評価されにくい傾向にありますので、第一種を取得しておくと良いでしょう。
受験資格
受験資格を証明するために、以下の経験に加え、「卒業証明書」「事業者証明書」が必要になります。
- 大学評価・学位授与機構により学士の学位を授与された者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
- 10年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
- 学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
など
詳しくは、衛生管理(第一種及び第二種)の受験資格をご覧ください
試験内容
マークシート形式。試験時間は3時間。各科目で4割以上、かつ合計6割以上が合格点。
- 第一種「労働生理(10問)」「労働衛生(10問)」「関係法令(17問)」
- 第二種「労働生理(10問)」「労働衛生(10問)」「関係法令(10問)」
公式ホームページ | https://www.exam.or.jp/index.htm |
試験日 | 毎月開催 |
費用 | 6,800円 |
合格率 | 第一種:45~55% 第二種:50~70% |
キャリアコンサルタント
おすすめ度
キャリアコンサルタントは国家資格で、主に転職や就職、キャリアに関するカウンセリングを行う専門職です。2016年に国家資格として認定され注目されている資格です。
こちらの試験の合格し登録した人のみ「キャリアコンサルタント」と名乗ることができます。
認証機関は2つに分かれています。どちらの日本を代表する人材会社よりNPO法人として第三者機関として発足した組織です。
- キャリアコンサルティング協議会(資格名:GCDF):リクルート関連会社より発足
- 日本キャリア開発協会(資格名:JCDA):マンパワー関連会社より発足
どちらで受験しても同じキャリアコンサルタントの国家資格を取得できます。
転職エージェントの担当者が多く取得していますが、企業の人事担当者が取得するケースも増えています。
受験資格
キャリアコンサルタントの受験資格は業務経験によって異なります。実務経験の無い人は通学(10~12日)や通信教育(140H程度)の養成講座を受講する必要があります。
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者(講習カリキュラムは別表に記載)
- 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(5を参照)を有する者
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
自分が養成講座を受講する必要があるのかどうか、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会もしくは特定非営利活動法人日本キャリア開発協会へ直接問い合わせる必要があります。
試験内容
キャリアコンサルタントの試験内容はこちらです。
学科試験(マークシート)・実技試験(論述)1日、実技試験(面接ロールプレイ)1日。
- 職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目
- キャリアコンサルティングの理論に関する科目
- キャリアコンサルティングの実務に関する科目
- キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目
- キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目
公式ホームページ | 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
特定非営利活動法人日本キャリア開発協会 |
試験日 | 年3回 |
費用 | 学科:8,900円(税込)、実技29,900円(税込) |
合格率 | 26~35% |
産業カウンセラー
おすすめ度
産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する心理職の民間資格です。主にメンタルヘルス、キャリア開発、職場における人間関係開発において心理学的手法によりカウンセリングを行うことで自発的な解決を促していきます。
産業カウンセラーは、事業会社や労働現場で働く人へのカウンセリングや研修を通じて、仕事の生産性を上げ、組織作りに貢献する仕事として注目されています。
有資格者は、精神科医や保健師、心理カウンセラーだけでなく企業の人事、キャリアアドバイザー、就職相談員など幅広い分野で活躍しています。
受験資格
産業カウンセラーは、大学院での専門抗講義を修了した者を除き、産業カウンセリング講座を受講する必要があります。
- 成年に達した者で、協会が行う産業カウンセリングの学識及び技能を修得するための講座を修了した者
- 大学院で所定の専攻(過程)を修了且つ所定の単位を取得している者
以下A~G群までの科目において、20単位以上(1科目を2単位以内として10科目以上)の取得が必要です。ただし、D群からG群の科目による取得単位は6単位以内。
◎科目郡について
A群:産業カウンセリング、カウンセリング、臨床心理学、心理療法各論(精神分析・行動療法など)などの科目群
B群:カウンセリング演習 カウンセリング実習などの科目群
C群:人格心理学、心理アセスメント法などの科目群
D群:キャリア・カウンセリング、キャリア概論などの科目群
E群:産業心理学、産業・組織心理学、グループダイナミックス、人間関係論などの科目群
F群:労働法令の科目群
G群:精神医学、精神保健、精神衛生、心身医学、ストレス学、職場のメンタルヘルスなどの科目群
試験内容
概ね6割以上の得点で合格となります。
- 学科試験(マークシート、150分)
- 実技試験(ロールプレイ、口述試験、30分)
公式ホームページ | 一般社団法人日本産業カウンセラー協会 |
試験日 | 毎年1月 |
費用 | ・産業カウンセラー養成講座(e-Learning制):270,000円(税抜き)
・学科試験:10,000円(税抜き)、実技試験:20,000円(税抜き) |
合格率 | 65~70% |
社会保険労務士
おすすめ度
社会保険労務士は、国家資格で、労働・社会保険関連法に関する法律の専門家です。
人事労務管理、社会保険各種手続き・届け出や規定を作成し、労働者の働く環境の整備と維持向上を目指します。
社会保険労務士事務所に勤めて、顧問企業へのコンサルティング、勤務社会保険労務士、人事関連部署でのキャリアアップ、独立など幅広いキャリアの選択肢があり、人気がある資格です。
受験資格
- 大学、短期大学、高等専門学校(5年制)を卒業した者
- 修業年限が2年以上かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間(62単位)以上の専修学校の専門課程を修了した者
- 労働社会保険諸法令の規定に基づいて設立された法人の役員、または従業者として同法令の実施事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
- 社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人又は弁護士若しくは弁護士法人の業務の補助の事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
- 行政書士となる資格を有する者
受験資格は「学歴」、「実務経験」、「厚生労働大臣が認めた国家試験合格」に分かれています。
試験内容
社会保険労務士の試験は以下の通りです。
- マークシート形式。4時間50分
- 選択式8問
- 択一式70問
公式ホームページ | 全国社会保険労務士会連合会
www.sharosi-siken.or.jp/ |
試験日 | 毎年8月第4日曜日 |
費用 | 9,000円(税込) |
合格率 | 6% |
【実務のスキルアップに役立つ】資格5選
こちらで紹介するものは全て国家資格ではありませんので、「この資格をもっていなければ業務に従事できない」ということはありませんし、資格を持っているから転職で有利になるとも限りません。
しかし、普段の業務では身につかない関連法に関する正確な知識が包括的に習得することができます。実務への深い理解により、業務への見方や考え方が変わったり、資格を取ったことにより業務の幅が広がったり、希望する部署への異動もしやすくなります。
ビジネスキャリア検定(人事・人材開発・労務管理)
おすすめ度
ビジネスキャリア検定は、公的資格として企業実務に応用を前提として試験になっており注目を集めています。「人事・人材開発・労務管理」「企業法務・総務」「経理・財務管理」など8つの分野で試験があり、その中でも第1級、2級、3級、BASIC級の4段階に分類されています。
人事職においては、「人事・人材開発・労務管理」で、係長・課長以上のマネジメント層も受験するような実用的な資格です。
受験資格
ビジネスキャリア検定は、受験制限はなく誰でも受験できます。
試験内容
ビジネスキャリア検定の試験内容はこちらです。
- 1級: 論述式 全3問(2時間30分)
- 2級: マークシート方式による5肢択一 全40問(1時間50分)
- 3級: マークシート方式による4肢択一 全40問(1時間50分)
公式ホームページ | 中央職業能力開発協会 |
試験日 | 年1回、10月 |
費用 | 1級:11,000円、2級:7,700円、3級:6,200円、BASIC級:3,300円 |
合格率 | 60%以上 |
メンタルヘルス・マネジメント検定試験
おすすめ度
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、大阪商工会議所が認定する公的資格です。
2015年に企業へメンタルヘルスチェックの義務化が始まり、メンタルヘルスケアの早期発見、職場復帰、再発防止、未然予防などあらゆる対策を企業は求められています。
経営陣だけでなく中間管理職やスタッフクラスまでメンタルヘルスに関する理解が充分に進んでいないことも多く、制度や施策の規定が遅れている状況もあり、重要性が増してきています。
受験資格
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、受験制限はなく誰でも受験できます。
試験内容
メンタルヘルス・マネジメント検定試験は、選択式と論述式があります。
- 選択式(2時間)
- 論述式(1時間)
公式ホームページ | 大阪商工会議所 |
試験日 | 年2回3月、11月 |
費用 | Ⅰ種:11,000円、Ⅱ種:6,600、Ⅲ種:4,400(全て税込み) |
合格率 | Ⅰ種:20%、Ⅱ種:50~75%、Ⅲ種:80% |
個人情報保護士
おすすめ度
個人情報保護士は、個人情報保護法やマイナンバー法、情報セキュリティに関する分野の資格です。「士」とつきますが民間資格です。IT関連、金融業界の大手企業社員も多く受験している資格です。
クレジット会社など一部の会社ではスキルアップの一環で取得させてくれる会社もありますので、そのような教育制度がある会社に応募すると高評価です。
受験資格
個人情報保護士は、受験制限はなく誰でも受験できます。
試験内容
個人情報保護士は、選択式のテストで幅広く出題され、試験時間が長めです。
選択式50問(150分)
- 個人情報保護法の理解
- マイナンバー法の理解
- 脅威と対策
- 組織的・人的セキュリティ
- オフィスセキュリティ
- 情報システムセキュリティ
公式ホームページ | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
試験日 | 年4回 |
費用 | 10,000円(税抜き) |
合格率 | 37%前後 |
マイナンバー実務検定
おすすめ度
マイナンバー実務検定は、マイナンバー制度、マイナンバー法、各種手続きについて理解度チェックの試験です。2015年より施行されたマイナンバー制度について各種手続きについて、深く理解しないまま実務に従事している状況があり、マイナンバー実務検定を通じて、理解を深めようと受講する人が増えてきています。
今後も個人情報に関する取扱いが変わっていくことが予想されますので、改めて知っておくことも大切です。
受験資格
マイナンバー実務検定は、受験制限はなく誰でも受験できます。
試験内容
マイナンバー実務検定は、マークシート方式で行います。
- 総則
- 個人番号
- 特定個人情報の提供の制限等
- 情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供
- 特定個人情報の保護
- 特定個人情報の取扱いに関する監督等
- 法人番号
- 雑則
- 罰則
公式ホームページ | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
試験日 | 年4回(3月、6月、9月、12月) |
費用 | 1級:10,000、2級:8,000円・3級:6,000円(全て税抜き) |
合格率 | 非公開 |
人事総務検定
おすすめ度
人事総務検定は、人事総務部の知識及び実務能力に関する検定試験です。「3級:担当者レベル」「2級/主任レベル」「1級/課長レベル」の3段階に分かれており、職位別に分類されています。
受験資格
人事総務検定は、受験制限はなく誰でも受験できます。
試験内容
①採用、入社、試用期間についての法律知識
②人事異動、休職、復職、退職の法律知識や規定の作成について
③労働時間、休日、休暇について
④給与、賞与、退職金に関する知識
⑤服務規程、懲戒処分に関しての規定
⑥非正規従業員の雇用管理について
⑦職場の安全衛生、メンタルヘルス、ストレスチェック等について
など
公式ホームページ | 一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会
www.jinji-soumu.akibare.ne.jp/ |
試験日 | 年2回(3月、10月) |
費用 | 2級:7,500円・3級:5,000円(全て税込) |
合格率 | 第一種:45~55% 第二種:50~70% |
資格を取る前に考えること
これまで、「キャリアに箔がつく・転職に活かせる資格」「実務のスキルアップに役立つ資格」をご紹介してきましたが、資格勉強を始める前に考えておくべきことについて紹介します。
- 資格を取る目的を明確にする(転職、自己啓発etc)
- 資格を取ることのメリット(仕事での成果、得られる評価etc)
- 受験資格を確認する
- 資格勉強時間の作り方を決める
資格を取るにあたっては、お金だけでなく勉強に費やす時間も必要です。
お金や時間の投資に見合った効果が期待できる資格をとることが望ましいです。勉強期間中の自分自身のモチベーション維持のために、資格を取った後の自分の姿やメリットをイメージしておくと良いです。
勉強が辛くなってきたときに、資格を取ろうと決意したときの初心に戻ることも継続するために大切です。
仕事をしながら資格を取ろうとする人は、業務に支障が出ないように時間を作らなければなりませんので、日々の過ごし方の工夫も事前に考えておくと良いです。
社会保険労務士などは、合格するまでに1年以上かかるものも多いので自分なりに無理のない範囲でペースを作っていきましょう。
最近では、スマホを使いながら通勤時間中に勉強できるツールが出来ており、資格取得学校大手のTACが提供する「オンスク.jp」の利用者が増えています。
通学すると移動時間がかかってしまうので、普段の移動時間を使って効率よく勉強を進めていくことができます。
月980円でいつでもテキスト、講義見放題で音声、テキストがダウンロードできるので便利です。通常の通信・通学すると数十万かかるような資格コースも格安で受けられますので、資格勉強を始めた初期段階の人におすすめです。
→ 月額980円で28講座の資格コンテンツを使い放題|オンスク.jp
まとめ
キャリアの方向性に合った資格をえらび、キャリアアップにつなげていきましょう。
【キャリアに箔がつく・転職に活かせる】資格4選
- 衛生管理者
- キャリアコンサルタント
- 産業カウンセラー
- 社会保険労務士
【実務のスキルアップに役立つ】資格5選
- ビジネスキャリア検定(人事・人材開発・労務管理)
- メンタルヘルス・マネジメント検定試験
- 個人情報保護士
- マイナンバー実務検定
- 人事総務検定
こちらの記事が人事のキャリアアップを目指すあなたのお役に立てれば幸いです。