「他の転職エージェントを使っていることを伝えると悪い印象にならない?」
「複数登録しているかどうかなぜ聞くの?」
転職エージェントを複数登録しているかどうか聞かれた場合の対処法についてお困りではありませんか?
結論、複数登録していることを素直に伝えて問題ありません。転職者の多くは何社か登録していますので、複数伝えることは普通のことです。
登録状況に関する転職エージェントの質問の目的や意図を理解し、伝え方を間違えなければ問題ありません。素直に伝えることで転職エージェントとの信頼関係構築につながります。
こちらのページでは、現役の転職エージェントとして転職支援を行っている経験からエージェント側の視点から質問の意図もふまえ、対処法について全てご紹介します。
1.複数登録していることを伝えたときのメリット・デメリット
複数登録していることを転職エージェントに伝えた時の想定されるメリットとデメリットをまとめました。
複数登録伝えるメリット
- 素直に伝えることで信頼関係構築につながる
- エージェント担当者に緊張感が出て、優先度を上げてくれる
- 転職エージェントのサービスの説明などを省略してくれ、面談時間の効率化になる
素直に伝えることで信頼関係構築につながる
キャリアアドバイザーから求人を一早く紹介してもらう、丁寧にキャリア相談に乗ってもらうためにも面談の中でお互いの関係構築に努めなければなりません。キャリアアドバイザーが嫌がるものの一つに「嘘をつく、隠す」転職者は敬遠されます。
キャリアアドバイザーに隠し事をしている人は、求人企業にも嘘をついたり、隠し事をして選考に進むかもしれないというリスクが伴いますので、辞めておきましょう。
他の応募状況や転職エージェントの利用状況など伝える、報告しておくことで信頼関係構築に繋がります。
エージェント担当者に緊張感が出て、優先度を上げてくれる
複数登録していることを伝えることで、転職エージェントからすると競合を意識して登録者への転職支援の優先度を上げてくれることがあります。
転職はタイミングが重要で、他より早く動くことで転職が決定することがあります。特に転職者は同じ企業の求人でも一番初めに紹介された転職エージェント経由で応募することが多いため、スピードを上げてくれるようになります。
転職エージェントのサービスの説明などを省略してくれ、面談時間の効率化になる
こちらは転職エージェント2社目以降のメリットとなります。転職エージェントを利用において、面談後の応募や面接日時の調整など今後の流れについて、必ず説明を受けます。その流れはどこの転職エージェントも同じ流れですので、説明の時間を省略し、転職相談など求人紹介に時間を割く事でき、面談の質が上がります。
複数登録伝えるデメリット
- 何社も(4、5社程度)登録していると伝えると、担当者の優先度が下がることがある
複数登録しておいて唯一のデメリットとして、担当者が競合他社の存在を知って、サービス提供を断念する場合です。転職エージェントも営業活動の一面がありますので、効率を重視して競合が多い転職者に積極的に連絡を取らなくなる可能性があります。
しかし、優先順位を下げてくるような担当者では手厚い転職支援は期待できませんので、他のエージェントを活用したほうが良いです。
興味のある求人を紹介された場合など、その転職エージェントを活用したい場合は、登録数を2社と伝える、もしくは貴社が初めてで、明日以降にもう1社登録面談予定と伝えておけば問題ありません。
2.伝えなかったときのメリット・デメリット
複数登録していることを伝えないことも選択肢としてあります。しかしながら伝えなかったときのデメリットを押さえておきましょう。
- 他のエージェントと同じ求人を紹介されたときの断る理由に困る
- 面接日時の調整や応募先の面接担当者から同時並行で応募している企業を聞かれたときに答えに困る
- 転職先が他のエージェントで決まった時に伝え方に困る
他のエージェントと同じ求人を紹介されたときの断る理由に困る
希望条件にマッチした求人を紹介されたときに、既に他のエージェントから紹介されている場合、応募辞退or検討しなければなりません。その場合あなたの希望条件と違った形で履歴が残ってしまうので、これから紹介される求人にミスマッチが起こる可能性があります。
面接日時の調整や応募先の面接担当者から同時並行で応募している企業を聞かれたときに答えに困る
通常、企業面接の場合同時に複数の会社に応募し、同時に内定をもらっていることを伝えると年収交渉しやすいメリットがあります。しかし、転職エージェントに複数応募していることを伝えておかなければ、辻褄が合わないことと年収交渉など選考している他社を引き合いに出しにくくなってしまいますので、メリットがなくなってしまいます。
転職先が他のエージェントで決まった時に伝え方に困る
転職エージェントのサービスを中止したいと思った時に説明しにくくなります。仮に転職が決まっている場合、事実と違った回答をすることになります。転職エージェントではやり取りを履歴に残していますので、こっそり他のエージェントを使って転職を決めたなどとした場合、あまり心象が良くありません。次回以降の転職活動の時に利用しにくくなることがあります。
※このような場合は素直に伝えないほうが良い
転職エージェントが得意とする分野が違う場合
大手の転職エージェントを除き、エージェント各社得意とする専門分野が分かれている会社があります。IT系、アパレル系、管理部門系、営業系など様々ですが、領域が全く違う転職エージェントを複数利用している場合、進みたいキャリアが決まっておらず、それぞれの分野への志望理由が弱いのではと評価されることがありますので、複数登録している転職エージェントの会社名など伝えるのは控えておきましょう。
登録時期がかなり前の時期で転職活動が長引いている場合
登録時期が半年以上前の場合などは控えておいても良いです。
在籍中の人であれば、長期間他の転職エージェントが支援しているにもかかわらず、転職活動の進捗が無いと転職意欲が低いのではと思われ、求人票の紹介が得られにくくなるかもしれません。
離職中の人であれば、不採用が続いているなど何かしらの理由で転職できない人なのではと不安に思われるかもしれません。
3.転職エージェントからはこうやって確認される
転職エージェントから登録状況を聞かれる方法は面談前の手書きアンケート、もしくは面談で直接質問される場合があります。
担当者から聞かれるとき
- 弊社以外に転職エージェントは登録していますか?
- 他のエージェントから紹介された求人で興味のあるものはありましたか?
- 他のエージェント経由でどこか応募していますか?
- 応募した求人で興味を持った理由は何ですか?
登録面談時に、転職活動状況の確認の一環で質問されることがあります。これらの質問に対して素直に回答しても問題ありません。転職活動状況がどうであれ、転職エージェントからのサービスの質の低下につながることはありません。
転職エージェントは、登録状況や転職活動状況を確認するのは、面談と面談後のサービスの進め方を決めるために確認しています。登録状況を確認する理由は主に以下のような場合です。
転職エージェントが確認する理由
- 紹介する求人の業界や職種、希望条件の確認をするため
- 紹介する求人のダブりを無くすため
- 競合の有無を確認して、他社との差別化を図るため
- 転職活動の進捗状況、応募状況を確認して、登録者の転職活動の大まかなスケジュールを確認するため
- その他にもこの質問から新たな情報が得られる場合があるから
求人のダブり等お互いにとって無駄な作業を省略する目的がありますが、その他にも理由があります。
こちらは転職エージェントの裏事情になりますが、他の転職エージェントは競合にあたりますので、同じような求人紹介だけを行っていてはエージェントとしては転職者に使ってもらえません。そのため差別化させるポイントとして「キャリアコンサルタントの資格を持っているのでキャリア相談に強いです。」、「今伸びているITベンチャーの幹部ポジションの求人を自社だけが扱っています。」などとPRしながら面談を行います。
複数登録しておくことを伝えることで、エージェントサービスを有効活用できるでしょう。
4.複数登録していることの伝え方のポイント
- 隠し事せず素直に伝えることが一番
- 登録数を多く伝えないこと
- 転職エージェント選びの基準や方法を伝えることも有効
転職エージェントとの信頼関係構築のため、素直に伝えることが大前提ですが、マイナスの評価につながりそうな場合はそのまま伝える必要はありません。転職支援が受けにくくなってしまいますので控えておきましょう。
転職エージェントの登録数は10社など多く伝えず、「情報収集のために3~4社に登録している」と伝えておきましょう。
5.そもそも複数登録するメリットとは
そもそも面談の時間を確保したり、連絡を取り合わなければならないなど、複数登録すると労力がかかります。しかし転職エージェントの最大活用するためには複数登録しておくことをおすすめしています。
- 良い担当者を見つけることができる・エージェントのサービスを使い分けて効果的に利用できる
- 独占求人を網羅できる
- エージェントとの面談を重ねると、面接の練習になる
- 幅広い視点からアドバイスをもらうことができる
- 情報の精度が上がる
- 年収交渉や待遇条件の交渉の時に比較材料になる
複数の転職エージェントから幅広くサービスを受けたほうが転職活動が上手くいきやすくなります。こちらのメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
6.まとめ
転職エージェントから他の転職エージェントの登録状況を聞かれた場合は、素直に複数伝えていることを伝えておきましょう。複数伝えることが転職エージェントを上手に使いこなすテクニックの一つになります。
素直に伝えることがお互いの信頼関係構築に繋がります。その他の転職エージェントの活用術についてはこちらの記事で解説しています。
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こちらの記事が皆様の転職活動のお役に立てれば幸いです。