社会保険労務士の資格を活かせる仕事に「未経験から転職」しようと考えていませんか?
こちらをお読みの方の中には、
・資格を取ったのに書類選考が通らない...
・面接でPRしても、採用担当者に響かない...
・1次面接に合格できない...
などと転職活動が上手く進まず悩んでおりませんでしょうか?
合格率数%の難関資格に受かるために千時間以上勉強し、試験対策されて合格されたのだと思います。ぜひその専門性を活かして知識を役立たせる仕事についていただきたいと思います。
筆者は、これまで企業の勤務社会保険労務士を「未経験」で何名か採用した経験があります。転職エージェントとしても転職支援した経験から「未経験でも転職できた人」と「転職できない人」の違いや特徴をまとめつつ、転職活動のヒントになるような情報をお伝えできればと思います。
未経験でも転職できる人の特徴
まず初めに社会保険労務士の資格があって、人事関連業務未経験でも転職できる人の特徴について紹介します。
企業の採用側が「社会保険労務士の有資格者へ求めていること」の一例だと捉えながら読んでいただけると今後の転職活動に活かせるかもしれませんので参考にしてみてください。
社会保険労務士の資格に関係しない業務も積極的にやろうとする人
求人企業が入社後に期待することは、「社会保険労務士としての専門的な知識を基に労働問題への対処法の提案や助成金など各種手続きを正確に進めてもらいたい」と考えています。
いわゆる社会保険労務士としての主業務です。
しかし、実情として毎日そのような仕事があるわけではありません。そのため人事業務や総務など業務を「兼務する」ことが多いです。事務作業のようなものです。
入社後すぐは自社の事業内容や業務内容、社員それぞれの情報、社風を深く理解してもらうためにも人事や総務などの関連業務に従事していただかなくてはなりません。
このような仕事もとをいとわない人が採用担当者としては採用しやすいです。
逆に「これは自分がやらなくてもいい仕事ですよね?」というスタンスの人は、「プライドが高い人でやりにくいな、、」と評価されていまい不採用になりがちです。
コミュニケーション能力が高い人
社会保険労務士として仕事上、コミュニケーションスキルが求められます。
コミュニケーションスキルとは、問題や課題を把握するための質問力や理解力、分析力、言語化能力、周囲との調整力、状況に応じた対応力です。
社会保険労務士として会社の経営陣や所属先の上司部下、他部署の担当者、産業医、役所担当者、顧問など幅広い属性の人と連携しなければなりません。相手に合わせた話し方や対応が求められますので一定のコミュニケーションスキルが必要となります。
例えば、労働問題を解決していくような場合や社内規定を作成するときはいくつもの部署の担当者と連携しながら仕事を進めていかなければなりませんので、コミュニケーション能力に加えて調整能力も必要になります。
選考においては、前職までに周りの人と「どのように仕事を進めてきたか」、「コミュニケーションを取るうえで工夫してきたこと」をエピソードとして伝えられるとコミュニケーションスキルが伝わりやすいです。
会社側と社員側の両方の目線で話せる人
勤務社会保険労務士という立場には「会社側の視点」と「労働者側の視点」の両方の視点で物事を考えられるバランス感覚をもっている人が評価されます。
どちらか一方に偏りがある人は、客観的に物事を考えられないとマイナスの評価になります。
労働基準法などの関連法は解釈次第で判断が変わりますし、行動も変わりますので会社側と労働者側の両側面から物事を多角的に見たうえでリスクを評価していく必要があります。例えば、
(会社側に対して)シフト勤務にすると過重労働問題が軽減しますが、その代わり社員を増やさなければなりませんので管理コストがかかりますよ。社員の残業代が減りますので、収入が減って生活が苦しくなって退職するかもしれませんよ。
などと、経営側の目線も労働者側の立場も考えられるバランス感覚があると、双方から信頼させるようになっていきます。
転職に落ち続けてしまう人の特徴
未経験で転職活動をしていて、内定を獲得できない人の特徴をまとめました。こちらは採用担当者側が不採用と判断するポイントでもありますので、こちらを注意して転職活動を進めれば選考を突破につながるでしょう。
志望動機があいまいな人
転職活動で基本的な「志望動機があいまい」な人が意外に多いです。言い換えると社会保険労務士の資格を活かせれば、どこの会社でもいいと思われて志望理由が弱いと評価されます。
未経験で転職活動を進めるとほとんどの場合、職種未経験、業界未経験になります。
「なぜこの業界なのか?」
「なぜ競合他社ではなく、この会社なのか?」
「なぜこの仕事を志望しているのか?」
「なぜ今の会社ではなく、転職しなければいけないのか?」
という疑問に全て答えていくと面接官の納得度が高まります。
これまでのキャリアと志望理由に一貫性があることが伝えるとば更に納得度が高まります。
選考段階で資格を全面的にアピールしてしまう人
面接での自己PRで社会保険労務士の資格をアピールしすぎると、逆にマイナス評価になってしまいます。勉強した時期の苦労やエピソード、自己研鑽してきたことを伝えてもあまり評価されません。
転職活動で必要なことは、「入社後に活躍できる人材かどうか」を見られます。入社後にどのような貢献ができそうかどうかを伝えると良いでしょう。
「身につけた知識をもとに柔軟な発想をもって〇〇のような提案を通じて、御社の働く環境をより良くできるように貢献できればと考えています。」というように、資格そのものをPRせず、資格を取得する過程で身についた知識や見識を持って貢献できるように伝える効果的です。
労働者側の目線になりすぎてしまう人
こちらは前章の「会社側と社員側の両方の目線で話せる人」の逆です。
採用側(会社側の人間)が採用しにくい人の特徴として「労働者側の立場に偏りすぎる」ことです。使用者と労働者の関係上、労働者の方が弱い立場になるので法律や規定を持って守られています。
しかし、労働者を守ろうと「この制度はおかしくないですか?こうした方が社員のためになりますよ?」などと制度や規定を作ろうと張り切りすぎると、経営者としては組織の柔軟性や個別の対応が取りにくくなるので煙たがる人が多いです。
あくまで、会社側と労働者側の両方の立場から中立であることが重要です。
面接では「御社と働く社員の皆様に貢献できるように~~」と双方のバランスを取る姿勢を伝えることが大切です。
未経験の人に転職先としておすすめの職種
資格を取りたての方で人事関連業務の経験が無い人にとっては、早く業務経験を積むことが今後のキャリアに大きく影響します。
社会保険労務士として序盤のキャリアにおすすめの仕事を2つご紹介します。
- 社会保険労務士事務所
- 人事・労務担当
社会保険労務士事務所への転職倍率は高く、給料が低めなのがネックですが業務経験をたくさん積めるという点はおすすめです。
しかし、長期的な観点で見ていくと顧客を担当しない限り、事務、雑務が中心になってしまいますので、事務所のその先のキャリアをも想定しておくと良いです。
もう一つおすすめしているのが人事職の「労務担当」です。比較的経験が浅くとも採用されやすいことと、労働問題の対応や安全衛生関連など現場経験を積めることはキャリア上、損はありません。
最初から「勤務社会保険労務士」のポジションにこだわると、採用条件が高いので転職は難しいです。その点、労務担当であればハードルが下がります。
就業規則や各種規定の「運用側」になりますが、ゆくゆくは同じ会社の中の異動で就業規則の改定や制度設計など「作る側」になることも期待できます。
その他に人材会社の営業担当は、労務に関わる仕事ではありますがキャリア的にやや違いますのでおすすめしていません。
社会保険労務士は経験を積むことが重要なので、一番最初のキャリア選びは事務、雑務、現場経験をいとわずチャレンジしていく良いと思います。
現時点のキャリアでどれぐらいの年収が期待できそうか調べておくことも大切です。
『ミイダス』を使うといくつかの質問に答えていくだけで、想定年収が診断できますので把握しておくと良いでしょう。
書類選考に落ち続けている人は転職エージェントがおすすめ
社会保険労務士の資格取りたての方の中には書類選考で20社近く落ち続けている、、という人も珍しくありません。
転職サイトで求人に応募しても書類選考で「応募倍率が高すぎる」「年齢フィルタ、学歴フィルタ、職歴フィルタがある」で見えない採用条件があるので不採用にされてしまいます。
たくさん応募しても書類選考で落ちる可能性が高いだけでなく履歴書や職務経歴書の準備に労力がかかりますし、選考結果が出るまでの時間もロスです。
未経験の方が転職活動を効率的に進めていく方法として転職エージェントの利用をおすすめしています。
転職エージェントは、あなたに合った求人をリサーチしてくれて、応募書類の添削、面接までセッティングしてくれます。
転職エージェントに履歴書と職務経歴書を渡しておけば、エージェント経由で応募する場合には書類を作る手間が省けます。
転職エージェントの良いところは、応募書類に加えて「推薦状」を添付して提案しますので書類では伝わりにくいあなたの魅力をプッシュしてくれて、書類選考の通過率が上がりやすいです。
面接までたどり着くだけでも心理的に安心すると思います。
未経験での転職では管理部門の転職支援実績が豊富な『MS-Japan』にまずは登録しておくと良いです。管理部門領域の転職では業界No1で、事業会社の管理部門、社会保険労務士事務所の求人を紹介してくれます。
『MS-Japan』は非公開求人も多く扱っています。転職サイトに掲載される公開求人では倍率が高くて選考が通りにくいですが、エージェントが扱う求人は非公開なので競争が少ないのもおすすめの理由です。
面接に進むと、過去に採用された人の特徴や面接で質問されるポイントについて事前に教えてくれるので選考対策が充実してくれるので安心感があります。
未経験でも丁寧にサポートしてくれるので、転職エージェントのサポートを受けたほうが効率よく転職活動を進めていくことができるでしょう。
まとめ
社会保険労務士の資格取得直後の業務経験はキャリアに大きく影響します。
あなたに合った求人探しは転職エージェントに任せておきながら、書類の作りこみや面接対策に専念いきましょう。
書類選考を通過した後も、一つひとつの面接対策を万全にしておくためにも、情報収集を進めていきましょう。
入社後は業務経験を積みながら、関係法令の改正や労働市場の動向を絶えずチェックしておくことでスキルがどんどん身についていきます。そうすることで、あなたの社会保険労務士としてのキャリアに磨きがかかっていきます。
最初の転職は厳しい場面があると思いますが、転職エージェントを使い転職を成功させましょう。
こちらの記事が社会保険労務士の資格を活かして働きたいと考えるあなたのお役に立てれば幸いです。