「履歴書の退職でベストな書き方は?」、「派遣が終了したときの書き方は?」
など履歴書の退職の書き方についてお調べではありませんか?
履歴書の退職の書き方によって、自己都合による退職なのか、会社都合なのかによって経歴の印象が大きく変わります。退職の書き方次第で、書類選考の通過率を上げることも可能になります。
こちらのページでは現在人事責任者として年間千名を超える履歴書を選考している経験から、退職の理由ごとにベストな書き方を見本付きで解説していきます。
1.退職と退社の違いとは?
退職 | 退社 |
会社を辞める | 会社を辞める 勤務を終えて、退勤する |
「退職」と「退社」どちらも会社を辞めるという意味になります。「退社」は会社を辞める以外に「勤務を終えて、退勤する」という意味があります。
退社には別の意味も含む単語であるため、履歴書は「退職」を使用しましょう。
2.退職理由は3種類しかない
退職理由は大きく分けて3つの理由に分けられます。
- 自己都合による退職
- 契約期間満了による退職
- 会社都合による退職
退職理由は、退職する時に会社へ提出する「退職届・退職願い」に記載される退職理由となります。その退職理由はハローワークで失業保険の手続きに使用する「離職票」に記載される内容と同様となります。
3.『退職理由の書き方』 自己都合による退職
3-1.自己都合による退職は基本的に退職理由を書かず、「一身上の都合により退職」と書く
自己都合退職とは、働いている人が自分から退職を申し出るパターンで、最も多い退職理由です。
自己都合で退職する場合は、理由を書かずにシンプルに「一身上の都合により退職」と記載すれば問題ありません。
3-2.自己都合であっても退職理由を書いておいた方が良い場合
採用担当者は、退職回数と退職理由を非常に気にしています。退職理由次第で合否を判断する人も多いです。それほどこれまでの経歴の退職には敏感になっています。
しかし、自己都合で退職した場合であっても、本人に責がなく、やむを得ない理由で退職したような場合は書くとよいでしょう。ネガティブな印象になりがちな退職理由で印象を悪くしないよう心がけましょう。
退職理由を書いておくと良い場合
- 結婚・出産に伴い退職した
- 親の介護のために退職した
- 病気やケガの治療に専念するため退職した
- 転居に伴い退職した
- 資格取得を目指して退職した
結婚・出産に伴い退職した
女性のキャリアに良くある事例です。ライフステージに合わせて仕事を選ぶ人が増えているため、退職理由の理解が得られやすいです。
また、結婚出産を機に退職した人の多くは、家事や子育てなどで仕事をしないブランク期間があります。そのようなブランク期間の説明をしやすくなるメリットがあります。
男性の場合においても、結婚を機に転職する人がおり、勤務地が近いところや勤務時間が調整できる職場を探しているなど、転職理由が前向きな場合は記載しておいても問題ありません。
面接では、子育ての状況など仕事以外の質問をされますが、業務優先で支障がないことを伝えておけば問題ないでしょう。
親の介護のために退職した
両親、兄弟など家族の介護のため退職する場合は、記載しておいて問題ありません。
面接で介護の状況について確認されます。このような場合、「介護していた○○が他界し、介護の必要性が無くなったため、仕事することができるようになった。」などと業務に支障がないことを伝えておきましょう。
病気やケガの治療に専念するため退職した
怪我や病気などの理由で休職ではなく退職した場合は書いておきましょう。完治している場合は必ず記載しましょう。
採用担当者にとって一番気になるところが「病気など再発性があるか」、「同じような状況が起きて、また退職してしまわないか?」というリスクを考え、質問されます。
完治していることを伝え、通常勤務が可能であることを伝えておきましょう。
※治療中もしくは障がいが残ってしまった人の場合
現在治療中の人の場合は、職歴欄に「現在治療中」と記載し、特記事項として通院頻度や業務に支障がないことを追記しておきましょう。
書いてしまうと不採用になってしまうのではと思い、伝えずにいると以下のようなデメリットがあります。
- 面接の中で退職理由のつじつまが合わなくなる
- 入社した後に、ケガや病気の配慮が無く負担に感じる
- 入社後に病気やけがが理由で業務に支障が出た場合、面接で知り得ない情報であったことで懲戒事由にあたり、解雇されてしまう
早期退職してしまうなどのリスクがあり、結果的に負担になってしまうことが多いため病気やケガの状況については記載しておきましょう。
転居に伴い退職した
転居に伴い退職した場合で有効な場合は、旦那様など家族が引越しを伴う転勤を理由に退職した場合です。
単に上京目的で引越し、転職した場合は書く必要がありません。あくまで本人の都合で退職したわけではないことを伝える場合だけ使用すると良いでしょう。
資格取得を目指して退職した
これからキャリアチェンジ、資格を活かして転職したいと考えている人におすすめです。以下のような場合は、印象が悪くなりますので控えておきましょう。
- 合格難易度が高いとされているものではない
- 当時から期間が空いていてキャリアチェンジの説明がいらない場合
一般的に弁護士、司法書士など難易度が高く、勉強期間を要するような資格を取ろうとしている場合は書いておきましょう。
簿記など働きながら取れるような資格の場合、勉強と仕事を両立できないという印象をもたれ、仕事のキャパシティが無いと判断される可能性がありますので控えておきましょう。
4.『退職理由の書き方』 契約期間満了による退職
4-1.契約期間満了の場合は書いておく
会社から契約期間満了をもって、契約更新しないと通知され退職した場合は記載しておくと良いでしょう。
大抵の場合、「業務量が少なくなった」、「人員を削減しなければならない」などの理由で契約期間満了となるので、本人都合による退職ではない場合が多く面接官の印象が変わります。
4-2.契約期間満了のケース
契約社員・派遣・パート
有期雇用されていて、契約期間満了と同時に退職した場合は記載しておきましょう。
紹介予定派遣の場合
紹介予定派遣で応募し、紹介予定派遣先に本採用が決まった場合は期間を分けて記載しておきましょう。
履歴書の職歴欄は雇用主を書くことを基本としています。
紹介予定派遣 | 派遣期間中 | 派遣終了後 |
雇用主 | 派遣会社 | 紹介予定派遣先 |
紹介予定派遣の場合を除き、派遣元企業から派遣先企業に転籍する場合
事業所の閉鎖などの理由により雇用主が変わるケースがあります。派遣会社から派遣先の会社に転籍する場合は、一度派遣会社を退職することになります。
このような場合履歴書上には退職と入社を合わせた意味を持つ「転籍」を記載しましょう。
5.『退職理由の書き方』 会社都合による退職
5-1.会社都合による退職の場合は記載しておく
会社都合である場合、本人の意思に関係なく退職せざるを得なかった場合は、面接官の退職のイメージが悪くなりにくくなりますので記載しておきましょう。
会社都合により退職した場合は、どのような理由であっても「会社都合により退職」と記載します。
5-2.会社都合になる条件とは
会社都合となる理由が決まっており、以下のようなケースしか該当しません。
- 会社が倒産(破産、民事再生、会社更生、手形取引の停止等)した場合
- 大量リストラ(事業所単位で1カ月に30人以上の離職予定、もしくは会社の3分の1を超える人の離職)が原因で離職した場合
- 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇を除く)により離職した場合
- 事業所の閉鎖・移転に伴い離職した場合
- 会社からの退職勧奨(退職するように促されたこと)により離職した場合(この場合、早期退職優遇制度等に応募して離職した場合は含まれない)
その他にも以下のような場合も会社都合になり得ますので、ハローワークで失業保険手続きをするときなどに確認しておきましょう。
- 賃金が大幅に減らされた(15%以上減額された場合)
- 未払い・遅延・滞納が続いたことが原因で離職した場合
- セクハラ、パワハラ、いじめ、いやがらせが原因で離職した場合
- 給与、待遇などの諸条件が労働契約と異なる場合
- 毎月の残業時間が45時間以上の状態が3か月続いたとき
- 期間の定めのある労働契約が更新され3年以上引き続き雇用されたときや期間の定めのある労働契約を締結した際に当該契約が更新されることが明示されたときに、当該労働契約が更新されないこととなったことにより離職した場合
5-3.試用期間満了で退職した場合
正社員として採用されたが、3か月もしくは6か月経過した時に試用期間満了を通告され解雇されてしまった場合です。
試用期間満了で退職した場合は、「会社都合により退職」と記載しておきましょう。
会社が求める仕事の成果が出なかった、素行が悪く改善しなかった場合など理由は様々です。
試用期間で退職した人は、概ね「仕事ができない」という印象を持たれてしまい、逆効果になる可能性があります。
6.退職理由(転職理由)と志望動機はセットで考えること
自己都合で退職する場合、退職理由(転職理由)と志望理由のつじつまが合っているかを必ずチェックしておきましょう。
キャリアの一貫性を持って仕事を選んでいるという基準となる考え方が定まっていることが面接官の評価につながります。
これまでの職種がバラバラであったとしても、仕事を選ぶ軸をもって選択してきたとことを伝えておくと良いでしょう。
7.まとめ
退職理由は採用担当者が必ずチェックするポイントです。そのため上手に書いておくことで書類選考の通過率が上がることも十分可能です。
特に会社都合による退職の場合、イメージがかなり違いますのでそれぞれの事由をしっかり理解したうえで記載しておきましょう。
自己都合であるにも関わらず会社都合と記載して、虚偽の記載をすると入社後に発覚した場合は経歴の詐称として、懲戒事由にあたり解雇されてしまうことも考えられますので、やめておきましょう。
その他にも履歴書の書き方や職務経歴書の書き方に不安のある人は転職エージェントの『経歴書の添削サービス』を利用することをおすすめしています。
履歴書や職務経歴書のビジネスマナーなど基本的なところからアドバイスしてくれます。
初めての転職など一からサポートしてくれる丁寧なエージェントとして『パソナキャリア』を利用するのが良いでしょう。
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こちらの記事が皆様の履歴書の作成にお役に立てれば幸いです。