フリーターと正社員の「生涯年収」ってどれぐらい違うの?成年~老後まで算出

・フリーターと正社員の生涯年収の違いってどれぐらいなの?

・もらえる年金にはどれぐらい違いがあるの?

・生涯年収はどうやって計算すればいいの?

 

などと「正社員の生涯年収」と「フリーターの生涯年収」を比較していませんか?

こちらのページでは、厚生労働省や各リサーチ会社の統計から、生涯年収を算出しています。今の働き方で将来どれぐらい収入がもらえるのか、を考えるときの参考にしてみてください。

 

1.正社員とフリーターの給与推移(20歳~64歳まで)

出所:平成29年賃金構造基本統計調査「雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差

雇用形態別・年代別の給与水準(月給のみ、退職金・賞与含まず)

正社員・正規職員 非正規社員
20-24歳 209.8 183.7
25-29歳 244.3 199.6
30-34歳 281.0 210.6
35-39歳 313.0 210.5
40-44歳 343.0 209.6
45-49歳 373.0 207.0
50-54歳 398.9 205.2
55-59歳 391.5 209.9
60-64歳 313.0 231.5
合計(20-64歳) 14,337.5万円 9,338万円

※計算方法:各年代(20~64歳まで)を5か年でかけて、合計したもの

 

正社員とフリーターでは、毎月の給料の合計だけで五千万円以上の差があります。働き盛りの50代では、2倍以上の給料格差があることが分かります。

更にフリーターで働き続けたとしても、昇給がほとんどしないことになります。30年働き続けても年収が20万円程度しか上がらないようになっています。そのため、年収を上げるためには残業やシフトをたくさん入れるなど働く時間を増やすしかありません。

フリーターとして働いていると、ほとんど昇給しないのが現状です。

 

2.正社員は更に退職金とボーナス、交通費など福利厚生も

正社員の収入は、月々の基本給と残業代だけでなく、表には出てこない手当や給料がたくさんあります。

ボーナス

2018年夏季賞与・ボーナス 2018年年末賞与・ボーナス
東証第1部上場企業 746,106円 753,389円

出所:一般財団法人労務行政研究所

上場企業が発表している正社員のボーナスの平均支給額は、2018年で年間「1,499,495円」でした。毎月の給料とは別に年間150万円近くもらっていることが分かります。

上場していない中小企業のボーナスの平均は41万円となっています。全ての会社の平均金額は77.4万円になります。

(※出所:「厚生労働省 毎月勤労統計調査 全国調査 各年の『夏季賞与』『年末賞与』」)

 

退職金

大学・大学院卒
(管理・事務・技術職)
高校卒
(管理・事務・技術職)
退職金 1,983万円 1,618万円

出所:厚生労働省:『平成30年就労条件総合調査 結果の概況

退職金の支給金額の平均は勤続年数、学歴によって差がつきます。フリーターやアルバイトの人は退職金制度そのものがありませんので、退職金そのものが生涯年収に差に直結します。

 

福利厚生制度

会社の正社員として勤めていると月々の給料に加えて手厚い福利厚生を受けることができます。実際に支給されている福利厚生制度の事例を紹介します。

住宅手当・家賃補助

月額1万~家賃の半額、寮の場合家賃は全額会社負担となります。家賃の半額する会社であれば自分の好きな物件に住んでも、申請すれば毎月5万円以上の補助を受けることができます。

 

家族手当・扶養手当

配偶者や子供がいる社員であれば、月額1人あたり、数千円~5万円程度支給されます。子供の成長に応じて支給額が増えるようになる仕組みもあり、年間数十万近くもらえる制度です。転職においては、家族手当があるかどうかで選ぶ人もいるほどです。

 

交通費

正社員であれば、一日数百円~全額会社から交通費が支給されます。派遣社員やアルバイトの場合交通費が支給されない会社も多く、自腹で通勤することになります。

 

資格取得支援、自己啓発手当

仕事に必要な資格を取得する場合、全額もしくは一部を会社が負担してくれます。年間数万円程度もらえます。その他、一回の参加で2~3万円するような勉強会やセミナーも会社負担してくれます。夜間大学や留学など社費負担の会社も多いのでその場合、数百万にもなります。

 

食事補助・ランチ補助・カフェテリアプラン

社員から評判が良いのが、食事補助制度です。月額数百円~年間数万円程度ですが、毎月の出費をしっかり押さえられるのが良いです。食堂があれば300円程度で定食が食べられます。最近ではドリンク無料、ランチ無料という会社も増えてきています。

 

親族の介護サポート、不妊治療補助

月額数千円~実費の半額程度を会社負担。両親など家族を介護しなければいけないときに、仕事を休まなければいけないような場合、デイサービスなどを利用することがあります。そのようなときに会社から一部補助がもらえます。

その他にも最近増えている不妊治療をしている社員に補助してくれる会社が増えています。これは男性社員であっても対象になるようです。期間や回数が長くなると、数十万~数百万に上りますので社員の負担になります。

最近では社員だけでなく、その家族にも間接的にサポートしてくれる福利厚生制度が増えてきています。

 

企業年金

退職後、~月額20万円程度支給されます。企業年金は会社、勤続年数により違います。

働いているときにもらえるものではなく、退職した後に支給されるものですが、団塊世代以上で既に定年している人たちは、毎月10~20万円近く支給されるので、国民年金、厚生年金と合わせると毎月40万円近くもらっていることになります。

 

その他にも勤務年数が長い社員に表彰される皆勤手当、寒冷地の地域手当など会社ごとに福利厚生制度があります。

福利厚生制度は見えない給料と言われています。大手企業に限られているものではなく、ベンチャー企業でも同レベルの福利厚生制度が整備されています。

 

3.老後の年金にも違いがある

正社員とフリーターでは、定年退職したあとの老後の年金にも大きな差があります。

  正社員 フリーター
種類 厚生年金 国民年金
支給開始年齢 65歳 65歳
金額 14.5万円程度 5.5万円程度
企業年金(一部の人) 上記に加え、~20万円程度 なし

厚生労働省が発表した「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男性の平均月額は、「月額165,668円」、女性の平均月額は、「月額103,026円」です。

女性の場合は、結婚後、出産育児等により、専業主婦としての期間があるため、男性と度の差があります。

フリーターの場合は、更に低く、月額5.5万円程度しかなく、もはやフリーターで老後まで働き続けると、老後に生活できないほどの年金しかもらえません。

 

4.正社員の生涯年収・フリーターの生涯年収

生涯年収として計算すると、

正社員の生涯年収 =(給料)+(福利厚生)+(厚生年金)と考えれば2億円程度ではないでしょうか。

フリーターの生涯年収=(給料)+(国民年金)と考えれば、1億円程度です。

生涯年収として計算するとほぼ2倍近い収入の違いになります。現在フリーターとして働いている人も若い時期であればやりたいことを優先したり、学校卒業後アルバイトを続けて生活しても、生活費に困ることはありません。

 

しかし30代、40代~老後のことまで考えると、フリーターから正社員に転換しておくことを検討しておくべきです。

やりたいことがなかったり、もう少しアルバイトを続けようかな、、などと過ごしていくと将来、生活ができない状況になりますので生活保護を受けながら生活していくことになります。

生活保障の制度が変わっていっていますので、今と同じような状況が続くとは限りません。税収入が下がっていく一方ですので国に生活を守ってもらえる見込みも薄いです。

自分の生活は、自分で築いて守っていくしかありません。あれこれ悩んでいても状況は変わりませんので、行動していくしかありません。

まずは、フリーターから正社員への転職を考えるならば、転職エージェントを利用して正社員の仕事を見つけてしまうことです。

職務経歴書の添削や応募企業ごとの面接対策など実績的なアドバイスを個別コンサルしてくれます。

フリーターから正社員の転職には、こちらのエージェントがおすすめです。

いくつかの転職エージェントがありますが、フリーターからの転職に支援していない会社が多いので、はこちらの会社をいくつか登録しておけば問題ありません。

転職エージェントは、「応募者が不採用になった」、「入社後すぐに辞めてしまった」ときは報酬が発生しないため、真剣にあなたの転職をサポートしてくれます。

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5.まとめ

正社員とフリーターでは30代以降、老後にかけて収入に大きく差がでてきます。結果的に生涯年収にすると1億円近い差が出てしまいます。

フリーターの期間が長ければ長いほど、正社員への転職が難しくなるだけでなく、生涯年収にも影響していきますので、今後のキャリアを考えるときの参考材料にしていただければ幸いです。